第2話 タヌキとキツネ
タヌキツネ洞窟。小さな笑劇場。
ジャ~ン。
「大爆笑カルテットは、楽しいで」
「やめられないやねん」
「オレたち、仲良しや」
「男同士、付き合ってるやねん」
「深い意味ないで」
「信じてほしいやねん」
あはは。あはは。あはは。
ぱちぱちぱちぱち…。
小さな笑劇場の楽屋。
「オレらの持ち味は、即興漫才や。何言っても、森の観客は大ウケやで」
又之介は、ご機嫌で、木のコップの水を飲む。
「大爆笑取ったやねん」
北太は、うちわをあおいでいる。
二組目。
ジャ~ン。
「木津ブラザーズですう」
化けキツネの池也。弟。
「よろしゅうですよ…」
化けキツネの渋也。兄。
「振り子まわしますう」
「振り子ですよ…」
「催眠術で笑い取りまーす」
「眠くなりますですよ…」
あはは。
あはは。
あは…。
観客の森の動物たちが、眠ってしまう。
第2話 タヌキとキツネ
小さな笑劇場の楽屋。
「おい、タヌキ」
「お~い」
化けキツネのお笑いコンビが、現れた。
「木津ブラザーズかい」
「何の用やねん」
警戒する。大爆笑カルテット。
木津ブラザーズ。
渋也と池也。
ド派手な衣装が目立つ、イタズラコンビ。
主に、暗示で笑いを取る。
「どうですう。僕たちキツネの笑いは」
「催眠術ですよ…」
二人して、振り子を持っている。
催眠術は、笑いなのか。
「怪しげなエスパーやないか」
「外道やねん」
又之介と北太は、ツッコむ。
観客の森の動物たちは、ぐっすり眠っている。
催眠術の力だ。
笑い=リラックス。
「最強のお笑いですう」
「違うわ。ボケ」
又之介は、木津ブラザーズに再び、ツッコむ。
しかし、森育ちの動物たちには、何が正しい笑いなのかわからない。
「笑いに迷ってますう?」
「我が道を進むのみですよ…」
木津ブラザーズの笑いは、完全なイタズラだ。
小さな笑劇場。観客席。
「ここって、お笑い劇場?」
観客席に、森の動物にまぎれて、人間さんがいた。
森の動物を写真に撮るのが好きな女の娘。
味元ぽんずだ。
周りの動物たちは、催眠術で眠っている。
「あの、カッコいい男の子に、また会いたい…」
ぽんずは、こっそり楽屋に向かう。
小さな笑劇場の楽屋。
「あ、あの…」
大爆笑カルテットと木津ブラザーズの前に、人間さんの女の娘のぽんずが、わって入った。
「人間さんの女の娘ですう?」
「人間さんですよ…?」
木津ブラザーズが、驚いて、後ずさる。
「お前、この前の女の娘やないか」
「森のリスを追いかけたら、また来れたの」
「森のリス、何してんねん」
森のリスはド天然だ。
女の娘ぽんずは、又之介に一目惚れしたらしい。
理由は、カッコいいから。
人間さんの女の娘は、いい娘じゃないと、森の動物たちに教わってきた又之介。
「オレって、人間さんから見てカッコいいんか?」
人間さんの女の娘の気持ちに心変わりした。
「カッコいいよ」
「オレって、イケてるか」
「イケてる。イケてる。イケメンだよ」
「うれしいわ〜」
これに、完全に調子に乗る又之介。
「又之介。何、惚れてるやねん。人間さんの女の娘とお付き合いなんてやめときやねん」
「え〜。北太。運命の恋なんや」
「運命の恋なワケなーいやねーん」
北太は、又之介にツッコむ。
「じゃあ、友達になろうや」
「え?うん」
又之介は、人間さんのぽんずと友達になった。
「人間さんと仲良くしてええのかやねん?」
疑問に思う北太。
「やめた方がいいですう」
「無理ですよ…」
木津ブラザーズは、否定的だ。




