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第6話 すっごい森のため

タヌキツネ洞窟。小さな笑劇場。

ジャ~ン。

「合間に登場。ポンデュオだポン」

「お茶ほしい子、聞いて〜」

「緑茶、木の葉一枚で販売中ポン」

「買ってね〜」

「じゃあ、売っちゃうポン」

「毎度ありがと〜」

あはは。あはは。あはは。

売り子スタート。

ぱちぱちぱちぱち…。

観客席の動物たちに、緑茶が飛ぶように売れていく。


観客席。外。

「オオワライの森を消すって、どういうことや」

『くわしく言うが…』

あじぽこ様は、目を細める。

オオワライの森には、森の動物たちが住んでいる。

それらは、森属性の霊力を持ち、人間さんの姿になれたり、人間さんの言葉をしゃべったりできる。

この森が、万が一切り開かれたら、化けタヌキやキツネたちの力は、失われてしまう。

ただの自然動物と同化してしまうのだ。

「難しい話は、わからん」

『黙れ』

人間さんは、いつでも気が変わって、森を重機で切り開くことができる。危険な存在なのだ。

『人間さんと深く関わるな。北太、又之介』

あじぽこ様は、忠告した。

人間さんを刺激するなということ。

『オオワライの森のためを考えろ』

「…まあ、わかるわ。人間さんが何するかわからんということやな」

又之介は、何度もうなづく。


第6話 すっごい森のため


「と、いうことで、人間さんの女の娘。オレとも友達からお付き合いはじめような」

又之介は、ぽんずと握手する。

「え、いいの?」

話を聞いていた人間さんのぽんずは、遠慮している。

「オレ、相方の北太を応援したいんや」


バシイイイッ。

あじぽこ様のハリセンが、又之介の頭を叩く。

「あいたたっ…」

『話を聞け。又之介!』


「この人間さんの女の娘が、森を切り開くワケないやろ」

楽しく、女の娘との握手を再開する又之介。

『人間さんは、何を考えているかわからないんだぞ』

「握手うらやましいやねん。仲良くしたいやねん」

北太は、女の娘との握手をしたがる。

又之介は、バカだ。

北太も、アホだ。

お笑いタヌキに、真面目さを要求する方が間違っている。

「私、森を切り開くとかできないよ。考えないよ」

「そうやろ。そうやろ。なあ、北太」

「又之介。応援してくれてうれしいやねん」

北太が、握手を入れ替わる

「たまに、タヌキツネ洞窟に遊びに来るくらいなら、いいんじゃないかな?」

いつもの森のリスが、言う。

「そうやな。ええと思う」

「女の娘と友達やねん。あじぽこ様」

『…』

フワフワあじぽこ様は、黙って考え込む。

大ボケな、オオワライの森の若い動物たち。

人間さんに警戒するのは、昔を知り、重機の恐ろしさを知る大人の動物たちだ。

ジェネレーション違いである。

どうにも、最近の若い動物たちは、警戒心が無い。

何とか、若い動物たちを説得しようと考えるあじぽこ様。

そこへ、かなり大人の化けキツネがやって来る。


「お主たち、何の話をしているのじゃ」

大柄なオッサン化けキツネ。

ゴンキツネのゴンチャンである。

100年以上生きる、大御所お笑いキツネだ。


「ゴンチャンやないか」

「ゴンチャ〜ン」

又之介と北太は、手を振る。

「その女の娘。人間さんじゃなかろうな」

ゴンチャンは、ぽんずをにらみつける。

大人の動物。

人間さんの恐ろしさを味わった世代。

人間さんの女の娘、味元ぽんずをジッと見る。

「…可愛い女の娘じゃ」

ゴンチャンは、一目惚れしてしまった。

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