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8/13

私のキャラが薄いからって使役する精霊まで濃いのはおかしい。

長らく更新が遅れてしまいましたが、少しずつ交信できればと思います。

お待ちいただいた皆様、大変申し訳ございませんでした。

また新たに登場したキャラたちも好きになってもらえれば幸いです。

魔法の才なく精霊を使役するということに変更されて一日のお休みが出来てしまった。

魔法の出し方しか習っておらず、魔法の貯蓄方法を知らない私はそのままいれば勝手にたまっていくものかと思っていた。

昨日はほんの少しの疲労感を感じていたが、朝になればその感覚も消え去っていつもよりも調子がいいくらいだった。


ベッドから起き上がってジュードに水を貰う。その後暖かな紅茶を飲み今着ている寝間着をジュードに後ろを向いてもらって着替える。

いつもはリカルドが着替えさせてくれるのに、用事があるとかで今回は自分で着替えた。

ある程度までは自分で着ることが出来たが、ドレスは難しい。着物なら自分で着つけできるのに、ドレスは着たことない。着る機会さえなかった。

ふわふわのフリフリの淡い青色のドレス。涼しく木々が青々しい今にピッタリとも言える可愛いもの。

一度は着てみたい、だが生理的に無理!!と思うそれをほぼ毎日自分が身にまとうとは思いもよらなかった。


まあそれはそれとして、あたふたと戸惑いながら途中まで着た後背中にあるリボンや紐を綺麗に結んでもらい、ドレスを整えてもらう。

脱ぎ着するだけで毎回これだけの労力を割くのなら自分で楽に着れるものを簡単でも作ってほしいとお願いしたが、無表情なジュードが笑顔に、いつもは明るいリカルドが目を見開き表情が死んでしまったので、その日以来言えるなんてこともなくずっと着るのが難しいドレスを毎朝着ている。


