芽生え
圓龍「好きになりました!」
戦いから4日後、ブラッカーズとRAIDは大迫一家の仲立ちによって和解した。同時に、2つの協定を結ぶことになった。1つは互いの縄張りに手を出さない『不可侵の協定』。そしてもう1つは、互いに助け合う『相互扶助の協定』である。
「これ以上争えば折角良くなってきたネグルの治安がまた悪くなる。それに、両ファミリーとも優秀な人材を揃えている。争って消耗するより、助け合って築く方が互いにとってもいいはずだ。」
直義に諭されたことで、ルークと圓龍は合意した。これ以降、個人的な衝突はあれどファミリー同士が争うことはなくなり、平穏が訪れたのだった。
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それから1ヶ月が経過した。ルークは今、エフタル地区にある喫茶店でコーヒーを飲んでいる。1人でではなく、圓龍と一緒に。
「だいぶ活気が戻ってきたな。」
「まぁね。やり方が分かってきたよ。まだまだ問題はあるけど、1歩ずつ進んでいる。」
「それでいい。急速な復興は人を置き去りにする。少しずつやっていけば住民もついて来る。」
「ああ、そうだね。」
ルークから金塊を受け取った圓龍はそれをエフタル再興の資金に利用した。最初は住民達の理解を得られなかった為に上手くいかず、四苦八苦していた。しかしルーク達の協力もあって徐々に理解され、今では住民の殆どがエフタルの再興を手伝っている。
「世話になったね。この恩はいずれ返すよ。」
「俺は手伝っただけだ。気にしなくていい。」
「いや、恩を忘れるなんて僕にはできない。それに…。」
「ん?」
「君へのリベンジも、一緒にするつもりさ。」
圓龍はルークの前に拳を突き出し、笑ってみせた。まだ終わっていない。口では言わずとも、力の入った彼女の拳がそう語っている。そんな彼女の熱い思いを、ルークは無視することはない。
「…ふっ、そうかい。」
飲みかけのコーヒーカップを置き、同じように拳を突き出し、圓龍の拳に当てる。いつでも受けて立つ。言葉にせず、拳を通してルークは応えた。
(俺も随分と熱くなっているな。久々だ、こんな気持ちになるのは。)
そんなことを心の中で思いつつ、いずれくるライバルの挑戦に備えて気を引き締める。彼女はいずれ最高のリーダーになる。ルークは心の中で頷き、確信するのだった。
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「ところでさ、ルーク。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
「どうした?」
「そのさ、有栖さんのことなんだけど…。彼女って、今好きな人いるの?」
「…は?」




