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第3話 森のオキテと言いますと

タヌキツネ洞窟。爆笑事務所。

「お付き合いNGやでん!」

笑福社長は、ハッキリと言い放つ。

「えー。何でや」

乗り気だった又之介は、困ってしまう。

人間さんの女の娘ぽんずとのお付き合いが、否定された。

「両想いになった女の娘なんや」

「何が、両想いやでん。人間さんの女の娘は、やめとかなあかんでん」

「えー」

「ボクも、否定したやねん」

軟派なお笑いタヌキの又之介。

相方の北太は、笑福社長と同意見だ。

その昔、人間さんは、オオワライの森を切り開こうとした。

それはそれは、恐ろしい重機で。

森の動物たちは、根に持っている。

森の憎しみ。

お野菜、しみしみ。

いつ人間さんの気が変わるか、わかったものではない。

「人間さんは、恐ろしい生き物やでん」

「えー。お付き合いしてもええやん」

「話聞くでん。恐ろしい生き物言うてるやでん」

「可愛い生き物なんや。女の娘や」

「黙れ。ボケ。お付き合いはNGやでん」

ゴツン。

しつこい又之介の頭を、笑福社長がどつく。


第3話 森のオキテと言いますと


小さな笑劇場。

ジャ~ン。

「大爆笑カルテットは、笑い取るで」

「トレールやねん」

「そろそろ、爆笑取りたいわ」

「トレールやねん」

「トレールって何や」

「いつものアドリブやねん」

あはは。あはは。あはは。

ぱちぱちぱちぱち…。


小さな笑劇場の楽屋。

「今日も大ウケやで」

又之介は、満足げにうなづく。

「ほんまは、小道具も使いたいやねん」

北太は、楽屋をうろうろする。

楽屋には、衣装や小道具が置いてある。

衣装は、着物が数点。

小道具は、コマやメンコだ。

古いものばかりで、使いどころがわからない。

「小道具もええな。人間さんのお笑い屋さんなら、上手く使うんかな」

「どうなんやろやねん」


小さな笑劇場。

ジャ~ン。

「ただいまより。お掃除の時間となります」

うんうん。

「観客席の皆様で、お掃除できる方は、お手伝いしてください。よろしくお願いします」

うんうん。

観客席の動物たちは、一致団結して、お掃除を手伝う。


小さな笑劇場の楽屋。

「人間さんか…」

又之介は、考える。

お笑いタヌキの憧れ“テレビ”。

そのテレビは、人間さんが作ったもの。すんごい箱だ。

夢の宝石箱だ。

お笑いは、人間さんのテレビで知った。

笑福社長は、人間さんとのお付き合いを否定するだけで森の娯楽となっている、お笑いは、挑戦的だ。

森の動物たちに開かれた笑劇場を作った。

どんどん、化けタヌキ流の漫才をやっていいと言っている。

お笑いを極めろ。

お笑いで森を盛り上げろ。

それは、いいことみたいな感じだ。

人間さんとは、恋するな。

人間さんのお笑いをタヌキとキツネで続けろ。

そんな感じか。

「何で、人間さんとお付き合いしたら駄目なんや」

まだ、又之介は、人間さんの女の娘のことを気にしていた。

笑福社長に、NGを出されたら、もう忘れるしかない

「何か、スキャンダルでもあったと思うやねん」

スキャンダル。不祥事。北太の予想。

化けタヌキかキツネか、人間さんと何かもめたのか。

熱愛報道でも、あったのか。

わからない。

「とにかく、忘れるわ」

「それがいいやねん」

又之介と北太。大爆笑カルテットは、うなづき合う。

人間さんと、昔何があったかは知らない。

お笑いタヌキの二人は、人間さんのテレビの中で喜劇を見て笑いが大好きになった。

お笑い屋さんに憧れた。

この道をまっしぐらでいいと思っている。

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