40.本災
外に出るロロと蜂賀とみけ。
パールは今は動かないとのことで、彼らだけでの捜索を行う。玄関近くの作品置き場には、倒れたり、崩れたり、ひびが入るといった変化は見られない。
ロロの服の中に入り、首元から顔を出すみけ。正直くすぐったかったが、我慢して、そっとみけの頭をなでておく。
蜂賀はその様子も気になっていたが、別の方に意識が向いていた。
ここに来るまでの間に、この間、鶴飼がこの家に泊まったと言われたのだ。
殺意が湧いた。
なぜその時に自分を呼んでくれなかったのか。
仕事があったとしても必ず向かったというのに!!!
今日の任務だって、現地集合からの、帰りの車内でしか彼女と会うことはできなかった。
春さんか!?!?すべては春さんのせいなのか!?!?
「俺のこと鶴飼さんなんか言ってたっすか??」
「ん??ん~。・・・・ああ(o′▽`o)。なるほどねえ~。」
何に納得したのかは知らないが、蜂賀は鶴飼の反応が気になった。
「鶴飼さん、君の事とてもできる良い人だって言ってたよお~。任務をしてる姿を見たら惚れちゃいそうって言ってた(d゜ω゜)!!!」
「そうっすかあ~???ほんとおにい~??」
彼の機嫌はすこぶるよくなったみたい。
パルルンが言ってたのはこのことかあ~。なるほどね。パルルンに捕まるなんて本当に不運な人だなあ~(;'ω')。
彼らは洞窟から出て、人1人が通れる通路に足を踏み出す。
景色に変化は見られなかった。
ロロはいつも出掛ける時に見える風景と違うところを探そうとしたが、見つけられない。
顔を見合わせて、2人そろって首をかしげる。
パールが結構深刻そうに言うから、外ではすごいことが起きているのかと思っていたのだが・・・。
「なんか・・・特になんもないっすねえ??」
「そうだねえ~(´゜σд゜`)??」
とりあえず上まで登ってみて、あたり一帯を見渡してみることにした。ビルからのほうが遠くまで見通せるだろう。
地上に上がる階段を上り、橋に上るための縄梯子を上る。
縄梯子を上ったところで、いつものビルとは違う異変を感じた。ビルにいる人のほとんどが携帯や、パソコンの画面を見ていたからだ。
2人は歩みを進め、ビルに向かいながら、棒立ちになっている人々の間を抜ける。
「なんなんっすかねえ・・・??俺たちが気づいてなかっただけで結構大きな地震だったとか??」
「ん~??でも地震ってそんなに珍しいかなあ~(=д=;;;)。」
地震だけでこんな異様な感じになるとは思えないよなあ~と話し合いながら到着したのはビルの最上階。
橋の上から周囲を見渡しても何の変化も見られなかったので、最上階で受付嬢さんとかに何か聞こうと方針を変更したのだ。
片手をあげて忙しそうに動き回る職員を捕まえようと試みる。
「あ・・・あのお~??・・・あ・・・。」
「ちょっとそこのいいっすか~?・・・あ・・・。」
だが誰も捕まえることができない。どの職員も対応できるほどの余裕がないらしい。
ある人は電話越しに慌てた声をあげ、ある人は偉い人と思われる人と、奥のスペースで地図を広げていた。
蜂賀がこうも無視されるのは珍しいことだ。
最近皆俺の扱いがひどいっす・・・と、背中に哀愁を漂わせている。
「これは・・・無理そうだねえ~どうしようかあ~(-ω-;)???」
「そうっすねえ・・・。誰か軽くでも事情を知っている人を捕まえられたらいいんすけど・・・。」
立ち行かなくなったロロと蜂賀。みけはたくさんの人にまだ慣れないのか、ロロの服から耳だけを出している状態でピコピコ動かすのみだ。
「あんれえ~?ロロちゃんだかあ~??」
腕を組んでいたロロたちに声がかかる。
「あああ!!おやっさ~んヽ(´▽`)/!!!」
振り返ったそこにいたのは、片手は手をフリフリさせたニコニコ顔のおいちゃんであった。
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「何が起こったがあ~!?!?ロロちゃん気づかなかっただが!?!?ゆれどったろお!?!?」
「それは知ってるよ~(*´・ω・)。でも地震じゃこんなに皆ざわざわしないでしょ~???」
なぜここに来たのか。おじちゃんに、地震が起こってからの行動を説明した。すると呆れた表情を浮かべ、そのように言われてしまった。
そんなこと言われたって、揺れたからなんだって言うんだよ~。
ロロと蜂賀はむっとした。
「テレビは見たがあ~??すんげえことさなっでるでよ??」
おじちゃんはそう言って自分の持っている携帯を見せてくれた。
「緊急速報さ来てたんだで?」
ロロたちの洞窟には何の変化もなかったが、外の世界はそうでもなかったらしい。
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|緊急ニュース速報|
先ほど、18:45に地震が発生しました。震源地は東京・新宿区とみられています。深さは400m。この地震によって・・・。失礼しました。新しい情報が入ってきました。え!?!?
ええ、先ほどの地震により、東京のあちらこちらで地盤の隆起が怒っている模様です。
地盤の隆起です。今のところ溶岩流が押し寄せるといった被害は確認が取れていませんが、これから起こる可能性があります。
気象庁が確認していますが、いまだかつてない現象であるため精査に時間がかかるとのことです。
地盤の沈降は今のところ確認されていません。
隆起のみということです。皆さん念のため、高台への避難をお願い致します。
繰り返します・・・
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「うわあ~(。-´ェ`-)。ほんとだあ~すごいことになってるう~。」
「そうっすねえ・・・。しかも新宿・・・。近いっすねえ。」
「そうだよねえ~。そんなに揺れたと思わなかったけど・・・。」
おじちゃんの携帯から顔をあげる。思ったよりすごいことになっていて、ロロと蜂賀はびっくりした。おじちゃんもそんなに揺れなかったけど、ニュースではすごいことになっていて不安になったため、最上階に上ってきたのだそう。
「しかもだあよ?ごごいげえ(以外)は震度さ、7ぐれえあったらしいじゃねえか。ここは東京の淵だが知らんけど、震度2しかながっだでよお。不思議だよなあ。」
それは確かに不思議だ。
震源が新宿ではなく、他県であるならばそういったこともあるのだろう。しかし、今ロロたちがいるのは港区。本当に近いのだ。何かが作用しているようにしか思えない。
おじちゃんとともにうーんと頭をうならせる。
何がともあれ被害がそんなになかったことをまずは喜ぶべきだろう。大きな地震は今まであったが、このようなのは初めてだ。
ロロ、蜂賀、おじちゃんはより新鮮な情報を得るためにしばらく最上階にいることを決める。
「ん・・・!!ロロ!!遠い・・・けど、変なのいる・・・!!!」
ロロの胸元にいるみけが、たくさんの人がいる中で初めてその声をあげた。
おじちゃんや、近くにいた、ないすばでぃなお姉さんから熱い視線を肌で感じる。
そういえば・・・おじちゃんにパール君はもちろん、みけの事言ったことあったっけ・・・??