ドレスを着終わって朝食を食べに扉を開けるとにこやかにリカルドが立っていた。

どうして部屋の中に来ないの?という疑問は口に出さずにそのまま二、三と言葉を交わして食堂へと向かう。


「忘れておったああああああああ!!!!!」


大きな高い声が背後から聞こえたかと思ったらぐえっ、という声の後その犯人がジュードによって床に押さえつけられていた。


「毎度毎度・・・、と言ってもまだ数日だが、何故毎度毎度我をその様に無下に扱うのだ!!我は師匠ぞ!!師匠は偉いのだぞ!!ばーかばああっか!!」


押さえつけられた犯人、リリイちゃんは身動きが取れないながらにじたばたと動いてもがいている。

まるで幼い子供をいじめているみたいで非常に心が痛むので本当に普通に来るなら来てほしいと思っているけれど、どうしてもそれは叶わないらしい。

大きな声が聞こえてから押さえつけられるまでの華麗な動きにリカルドが肩を震わせている。


「あー・・・。ジュード放してあげて。とりあえずこれからごはん食べますが、一緒に食べますか師匠様。」


少し引きつる頬を無理やり引き上げて笑いながらかがんだ。ジュードは私の言葉を聞くとそっと離れた。


「なっ・・!?」


遠くからまた声が聞こえると思えば、王宮に仕えている騎士服をまとった騎士だった。

今の状況はすごく誤解を招く状態なのだ。

小さい女の子を押さえつけ、それを笑顔で見ているという状況。

私が幼女を呼び出し押さえつけじたばたしてるのを愉しんでいるようにしか見えない。

先程まで肩を震わせて笑っていたリカルドはぴたりと笑うのを止めた。

ジュードの様に表情を消してその騎士に目を向ける。


「・・・何用だ。ここは聖女様の屋敷だぞ。いくら騎士とはいえなんの前触れもなく訪れるのは品位に関わると思わんのか。」


ジュードよりも少しだけ高い声は冷たくその騎士に向けられる。

騎士は暫く固まったのちにハッとしたようにこちらへ駆けつけ跪いた。私もかがんでいた体制から立ち上がり彼に目を向けた。


「お、恐れ入ります聖女様。本日はお日柄も良く、」


少しどもりながら話し出すも、


「前置きは良い。此度はどのようなようか。今回の訪問については聞いていない。要求は私が聞こう。リカルド、頼んだぞ。」


リカルドはメイド服に身を包んだジュードに向かってそう言って騎士と共に去って行った。

恐らくリカルドは騎士がメイド服に身を包み給仕している事実を隠したのだ。

ジュードは一瞬眉間に皺を寄せたがすぐに元の無表情に戻った。


「カオリ様、こちらへ。そこの半端者も行くぞ。」


リリイちゃんの上からどき、ちらりとリリイちゃんに視線を流して私をエスコートした。


「お主が我を拘束したのではないか!!我は食べるぞ!!たくさん食べてやるからなあ!!!」


そう怒りながらもチラチラジュードの顔色を窺っているあたり少し怖いようだ。

それを無視する様にリリイちゃんに背を向けてスタスタ優雅に歩いていく。私もその後ろを付いて行った。





食堂へ着いて真ん中に座らされ朝食が運ばれる。運んでくるのはもちろんマッテオ。

マッテオはそのスピードで零れないの?ってくらいのスピードでこちらに運ぶ。

運び終えると、マッテオはリリイちゃんの存在に気が付く。


「こっここここここ、これはあの麗しい聖女様、いや、カオリ様の師匠様であらせられるではないですか!!!!

今日はどうなされたので!?我が愛を詰め込んだ焼き菓子をご所望で!?それとも、私めが最も得意とされるスゥーップを飲んでいただけるのでっ!?」


急にジャンプしたかと思えばリリイちゃんの前に土下座した。これが俗に言うジャンピング土下座ってやつか。

初めて見た。膝痛くなりそうとは思ったけれど、やりなれているのか手をワンクッション入れて膝をついた。

興奮から頬が赤いマッテオにリリイちゃん涙目である。それもそうだろう。動きは優雅で華麗にハイスピードで配膳をしていた。その時のマッテオの仕事の顔は少しときめきを錯覚してしまうくらいには格好がいいのだ。

無駄に洗練された無駄のない無駄な動き、けれどそれを綺麗に見せる無駄な技術。

騎士と錯覚してしまうほどに頑丈な体、基筋肉と歴戦の戦士にも似たいかつい中に感じる大人の色気、

それが一瞬のうちに台無しになるのだ。


一度会った時はすぐに退却したからそこまで被害を被らなかったが、今回は一緒に朝食をとるのだ。流石に避けることはできない。

流石の私も見かねてリリイちゃんに声を掛けようとしたが、それはできなかった。


「な、なんとっ・・・!貴様は我を師と認めるというのか!!貴様、なんと素晴らしい!!普通はそうよな!!主の師であればそれほどの敬意を示すものよな!!

うむ、いいであろう!!貴様名を名乗る事を許そうぞ!!そしてそのすぅーぷとやらを貰おうではないか!!」


今日一嬉しそうな顔をするリリイちゃん。ジュードは嫌悪を向け、リカルドはあまりにもフレンドリー。まあエルティアは論外、か。好きな人に尊敬はされたいだろうけれど、エルティアの性格上それはない。

私もジュードがあまりにも扱いが酷いので子供をあやすような接し方になってしまっているし。

唯一師匠としてあがめたのはマッテオが初めてなのだ。

師匠と呼びながら師として仰がれないのはそれほど心に来るものなのか。ちょっとだけ私も反省した。


「んマッテオっと申します!!さあさお師匠様!!我が極めしスゥーンプ!!今なら、敬意を込めたパンっ!!サルァーダ!!もお付けしましょう!!」


マッチョなオッサンが幼女に土下座して興奮故におかしなテンションになっているところを見ると、美味しいはずの朝食の味がわからない。

あれ?美味しいよね?あれ?もしかしてこれ味ない?

