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ラクガガク  作者: 徳丸
第2章 宗教
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42. 忙しい人たち

「どけ!!!どいてくれ!!家族が!!家族が待っているんだ!!」


「押さないでよ!!!」


「私死にたくないわ!!まだまだやりたいことがあるの!!!」


「ああ、俺の家が・・・・!!」


「パパ!!どうしてママを置いてったの!?僕・・・僕・・・・うわあああ!!!」


「太郎。ごめんなあ。パパはなあ、パパは・・・くっ!!」




ホールに声が響く。


「落ち着いてください!!落ち着いて、動かないで下さーい!!」


受付嬢たちが声を枯らす勢いで叫び続けていた。


ロロ達はしばらく観察した後、蜂賀の提案により、春たちと連絡を取ることにした。


本当にどうしようかと思ったよお~(´;ω;`)。おいちゃんが全く引く姿勢が無いから、このままなすすべなく朽ちていくんだって、なんかいろいろ諦めてたしい~。


携帯で連絡を取った限り、春の家である神社の周辺は地面が隆起したものの、何かに襲われると言った被害はないらしい。


だが、ジェリーの家は違う。


先日お邪魔させてもらった建物の中には、ジェリー一家の居住スペースもある。

その建物の周辺では、地面が隆起するのはもちろんの事、煙があたり一面を覆いつくしているらしい。ところどころ、建物外に置いてあるものが溶けているようで、今、従業員には外に出ないようにと言いつけている最中。

上へ下へのてんやわんやの状態だ。


不幸中の幸いで、何かに反発しているかのように建物に煙が近づくことは無く、周囲を取り巻いているらしい。


ニュースで見たものとは違っていたが、それぞれに危険が迫っているようだ。

だが、致命的な被害が無いことにロロは安心した。



「これからどうするっすか・・・???」


ロロは春やジェリー、蜂賀は鶴飼や職場の人、おじちゃんは仕事仲間の安全を確認し、一息ついた。

蜂賀がこれからの予定を確認する。


「そうだねえ~( ;-`д´-)。とりあえず、合流したいんだけどお・・・。」

「そうっすよね。ジェリーさんが結構危なそうですもんね。」

「ロロぢゃんの友達が危ないならおらも協力するで?」


ジェリーの家まで行くには、どうしても、ゲートを使う必要があった。

普段は車で送り迎えをしてもらっていたが、歩きで行こうと思うとかなり時間がかかる。

さらにいうと、今この状態で歩いて目的地に行こうとするのは馬鹿の所業だ。


「おいちゃん~ヽ(д`ヽアリガト! ゲート使わないと結構厳しいんだよねえ。今、受付嬢の人たちにゲート使いたいなんて言っても絶対にOK出してくれないしい。」


世田谷区のビルから歩いて20分ほどだろうか。

ロロの家から歩いていくとすると・・・。3時間はかかるだろう。


「う~ん。それはどうしたもんですかねえ」


蜂賀も移動する手段を持ち合わせてはいない。


う~ん。う~ん。と、2人が頭をうならせる。

どうしても時間がかかる。でも助けたい。う~ん。


周囲からは叫び声と、お祈りをする声。

時間は立つが、何回も放映する軍の映像に、心が休む暇がない。


「おらのカードがあれば通り抜けできるで??」


静かに、でも確実にロロ達に聞こえる声でおじちゃんが言う。


スッと懐から出てきたのは透明の住民カード。


ロロの顔には笑顔が。


どや顔のおじちゃんの顔は、今だけとてもかっこよく思えた。


神はどうやら我々を見捨ててはいなかったらしい。



************



おいちゃんのカードは透明。

それが意味するのは、彼が羅劫持ちかつ、特殊能力保持者という証拠だ。


赤、シルバー、ゴールドは以前説明したと思うので、省略する。


透明の住民カードというのはこの国ではかなりの価値がある。


ゴールドも羅劫持ちというのに変わりはないが、この透明というのもある一定の条件を満たしたものにしか与えられない特殊なものになっている。


羅劫持ちというのは多種多様。様々な能力を有している。

その中には認識を阻害するというように、通常の犯罪を犯した人と同様の手段では確保できない場合がある。

そういった特殊な能力を持ち、かつ安全を認められた人にのみ与えられるのが透明なカードというわけだ。


彼らは通常の羅劫持ちよりも、犯罪に加担しやすく、取り締まることが難しい。

ゲートを使用するところをとっちめようと、阻害されては取り締まるも何もない。


ならば、最初からゲートの移動は無視し、別の方法でとっちめようとなったのだ。


自由な商売、自由な移動を許可する代わりの制限。(ゲートを通り抜ける際は受付でのチェックがいらない)


軍に加入し、特殊能力保持者が犯罪を犯した際、協力しろというものだ。お互いがお互いを監視することで抑止力となっている。



「え・・・それってあれっすよね??特殊能力保持者・・・??・・・夢物語かと思ってたっす。」


「何々~??何の能力なのお~◝(⁰▿⁰)◜???」


「それは言えないだよ~。でも、おらにぴったりの能力だあねえ~。」


おじちゃんがその存在だとは知らなかった。

本当に驚きだ。

例えるならば、隣人が忍者でしたレベルの感動。


「すっげえ!!俺まじもんですごい人に出会ってしまったっす!!!」

「ぼくちんもびっくりだよ!!やっぱ前から思ってたんだよねえ。この人は普通の人じゃないって!!!」

「ロロぢゃん・・・嘘はだめだでよ。初めでお店来たどき、”ごごでえっか”さ言うてたの聞いてたでえ?」



無事たどり着ける手段を見つけたところで、ロロ達は早速ジェリーのいる世田谷に向かうことにした。

人ごみを抜け、そっとゲートのある方へ向かう。

受付嬢は今、慌てる人たちを抑えるので精一杯だ。


3人は見つからないように、そっとゲートを通り抜けた。


その先がどうなっているかなんて、興奮のあまり考えていなかったことを、後になって気づくことになる。


NHK沼最高でした。ね。

書き溜めないので、2日ほど猶予を頂きたく思う所存。

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