73 よく言ったわ!
あたしが叫んだそのとき。
それまで、世界樹に吸い取られていたあたしの血が逆流して、身体の中に戻ってくるのがわかった。
今度こそ、あたしの意識がはっきりしてくる。
「やだ。なんか今のあたし、すっごく元気になってる!」
ずんずんと育っていた世界樹の成長が止まり、枝の先から枯れていった。
あたしは太くなりだしていたひこばえを押しのけて、世界樹の切り株から脱出する。
なんだか血だけじゃなくて、世界樹の気も吸い取っちゃった感じだ。
「お止め! ライラ! 『森の女王』が世界樹を枯らすなんて、前代未聞だ!」
好き勝手なことを言ってくるアルフヒルドさんを、思い切り睨み返してやる。
ゼンダイミモンだろうが、なんだろうが、それであたしの大事な人たちを泣かせるわけにはいかないんだよ!
「お前には魔法の民としての覚悟はないのかい? 魔女として、『森の女王』として、魔法の民の地位を上げたいとは思わないのかい?」
「だーかーらー、『やなこった』って言ってんでしょ! 『森の女王』だの『国王』だの、好き勝手言いやがって、人にそんな役目を勝手におっ被せるな!」
あたしのあまりの勢いに、アンネリが少々ひきながら茶々を入れてくる。
「ちょっとライラぁ。強すぎる女の子はモテないわよ」
「モテるモテない考えて、お淑やかにしてたら殺されちゃうもの!」
鼻息も荒く言い返すあたしは、確かに普通の男たちからはモテないだろう。
でも!
「私は、強いライラが好きだ!」
「マックス! よく言ったわ!」
あたしはマックスの腕に飛び込む。
マックスはあたしを受け止める。
ああ、世界は美しい!




