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第4話 あじぽこ師匠の苦言

タヌキツネ洞窟。小さな笑劇場。

ジャ~ン。

「ポンデュオだポン」

少年タヌキのバイトポン。

「売り子デュオよ〜」

少女タヌキの少女オトメポン。

「麦茶、売るポン」

「売るわよ〜」

あはは。あはは。あはは。

売り子スタート。

ぱちぱちぱちぱち…。

次々と、麦茶を売ってまわる。

森の動物たちに、麦茶が飛ぶように売れていく。


二組目。

ジャ~ン。

「大爆笑カルテットやで」

「よろしゅうやねん」

「壁があるんや」

「へ〜いやねん」

「壁はないんや」

「へいへ〜いやねん」

あはは。あはは。あはは。

ぱちぱちぱちぱち…。


小さな笑劇場の楽屋。

『笑いがなってなーーーーい』

お笑いの師匠、あじぽこ様が苦言を言った。

「あじぽこ様、何でや」

「あじぽこ様、どうしてやねん」

『黙れ。大爆笑カルテット』

あじぽこ様は、フワフワタヌキのお人形スタイル。

良き師。厳しい師匠なのだ。

『お前たち、二人は、まだお笑いがわかってない』

フワフワだ。


第4話 あじぽこ師匠の苦言


おタヌキ料亭。

タヌキの憩いの場。お料理どころ。

美人化けタヌキのおタキさんが、一人で営業している。

おタキさんは、料理上手。

ここの天ぷらは、絶品なのである。

お料理は、全て、木の葉一枚で一食分。

お笑いタヌキの又之介は、このおタキさんのことが大好き。

料理上手な美人タヌキ。一生美味しい料理を作ってくれそうな女将さん。

でも、仲良しではない。恋でもない。

そんな感じである。

人間さんの女の娘のことは、忘れる。

「おタキさん、お邪魔するで」

カッコつけて髪をかき上げる。

「毎度どうもありがとうね」

おタキさんは、大人だ。

「ゆっくりしていってね」

女将のおタキさんが、お茶を注いでくれる。

『お前たちに、ゴチになるぞ』

フワフワあじぽこ様は、天ぷらを注文する。

あむあむ。

揚げたての海老天を食べる。

又之介は、あじぽこ様の分の支払いを先にすませる。

支払いは、一食分につき、木の葉一枚。

『美味しい。お茶をもう一杯』

「あじぽこ様。オレたちのどこが悪かったんや」

「ちゃんとお笑いしてるやねん」

『自分の胸に聞いてみろ』

あじぽこ様に言われ、自分の胸に手をあてる二人。

大爆笑カルテットとして、いつも通り全力投球。

その場のノリで、アドリブを言って笑いを取っている。

あじぽこ様は、そのアドリブが悪いと指摘する。

「アドリブが悪い…何でや」

『人間さんは、事前にネタを作っている』

あむあむ。

二本目の海老天を食べる。

「事前にネタを作る…?」

「ネタって何やねん」

『知らん』

「知らないんかい」

又之介は、師匠にツッコむ。

海老天を幸せそうに食べる師匠あじぽこ様は、ネタが寿司ではないことだけ教えてくれる。

「寿司は思いつかん」

『お笑いは、事前に用意するものなのだ』

「事前…即興漫才なんとちゃうのか」

『お前たちは、ネタBOOKを作るのだ』

ネタBOOK。ネタを書く本。

「そんな面倒なこと嫌や」

『いいから、やれ!』

フワフワあじぽこ様は、ちくわ海苔天を味わう。

「ネタBOOK…」

事前に書かなくてはいけないのか。


コンコンコンビニ。

キツネの経営するコンビニエンスストア。

そこで、ノートとえんぴつを買う。

小さい木の葉を二枚使った。

「出費がかさむな。北太」

「あじぽこ様が言うやねん。頑張るやねん」

「そうやな」

かくして、大爆笑カルテットの二人は、ネタ作りに挑戦することにしたのだった。

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