59 襲われた義父(ちち)
「義父さん、義父さん、返事して!」
「マグヌス氏、なにがあったのですか? マグヌス氏!」
「……これはマズいね」
義父さんからの返事は途切れたまま。
あたしやマックスだけじゃなく、アルフヒルドさんも眉間にシワを寄せて呟く。
そこに、アンネリから連絡がきた。
『ラ、ライラ、落ち着いて聞いて。……今、お、おじさんと連絡をとっていたら、大きな栗鼠が来て、おじさんを殺しちゃった……!』
「嘘……」
全身の力が抜けて、その場にしゃがみ込む。
頭の上から冷たい水をかぶせられたように血の気が引いて、ひどく寒い。
倒れそうになったあたしを、マックスが支えてくれる。
その手のひらが温かくて、あたしはなんとか倒れるのを我慢できた。
アンネリの話では、映像をつなげて会話している途中、あたしが割り込んだので終わるのを待っていたら、家の中に大きい栗鼠が入ってきて、義父さんの首を爪で掻き切ったのが見えたという。
「く、首……を?」
あたしは思わず、義父さんの首がボトリと落ちたところを想像して貧血を起こしかけたけど、このときもまたマックスが支えてくれた。
「本当に亡くなられたかどうかは、行ってみないとわからない。すぐあの家に行こう」
「あたしの穴を使えばいいさ。ほら、あたしが一緒でよかっただろう?」
「は……はい」
あたしは顔を上げることもできず、ただ頷くしかなかった。




