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アラサーの私、結婚したくて今日、祠を壊します! ~壊したら嫁にしてくれるなんてとても都合のいい話ですね?~  作者: あかね
おまけ

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新婚旅行

 新婚旅行。

 素晴らしい響きではあるが、仕事やらなんやらの都合で延期されまくった結果、分割された。二泊三日、二回。

 せっかくなのでそれぞれが行きたいところに、ということになったのだけど……。


「海外、だめ?」


 仕事帰りにうっきうきで取ってきたパンフレットにダメ出しされた。週末に計画するつもりで集めてきたのにっ!

 いつも通り金曜夜に亮さんは部屋にやってきている。それ以外にも来ているけど、週末のほうがゆっくりできる。日程がようやく揃ったので早めに埋めてしまいたい、予定を。

 夕食もほどほどに済ませて出したのだ。

 それがまさかのダメだしスタート。


 亮さんはパンフレットを見て楽しそうだけどねぇと苦笑している。


「パスポートはまだ大丈夫だけど、出国調査系のどこかでひっかかりそう」


 ……まあ、確かに。意識しないと確実に映像に写れない身の上は大変だ。

 第一候補、台湾と釜山よ、さらばだ。ドラマの聖地巡礼だったのに……。


「行ったら僵尸に会いそうだし」


「それはそれで興味ある」


「中華街でも行く?」


 いるのか、そこに。とは聞けなかった。冗談だよと言われてもなんだかビビる。

 んーと他の候補をタブレットを操作し探す。


「京都」


「お使いを頼まれそうだから嫌だ」


「奈良」


「以下同文」


「出雲」


「おえらいさんに結婚報告するつもり? 長いよ、話が」


 呆れたように言われた。面倒な親戚がいっぱいいるような状況だ。普通の旅行ならともかく、新婚旅行にふさわしくはない。

 うむむと唸っていると亮さんもタブレットを覗き込んできた。


「神社仏閣はなんかあると思いなよ」


「日本の神社仏閣数舐めてます? 無理ゲー?」


 国外もだめなのに! 旅行の情報サイトを検索しまくる私とのんびりとテレビを見てる亮さん。くっ、余裕の態度。どこでもいいよ、君がいいならねと。

 丸投げするならこちらも考えがある。


 どしっと膝の上にすわってやった。


「テレビ見えない」


「ちょっとは協力してもいいと思いません?」


「とはいってもね……。

 それ言うと都内高級ホテルで二泊とか言うよ?」


 それ実質、仕事。そうでなければオトナの社会科見学。それも楽しそうだけど、新婚旅行だ。


「神奈川……」


 色々考えた結果である。


「ずいぶん広いね」


「八景島行って、江の島行って、大仏見て、海岸線をぷらってして、いい感じのご飯食べて、ああ、ローストビーフの名店があるって雑誌でみた」


 そんな感じで行き先を決めて、ひとまずホテルを予約だけすることにした。

 ちょっといい感じの旅館とタワー系ホテル。

 お近くでも高級路線ならいいだろう。


「亮さんはどこ行きたいの? 仕事に関係しないところで、」


「遊園地、かな」


「……遊園地?」


 意外である。見返すと亮さんはすこしだけ、気まずそうではある。


「一人で行くのはちょっとね」


「なるほど?」


 知人友人が多そうだけど? と思ったが、前提条件、人形を取れてちゃんと楽しめそうな人外、である。さらに自由行動もできるというといなそうな気がした。

 人間のお友達というのは本人的にはいないそうだし……。たぶん、相手からは友人と思われていそうな気がしてならないんだけど。


 次は近場ではあるけど、千葉の方に遊びに行くことにした。浮かれた耳をつけられるチャンスだ。


「楽しみだね」


 ガイドブック買ってこないと。最近は攻略が難しいと力説しているとぎゅっとお腹に腕を回された。


「なんです?」


「別に。理由がないと触っちゃいけない?」


「なくてもいいけど、あったほうがいいかな」


「どういう意味?」


「ほら、なんか、愛しいとか、気持ちが溢れたとかっ!」


「それ、好きな恋愛ドラマのだろ」


「いえす」


 はあ、と呆れたようにため息をつかれた。いいじゃないか、新婚だぞ、新婚。そう抗議するともっとぎゅっと抱え込まれた。


「かわいすぎて、たべたくなる」


 首をべろりと味見された。


「あ、ちょ、」


「理由がないと触ってはいけないんだろ?」


「曲解! 曲解だって!」


 聞く耳持たれなかった。新婚旅行計画は一旦、中断のようである。

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