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46 塔の上にいたもの

 よく見ると、驚いているのは王様と王妃様だけで、王子たちはあたし同様きょとんとしているようだ。


 あたしだって、知らない人がマックスの部屋にいるって言われても、どうしたらいいかわからない。

 第一ウリカさんはどこへ行ってしまったんだろう。

 あたしたちを見送るとき「ここはお任せを」と言っていたのに……

 ウリカさんのことが心配になる。

 彼女の身になにかあれば、マックスが悲しむだろう。


 そんなあたしたちに、フレドホルム司令官は見てきたことを教えてくれた。


 + + +


 マクシミリアン様を連れてくるために、兵士たちが塔の上に到着したものの、まったくもって扉が動かないと報告がありました。


「中から鍵をかけているとか、そういう感じとも違うんです」

「岩にでもなってしまったみたいに、押しても引いても叩いても、ビクともしません」


 兵士たちの報告では(らち)が明かず、私は自分で塔に登ってみることにしました。


 階段を登り切った最上階の踊り場に着くと、部屋の中から女性の声がします。


「ほう、フレドホルムか」


「マクシミリアン様付きの侍女か? 確か、ウリカと言ったか」


「左様でございます。ウリカというのも、私の名前の一つ」


 +


(え? ウリカさんて名前がいくつもあるの?)


 思わず声に出そうになって、慌てて自分の手で口を塞いだ。


 +


「そういえば、聞き覚えのある声だ。ずっと昔、この城の中で聞いた。……確かあれはアルフヒルドという名前の侍女」


 私の言葉を受け、後ろに控えていた兵士の一人が質問します。


「誰ですか? それは」


「マクシミリアン様の母上だ」


 私たちの会話を聞いていたアルフヒルド様が、扉を開けて姿を現しました。


「よく覚えておいでですね。私を、王家の皆がいるところへ案内してください」


「それより、我々はマクシミリアン様を探しているのです。どこにいらっしゃるか、ご存じではありませんか」


「大丈夫、間もなくやって参ります」

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