気が付けば「マッテオよ!!」「お師匠様!!!!」と仲良く呼び合っている。

ジュードは無言で我関せずという様にキッチンからスープやパンやらがリリイちゃんの前に置かれる。

ジュードが用意した熱々のスープが人肌くらいぬるくなるまでお互いを呼び合う儀式が続いた。

私はとっくに食べ終わっていたが、リリイちゃんをそのまま放置していくのは何故か危ない気がしてリリイちゃんが食べ終わるのを待った。

ジュードは私が時間を持て余している間紅茶を入れてくれた。

リリイちゃんは余程嬉しかったのか、自分がどれ程凄い魔導士なのかをマッテオに食べ終わるまで語り続けていた。

マッテオは話しながらも美味しそうに頬が緩んむリリイちゃんを土下座したままにこやかに息を荒立てて聞いていた。

それほどの熱い視線でよく味なんてわかるものだ。それよりもよくそんなに食べれるものだ。

私はリリイちゃんを師匠として尊敬した瞬間だった。







朝食を終え、再度自室に戻ると、ジュードはリリイちゃんに話しかけた。


「貴様は一日空けると言っていたのではないのか。なぜここにいる。」


絶対零度の無表情がリリイちゃんに向けられている。


「ま、魔力を圧縮し魔力を貯めるやり方はあくまでも魔法を発する過程にすぎん。魔力を圧縮し貯めて、それを放出せねば魔力が暴走してしまう。

我はその圧縮し貯めた魔力をどう放出する必要なく暴走させずに内にとどめる方法を教えておらんかったのだ。

我は今日それを教えるのだ!」


リリイちゃんは強気に答えた。私に教える、その一点のみの自分の有意性を示すように。

半端者が問題視されているのはわかっているが、あまりにもリリイちゃんに当たりが強すぎる。

これはリリイちゃんが帰ってから要話し合いだなと思わせた。

それからキッとこちらを見て魔力の貯め方を教えてくれた。

最初に教えてもらった魔力の貯め方は、言えば風船に魔力を貯める感覚。

つまりは魔力を外へ向け、一定の魔力を貯める。それが魔法の大きさに繋がるわけだが、魔力を貯蓄するには、それをうちに向ける必要がある。

イメージとしてはお風呂を貯める感覚で、体内にある大きな魔力プールに圧縮した魔力を置いていくイメージ。

リリイちゃんは私の手を取ると、魔力をぐいぐいと操作する。

体内にある魔力をとどめる場所へと引っ張ってくれた。


「よいか。ここがその貯蓄タンクの様な場所だ。少々時間が掛かったが、ここに圧縮した魔力を持っていくのだ。

間違うなよ、あの外へ出すための圧縮ではなくその場所へ持って行ってからその魔力を圧縮するのだ。」


リリイちゃんは私が魔力を圧縮し貯めているのを確認したら、そのまま去って行った。

ジュードがきついことを言ったせいで追い出したみたいな形にはなってしまったけれど。


それから丸一日ずっと魔力を貯め続けた。翌日の精霊という私の世界とは縁遠い存在に期待して。






翌日、リリイちゃんはまた朝からやって来た。朝食にありつくためである。

昨日同様、マッテオの土下座を横目に美味しい朝食を食べる。

リリイちゃんも昨日同様ずっと自分の話ばかりしており、それをただただマッテオが聞いている。

この空間は2日目とはいえ慣れない。




朝食を終えて再び自室に戻ると、ジュードが入り口に立つ。

そしてリリイちゃんは嬉しそうに三枚の紙を取り出した。


「聞いて驚け我が弟子!!この魔法陣はな!我の血を使い書いたものだ!!我の魔力がふんだんに使われておる!!

つまり!!この魔法陣で呼び出される精霊は全て上級以上の精霊ばかりとなる!!それを使役するとなれば、通常の魔法使いなど目ではないの!!それどころか、魔導士にも後れを取らんぞ??」


ぴょんぴょんと飛び跳ねながらその反動でぐしゃりと曲がっていく魔法陣の書かれた紙に少なからず同情をしてしまった。

そして興奮したまま床にその紙を置き、リリイちゃんが小声で呪文を唱えると、目を開けられない程の強い光を放った。

光が消え、ようやく目を開けると、そこには小さな小さな白い虎がいた。


「あれ?虎、じゃと?」


リリイちゃんが戸惑い冷や汗をかいている。

彼女の様子からもしかして失敗したのかと思ったが、その小さな虎の愛くるしさに失敗していたとしてもいいかなと思っていた。


『にゃあ。』


その虎は喋った。鳴き声ではなく、私にもわかるように、人の言葉でにゃあと言った。


「え?にゃあって言うの?普通鳴かない?そこは鳴くんじゃないの?」


私はそこに戸惑っていると、


『なぁんだ、ミィを呼んだ変わり者がいたと思ったら、本当に変わり者、ミィとおんなじか。にゃあ。

ミィを呼んだのはそこのちびだろ?にゃあ。』


すごく取って付けたような語尾の虎、というか、虎ってにゃあって鳴くの?いや。もう話しているしその語尾の必要性はないんじゃないかな?

