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助けて下さいっ!王女様が私の旦那様を狙ってくるんですっ!  作者: まるねこ


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21電子書籍発売!祝いの更新

 翌日の朝は鉄のバケツを叩くような音が響き、目を覚ました。


 どうやら朝食が運ばれてくる合図みたい。


 お腹を庇うように丸まって寝ていたせいか、あちこち身体が痛い。


 運ばれてきた食事は昨日と変わらない。ゆっくりと食事をしていると、数人の騎士が牢屋へ入ってきた。


 何かあったのだろうかと私は静かに鉄格子越しに眺めていると、騎士たちは私の方へ向かってきた。


「おい、出ろ」


 私は騎士たちにどこかへ連れていかれるみたい。


 逃げることがないと判断されているのか手を縛ることはない。


 それにしてもどこへ向かっているのだろう。


 また騎士の訓練場を通り、王宮の建物の中に入る。どこへ向かうのかと思っていると、どうやら庭に連れてこられたようだ。


 王宮にはいくつかの庭があり、中庭は大きなお茶会が開かれるほど広い。けれど、この庭は少人数用なのかもしれない。


 庭に入ると、既にリアーヌ王女は椅子に座り、周りに男の人を侍らせてお茶を飲んでいた。


 彼女は私の姿をみてニタニタと侮蔑の笑みを浮かべている。その表情は罪悪感など微塵も見えないわ。


「あら、臭い豚がきたわ。よく見ると、ベルロア伯爵夫人じゃない。クスクス」


 私は口を開かず立ったままだった。


 それがまた気に食わなかったのね。騎士に合図し、私を無理やりひれ伏させた。


「フフッ、いい気味だわ。ジルベールはね、愛人として向こうで一緒に暮らすことになったの。貴女は用済みね」

「……」


 私は何も言わず、ひれ伏したままでいると――。


 突然、脇腹に痛みが走った。


 彼女は立ち上がり、私の横へ来て細い足で蹴ったようだ。


「あー忌々しいわ。こんな豚女、ジルベールもさっさと処分しちゃえばいいのに。鬱陶しいわ!」

「……」

「何か言いなさいよ! 黙ってないで、泣いて許しを請いなさいっ」


 リアーヌ王女は私の顔を踏みつけ、蹴り上げる。


 咄嗟に私は小さく蹲り、お腹を庇った。王女は気にした様子もなく、何度も何度も、肩や脇を蹴り、しまいには息が上がり始めている。


「泣き叫びもしない、なんてふてぶてしい女なの。ジルベールもよくこんな女を大切にするわね」

「リアーヌ様、こんな女など捨て置いて私とお茶を飲みませんか?」


 一人の取り巻きの男がリアーヌ王女に声を掛けた。


 その声で彼女ははっと我に返ったようで蹴るのを止め、私に興味を無くし、椅子に座りお茶を飲み始めた。


「今日はもう気がすんだわ。この女を連れて行ってちょうだい」

「はっ!」


 王女の命令で、待機していた騎士達は蹲る私の腕を引き、無理やり起こした。


「おい、いくぞ」


 無理やり引っ張られ、歩かされる。


 蹴られたところがじんじんと痛む。お腹を咄嗟に庇ったからなんとかなったけど、次はお腹かもしれない。


 行きとは違い、私は騎士達に引きずられるような形でまたもとの牢へ戻った。



 ――ガシャン。


 鉄格子の鍵が掛けられた。


 他の牢にいる人たちが私の姿を見て興奮したのか騒ぎ始め、騎士が静かにしろと怒鳴っている。


 口を切っていたみたいで、服に血が手に付いていた。


 私はお腹を守ることに必死で気づく余裕もなかった。


 騎士達も去り、牢屋の中はだんだんと静まってきた。


「シシュカ、あんた、大丈夫かい?」

「……なんとか」

「可哀そうに。嫌な世の中だよ。全く」


 私は痛む肩や腕をさすり、壁に寄りかかる。


 私はいつまでここにいるんだろう。

 死んだ方がいいのかしら。


 きっと私という存在はジルたちの邪魔にしかならないのかもしれない。


 私がいなければジルはもっと可愛い人と結婚していたかもしれないし、王女様を選んだかもしれない。


 でも、それでも、私はジルのことが好きなの。


 お腹の子も必死に頑張っている。

 私も、この子のために前を向かないと。


 そう思わないと心が折れてしまいそうになる。


 私は次の日も、またその次の日も、ひと月近く暗い牢で過ごした。


 一人だったらきっと自らの命を投げ出していたと思う。


 それでもここまでこれたのは牢に入っている人たちのおかげだわ。


 毎日、言葉を掛け合い、バカ騒ぎをし、気を紛らわしている。

 それでもたまにぽつりと本音が漏れ、みんなで慰め合う。


 みんなだって本当は不安で怖くて逃げだしたいと思っているもの。


 私はというと、日ごろの鬱憤を晴らすように数日~一週間に一度、リアーヌ王女から呼び出しを受け、暴力を振るわれる。


 その度に屈んでお腹を庇い、なんとかなってきた。


 私が太っていて服も緩やかな服を着ていたこともあって王女はお腹の子供にも気づいていないみたい。


 王女様はもしかしたら妊婦というものの存在を知らないのかもしれない。


 このまま私は隠し通せるの?


 いえ、隠し通さないといけない。

 この子を守るためにも。


 怖くて、不安で今でも泣き叫びたくなる気持ちを『お腹の子を守るため』と必死に自分に言い聞かせ、抑え込む。


 いつまで続くのか。


 王女はあとひと月で隣国へ出るはずだけど、そこまで私の体がもつかどうか……。



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是非この機会に!

今後ともまるねこを宜しくお願いします!

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― 新着の感想 ―
馬鹿(王)女、最低~っ ◯んでしまえ~っ、て思う。イケない? 馬鹿(王&王太子)男、何で『政』に携わってんのさ 滅んでしまえ~っっっ きっと、絶対、必ず、助けに来るよ。もう少しだけ頑張ってq(^-…
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