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ラクガガク  作者: 徳丸
第2章 宗教
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49.進捗はいかがかな?

仮眠をとり、頭をすっきりさせた後(主に春)、ある一報が入った。

夜明け。


地盤の隆起が起こり、慌てた雰囲気が落ち着いてきた頃である。


「あれ??おかしいわね・・・・。あれ??あれ??」

「どうしたの~(。´・ω・)?」


テレビをつけたジェリーがリモコンをぶんぶん振り回していた。


いつ切断されるかわからないため、つけっぱなしにしていた春は、別の機器でカタカタやっているため、気づいていない。


「なんか・・・・テレビが動かないのよ・・・。さっき付けたときは、砂嵐だったけどチャンネルは変えられたのに・・・。」


このっこのっと、ジェリーはボタンを押すがチャンネルが変わることは無い。何がどうした砂嵐であることは変わらないが、反応していたものが反応しなくなるとイライラするものだ。

うわあ、離れとこ・・・と嫌な空気を察した蜂賀は抜き足差し足でロロ達の背後を進む。


「ほんとだあ~。なんで動かないんだろう??電池切れかね(-ω-;)??」


ロロもリモコンを触ってみるが、反応はない。

いろんなものを触っているおいちゃんなら・・・と振り返ったが、そこにあるのはすよすよと気持ちよさそうに眠る姿。


これは起こせない・・・とジェリーと顔を見合わせ、苦笑いをするロロ。



プツッ・・・・ツー


ザザザッ

ザザザザッーーーーープツッーーーあーー



視線を外していたテレビから何やら音が。

ロロとジェリーは2人そろって顔をテレビの画面の方に動かす。


「あーーーー。聞こえてますかね??あーーーー。あ。大丈夫??どうも。」


ザザザザッと、砂嵐が形を描いていく。


画面には怪しげなフードの男が、ゆらゆら揺れながらその造形を浮かび上がらせていた。


「聞こえますか??どうも。こんばんは。・・・もうおはようございますかな??」




******




どうですか?我々からのプレゼントは?

驚きましたか?嬉しかったですか?

すこし急なことだったので、皆さんに迷惑が掛かってしまったこと。お詫びいたします。


・・・・ところで。

この広大な地面。

今まで少ない土地を争いながら追い詰められた生活を送らざるを得なかったことが幻の様ですよね?

狭いトチで肩身狭く生きる。そんな生活にサヨナラしましょう♪


今まで悠々とビルの上に逃げて逃げて。鳥かごのような住処でふんぞり返る彼らを広い台地から眺めましょう。彼らはきっとビルの中から出ようとは思わないでしょうからね。

想像してみてください。大地を踏みしめてどこまでもいける感覚を。湧き上がる自由を。

きっと。きっと。今までにない新しい生活を。自分の姿を。可能性を見つけることができるはずです。


え?なぜ力あるものがビルから出ようと思わないかって?


そりゃあ我々の行動理念は、力を持たない者達への支援ですから。


力あるものにはそう簡単に我々が皆様へ送る贈り物を横取りさせたりはしませんよ!


さて。お話もほどほどに。

どうです??我々の実力は??皆さんもご理解いただけましたか??

我々の気持ちを理解していただけましたでしょうか?


別にどうということはありません。我々遁世教を怖がる必要はありません。皆さんの身の回りにも1人くらいいらっしゃったのではありませんか?

我々の組織に入り、自由を手に入れることを実感された方々が。



どうですか?皆様の事を第一に考える我々の組織に入ってみませんか?

もちろん無理強いは致しません。

この世界を気に入っていただけた際には、お気軽に我々の組織のものにお声がけください。

証として、この世界で生きていくための少しばかりの優遇券とでも言いましょうか。そちらをお渡しいたしましょう!!



・・・・もちろん力あるものは除かせていただきますけども。



ああ。私自身もまだこの世界になったことへの興奮が抑えきれずにいます。

何年も何年も積み重ねてきた思いがようやく報われる・・・。

この幸せを共有できたらどれだけ・・・・・


独りよがりにならないよう、皆さんの力をお貸しいただけませんか??




・・・・少し時間が押してしまいました。もう少し話したいのはやまやまなのですが、やることが山済みです。ここらへんで失礼したいと思います。

それではまた。

また会う日まで。




**********



砂嵐が再びテレビ画面に戻ってきた。

ロロとジェリーは現在テレビに向かっているが、放送が始まってからというもの、パソコンを手元に持ってきていた。

春が見られるようにだ。

そんなわけで今この瞬間パソコンに映る春がどんな顔をしているのか。ロロ達からは確認することができないでいた。


ロロの背後で抜き足差し足、畑に向かおうとしていた蜂賀は丸めた背中のまま、テレビにくぎ付けになっている。そしてその近くで眠るおいちゃんは騒動を確認し、一度起きたものの、狸寝入りを決め込んだようだ。



「は・・・・春さあん??ど・・・どうす・・・いや、大丈夫かな~??」


反応を気にするあまり、普段の喋り方から大きく外れるジェリー。


「ああ。大丈夫ですよ。」


画面で確認はできないが、穏やかな口調で返事をした春。


「ひっ!!」


声を聴いてビビり倒す蜂賀。


「あーあ・・・・( ´゜д゜)」


自分たちの未来もどうなるのか危うくなったことを悟ったロロ。


「ふん??」


帰ってきたとたん何が起こったのか首をかしげるみけ。と、狸寝入りをしているのに、口笛を吹くふりをするおいちゃん。


各々思うところはあったが、この組織がやばいことは理解したため、春のむちゃぶりにも応えざるを得ないよなあと決心するまで数分かかった一同である。




そんな都合のいい儲け話など存在しないのだ。これまでも。これからも。




うす。

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