ちょこんと座ったまま、くりくりしたその目で召喚者であるリリイちゃんを見ている。


ようやっと我に返ったリリイちゃん、虎に近寄った。


「いや、我ではないが。精霊は人型が多いのであろう?動物を象った精霊など聞いたことない。なぜその姿をしているのだ?」


精霊は人型が普通らしいが、気まぐれだと聞いていた以上、猫科の虎はどことなく会っている気がしていた。

小さな虎はリリイちゃんから私に目を向けじっと見つめる。


「え、っと、その姿、可愛いですね。」


とりあえず褒めてみた。その虎は魔法陣からでようと立ち上がった。


「あ!おい!!ならん!!その魔法陣から出れば消え、」


魔法陣から出ようとした虎は一度その足を止めたが、そんなもの気にせずにてくてくと私の方に歩いてきた。

魔法陣から出たのに、その姿を維持したまま。


『馬鹿だなぁ、魔法陣は呼び出しと可視化だろ?にゃあ。そんなもの、ミィが可視化できればこの魔法陣の中にいる必要はないじゃん。・・・・あ、にゃあ。

ミィも人型になれるけど、好きじゃないんだぁ。ミィはこの姿が好きぃ。にゃあ。』


私の足元まで近づいてドレスのフリルで遊びだす。


「・・・・まあよい。お主、この娘と契約してくれんか。」


リリイちゃんは不思議そうにその虎の姿を見つめていた。


『ん?あー、そうだなぁ。もしそのお願いがそこのちびだったら嫌だけど、君ならいいね。精霊の常識もなさそうだし。いいよ、ミィと契約しよか。にゃあ。』


前足を一度止め、ぴょんと私の頭まで飛び、フニフニのその肉球をぺたりと額に当てた。

その衝撃だけで、契約したかどうかも定かではないが、すとんと着地した虎は、大きなあくびをした後丸まって寝てしまった。

私とリリイちゃんはお互いの顔を見合わせ、気まずい沈黙ののち、もう一枚を差し出した。

そして同じように小さく呪文を唱えると、今度は三毛猫がその陣の上に現れた。

ん?猫縛り?現れる精霊全て猫になるの?猫科限定なの?

そう思って再度リリイちゃんを見たが、呼び出した本人が誰よりも驚いていた。


「ま、また、また猫だというのか・・・!我は間違えたのか?陣の書き方を、魔導士たる我が間違えたというのか?」


目に涙がたまっている。私個人としては猫可愛いから好きなのだけれど。

そんな私たちの様子など気にも留めず猫は叫んだ。


『あーーーーー!!!アンタ!!なんでこんなところにいるのよ!!まさか、人間に仕えているわけないわよね!!だってさっきま、なんで契約してるのよこの馬鹿ーーーー!!』


毛を逆立てて白い虎に話しかける。私たち空気。


『んー?あ、ミィの同類その2じゃん。にゃあ。何うるさいなぁ。ミィは寝ていたんだよ?起こすなよなぁ。にゃあ。』


ちらりと三毛猫の方を見たものの、つまらなそうに背中を向けて再度寝なおした。

そのせいで三毛猫の彼女がヒートアップする。


『にゃあって何よにゃあって!!かわい、じゃなかった、そんなのいつもは言わなかったくせに何よぉ!!いいわよ私だってわんって言ってやるんだからね!!わんって!!』


対抗するべきところはそこなのだろうか。というかこの世界の住人は、好きな男の子に対してツンデレになる呪いにでもかかってしまっているのだろうか。


『にゃあ。』


しっぽが気まぐれに揺れている虎に憤慨する猫。


『あーあーあー。もうやめなさいったら。見苦しいったら無いじゃないのよん。女はね、そうやってされるのが一番腹立つんだから、ってそうでもないのねこの子。なんでもありなの?』


・・・気が付けば黒い猫が増えていた。

ちらりとリリイちゃんを見れば、首が引きちぎれんばかりに左右に振って否定を示している。

突如低いイケメンボイスな黒猫は三毛猫と虎の仲介人として2人の間を取り持っていた。


『んもぉこの子達ったらいっつもそうなんだから。あらやだごめんなさいね?ほらこの子達力が反してるからって張り合っちゃって。若いわねぇ。・・ん?この子と契約してるの?やだ、この子女じゃない。だめよ今すぐやめなさい。』


