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第5話 マイ・ウェイ、行こか

タヌキツネ洞窟。爆笑木造アパート。

爆笑事務所のタヌキが住む木造アパート。

又之介は、北太と相部屋で暮らしている。

木のテーブルをはさんで座る。

座布団も敷いている。

「とりあえず、台本作ればいいんやな」

「そうやねん」

黙って考え込む二人。

いつも、その場のノリで作る即興漫才が、大爆笑カルテットの持ち味。

事前に考えて意味あるのか。

「なあ。北太。オレ、思うんやけど」

「ボクも思うやねん」

いつも通りのお笑いで、行きたい。

又之介と北太は、うなづき合う。


小さな笑劇場。

ジャ~ン。

「オレたち、根菜こんさいず。よろしくコン」

緑の笑撃。ほうれんコン。

「オレたち、緑と白の笑撃を呼ぶコン」

白の笑撃。だいコン。

「みどりの日に思い出すコン」

「しろの日は、何故無いコ〜ン」

「ミドリの信号に思い出すコン」

「しろの信号は、何処にあるコ〜ン」

あはは。あはは。あはは。

ぱちぱちぱちぱち…。


二組目。

ジャ~ン。

「大爆笑カルテット、考えたんや」

「ほんまは、考えてないやねん」

「即興漫才が、オレたちに一番向いとるで」

「即興漫才を一直線やねん」

「ゴーイング・マイ・ウェイや」

「進みますやねん」

あはは。あはは。あはは。

ぱちぱちぱちぱち…。


第5話 マイ・ウェイ、行こか


小さな笑劇場の楽屋。

『お前たち、よくぞ、我が道をつらぬいた』

フワフワあじぽこ様は、小さな腕を組んでいる。

怒られるかと身構える又之介と北太。

しかし、あじぽこ様は、うなづく。

『ゴーイング・マイ・ウェイは、重要だ』

「あじぽこ様」

『お前たちは、自分の道を信じて進むのだ』

「あじぽこ様…」

「おおきにやねん」


「大変だよ」

森のリスが、あわてて楽屋に入ってきた。

何事か聞くと、人間さんの女の娘が、また、タヌキツネ洞窟に迷い込んできたらしい。

また、森のリスを追いかけて、入り込んだという。

「また、お前のせいなんか」

「いい加減にしろやねん」

「ご、ごめんよ」

森のリスは、頭を下げる。

入り込んできたのは、味元ぽんず。

あの北太が恋をした女の娘だ。


観客席。外。

「あ、あの、タヌキの男の子と友達になった、味元ぽんずなんだけど」

森の動物たちにまぎれて、人間さんの女の娘が一人迷い込んでいた。

あれから、何度か会いに来ようとしていたらしい。

健気だ。

「そんなに、ボクに会いたいやねん?」

「うん。だって、友達になる約束したから」

「可愛いやねん…」

惚れる北太。

ぽんずは、あどけない中に、可愛さがある。

こんな可愛い人間さん。惚れてしまうだろう。

笑福社長に否定されたお付き合い。

友達くらいなら、いいだろう。

「名前、聞いてなかったよね。教えてよ」

「ボクは、お笑いタヌキの北太やねん」

「北太くん…」

見つめ合う。

この女の娘。めっちゃ、可愛い。

この男の子。つぶらな瞳で、カッコいい。

双方が、好印象を持っていた。

軟派な北太としては、可愛い女の娘は、誰でも好きになるだけの軽い気持ちである。


『待つのだ。北太』

フワフワあじぽこ様が、わって入った。

『人間さんの女の娘と仲良くしてはいけないぞ』

笑福社長と同じく、否定される。

何で、人間さんの女の娘と仲良くしてはいけないのか。

それを、あじぽこ様は、ひと言で教えてくれた。


『人間さんは、オオワライの森を消してしまう』


「消す…?」

黙って見ていた又之介は、首をかしげる。

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