46 塔の上にいたもの
よく見ると、驚いているのは王様と王妃様だけで、王子たちはあたし同様きょとんとしているようだ。
あたしだって、知らない人がマックスの部屋にいるって言われても、どうしたらいいかわからない。
第一ウリカさんはどこへ行ってしまったんだろう。
あたしたちを見送るとき「ここはお任せを」と言っていたのに……
ウリカさんのことが心配になる。
彼女の身になにかあれば、マックスが悲しむだろう。
そんなあたしたちに、フレドホルム司令官は見てきたことを教えてくれた。
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マクシミリアン様を連れてくるために、兵士たちが塔の上に到着したものの、まったくもって扉が動かないと報告がありました。
「中から鍵をかけているとか、そういう感じとも違うんです」
「岩にでもなってしまったみたいに、押しても引いても叩いても、ビクともしません」
兵士たちの報告では埒が明かず、私は自分で塔に登ってみることにしました。
階段を登り切った最上階の踊り場に着くと、部屋の中から女性の声がします。
「ほう、フレドホルムか」
「マクシミリアン様付きの侍女か? 確か、ウリカと言ったか」
「左様でございます。ウリカというのも、私の名前の一つ」
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(え? ウリカさんて名前がいくつもあるの?)
思わず声に出そうになって、慌てて自分の手で口を塞いだ。
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「そういえば、聞き覚えのある声だ。ずっと昔、この城の中で聞いた。……確かあれはアルフヒルドという名前の侍女」
私の言葉を受け、後ろに控えていた兵士の一人が質問します。
「誰ですか? それは」
「マクシミリアン様の母上だ」
私たちの会話を聞いていたアルフヒルド様が、扉を開けて姿を現しました。
「よく覚えておいでですね。私を、王家の皆がいるところへ案内してください」
「それより、我々はマクシミリアン様を探しているのです。どこにいらっしゃるか、ご存じではありませんか」
「大丈夫、間もなくやって参ります」