唐突に私に話しかけたかと思えば、私とその虎と契約したのがわかると手の平を返したように背を向けたままの虎に話しかけた。


『にゃあ。』


虎はにゃあと言うだけで我関せずを通している。自分の事であるのに。

今まで見たことのない出来事が起こっているせいか、リリイちゃんは固まったまま動かなくなってしまった。

3匹がずっと揉めていることで話が進まない。私は目でジュードに助けを求めた。ジュードは何事かとこちらに近寄ってきた。

誰かが近くに来たということで一時的に3匹の会話が止まる。


『あらやだ、いい男じゃない。』


駆け寄ったジュードに反応したのは、黒猫だった。


『この人だったら契約してあげてもいいわよ?』


黒猫はジュードの足元に歩き出し、すりすりとすり寄った。

ジュードは無表情に黒猫を見つめ、


「申し訳ございませんが、それは出来かねます。よろしければ、我が主に仕えてもらえないでしょうか。」


すり寄る黒猫の前足を優しく手に取り、その足に口づけを落とした。


『は・・・、はい。』


艶やかな声を出したかと思うと、黒猫は私の額にその肉球をぺたりと付けた。

ジュードは小さく頭を下げ、私はジュードに口パクでありがとうとお礼を言った。


「私と契約になりましたが、時にはジュードを守ってあげてくださいね。」


黒猫が明らかにジュードを好きなのは目に見えてるので苦笑いになってしまったが、そう伝えたが、


『馬鹿ね。気に食わないけど貴女に仕えるのよ。そんな中途半端なことするわけ無いじゃない。アタシが守るのは貴女よ。でもいいの。結ばれない恋って言うのもまた、燃え上がるものなのよ。』


と決められてしまった。是非姉御と呼ばせていただきたい。

そして困ったことにその三毛猫は未だに突っかかっている。

どうしたものかと思いあぐねていると、先ほど仲介していた黒猫が三毛猫の方に近寄った。


『呼び出されたとはいえ、契約もしないなら早く消えなさい。アタシとそこのはもう彼女と契約済みなの。ここに残りたいなら契約するか、それが嫌なら即座に立ち去るのね。』


鶴の一声ならぬ黒猫の一声。彼?彼女?の一言で三毛猫の言葉による攻撃は止む。

ここで話を切り出せると思ったが、深刻そうに考え込んでいるので声を掛けるのを控えていたら、


『いい加減にしてくれないかなぁ、ミィは契約してここにいるんだよ。君はお呼びでないわけ。さっさといなくなってくれない?にゃあ。・・・・あ、これは無理やりすぎたかな。』


小さな虎から発された冷たい空気は私達ていないことがわかっているのにひやりとさせられる。


『わ、わかったわよ!!!契約するわよ!!あんたより絶対絶対有能だって証明してやるんだから!!』


三毛猫は勢いよく私の方に駆け出して倒れそうな勢いで肉球を額に押し付けられた。

倒れる瞬間、不思議と幸せを感じた。

フニフニの肉球で倒れるなんて、ちょっとなつかれたみたいで幸せじゃない?

だが、倒れることなくジュードに支えられる。

こうして精霊の契約が完了した。

白い小さな虎と三毛猫、そして黒猫。

人型が多い中、珍しく動物、猫の姿の精霊。可愛いのでこれはこれで大いにありだと思った。









『そうだわ、私達に名前をつけてくれないかしら。契約は完了してるから別にいいんだけど、貴女3体も契約したじゃない?そのせいで誰が誰かわからないのよ。』


契約が完了し、未だに硬直の解けないリリイちゃんを放置して猫たちはふかふかのベッドの上にいる。

私はそのベッドに座り、近くにすり寄ってきた虎を優しくなでている。


「えっと、じゃあイメージで黒猫さんがルナ、白い虎君がヒスイ、三毛猫ちゃんがコハクでどうでしょう。」


ぱっと思い付きで名付けたその名前は3匹に気に入ってもらえた。



『にゃあー。(ちょっと嬉しそう)』

『人間にしてはまあまあじゃない?ま、それで呼ぶことを許してあげるわ!!』

『やん、可愛いじゃなぁい!!アタシの可愛さがにじみ出る名前ねん。好きよ、そういうの。』




 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

最後まで楽しんでいただけましたでしょうか。

まだまだ拙い文ではありますが、今後の展開と成長も含め、見守っていただけたらと思います。

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