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第7話 ぽんず争奪戦

タヌキツネ洞窟。小さな笑劇場。

ジャ~ン。

「今日も開けるよ。お宝や〜」

浪漫タヌキ。タカラぽこ。

ダブルボックスのボケ担当。

「今日もびっくり。ダブルボックス」

道化タヌキ。ビックリぽこ。

ダブルボックスのツッコミ担当。

「パカ。からから空っぽこ」

「ボケ。びくびく。何でやねん」

あはは。あはは。あはは。

ぱちぱちぱちぱち…。


観客席の外。

「この可愛い女の娘とは、ワシが付き合う」

大御所キツネのゴンチャンが、人間さんのぽんずの手を引き寄せる。

「何でや。ゴンチャン。この娘は、オレの友達や」

お笑いタヌキの又之介が、あわてて人間さんのぽんずの手を引いて戻す。

又之介とゴンチャン。

双方から引っ張られる女の娘ぽんず。

大人気だ。

「こんな可愛い女の娘、ワシのものじゃ」

「可愛い女の娘は、オレのものや」

ゴンチャンと又之介は、にらみ合う。

「い、痛いよ〜。引っ張らないで〜」

人間さんの女の娘ぽんずは、悲鳴をあげる。

「ど、どうなるやねん」

北太は、あわあわと混乱している。


『バカとアホしかいないのか』

フワフワあじぽこ様が、あきれて頭をかかえる。

若いタヌキも大御所キツネも、人間さんと仲良くしてはいけないと思っていない。

オオワライの森の安全のため、人間さんとは、距離をおきたいのだ。

人間さんが森を切り開こうとしたことが、昔に、本当にあったから。恐ろしかったから。

大御所キツネのゴンチャンが、この様子では何も言えない。


第7話 ぽんず争奪戦


「よし。ゆずれないのは、わかったのじゃ」

「わかってくれたんか。ゴンチャン」

ゴンチャンと又之介は、ぽんずの引っ張り合いを中断する。

大御所キツネのゴンチャンは、何か勝負をして、お付き合いする方を決めようという。

勝負。どんな勝負か。

「ワシらは、お笑いキツネとお笑いタヌキじゃ」

「おう」

「お笑いで、勝負じゃ」

「望むところやで。ゴンチャン」

お笑い勝負。

一対一で、真剣勝負。

笑える一発ギャグで、大勝負。

審査員は、森の動物たち。


「この笑劇場は、ワシが広めたと言っていい場所」

絶対的な自信を持っているゴンチャン。

「ワシに勝つには、100年修行するんじゃな」

「100年もいらんわ。オレの実力は無限大や」

バチバチ…。

激しくにらみ合う。

ゴンチャンは、笑劇場が完成した昔から、一人漫才を披露してきた伝説のお笑いキツネ。

オオワライの森で知らない者はいない。

一方、又之介は、若いお笑いタヌキ。

北太とのコンビで、大爆笑カルテットを結成。

今、ノリに乗っている新人だ。

実力は、未知数。

まだまだ、これからの期待の新星。

大御所ゴンチャンにも、挑んでみせる。


「勝負は、明日の笑劇場じゃ」

事前にネタを作るゴンチャン。

「何や。今すぐでもいいんやで」

即興漫才の又之介。

笑える一発ギャグ勝負は、平等に、明日に決まる。

「お笑いタヌキの本気を見せたるで」

又之介は、気合いを入れる。


爆笑事務所。

「それは、タヌキツネ大賞の再来やでん!」

笑福社長は、話を聞くなり、大声を張り上げた。

タヌキツネ大賞。

お笑いタヌキとお笑いキツネが、競い合った昔の大会。

活気のあった。遠い昔のお笑い大会。

「昔は、人間さんが審査員してくれたんやでん」

懐かしそうに、遠くを見つめる社長。

「人間さんが、審査員しとったんか?」

又之介は聞く。

「そうやでん。昔は、な」

笑福社長は、がっくりと肩を落とす。

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