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ラクガガク  作者: 徳丸
第2章 宗教
39/57

37.イケメンの内面を知れ

(あれは・・・何??)



*******




ロロを先頭にお店に入った瞬間、ターゲットの女の子と目が合った。

・・・驚愕の表情が添えられていた。


悲鳴をあげられそうになった対象は言うまでもなく・・・。

蓼科と蜂賀からジトっとしたものを向けられた気がしたが、気がしただけなのでロロは彼らを振り返らないことにした。


ロロは悲鳴をあげられたそうになった方に、イメージさわやかイケメンの笑顔を向け、春の席に向かう。


「春~(≧▽≦)!!やっほ~。」


入り口から背を向けて座っていた春は、先ほど声を掛けられて初めて、ロロたちが現場に到着したことを知る。

彼は、ロロの「遅れたかな」に返答をした。


「いえ。構いませんよ。蜂賀、蓼科、ロロ。さあ、外は暑かったでしょう?飲み物でも頼んではいかがですか?」


飲んでいた紅茶のカップをソーサーに戻し、ゆったりとした動作でロロの方を振り返る。顔には普段は浮かべないだろう、キラキラの笑顔が浮かんでいた。


「「「・・・・・。」」」


ロロたちの顔はピシリと固まった。

通路に立ちっぱなしというのも、他のお客さんに迷惑なので、とりあえずは何も言わずに彼の座っているテーブルに近づいた。


ふわり


窓から入ってきた風に乗って、柑橘系の香りがロロたちの鼻をくすぐる。その匂いもとは・・・。


なんでΣ(´Д`lll)!?!?車で移動してるときはしなかったのに!?

春も横に置いておけないなあ・・・。


「「「・・・・・。」」」


思わぬ刺客に3人は、一瞬固まるが、ここでボロを出すわけにはいかない。笑顔を浮かべたまま、勧められた席に座った。


「どうしたんですか?いつもはもっと元気に話しているではないですか?そんなに暑かったんですか??」


正味気持ち悪い笑顔を再び向けられた一同は、言いたいことがありすぎて、頬がヒクヒクしだした。


ガシッと蓼科は、春の首に自分の腕を回し、がバッと顔をテーブルに押さえつけるようにした。それに合わせてロロと蜂賀もテーブルに顔を近づけ、内緒の話ができる体制をとった。


コソッ「あれえ~?パルルウ~ン??話が違うんじゃないかなあ~(#^ω^)???」


コソッ「あのお~俺の仕事っていつやればいいんすかねえ??」


コソッ「春さん?春さん?春さん?あの・・とてもいいにくいんだけれどもお・・・・・モブはモブらしくしてろよ。ああん?」


なんだその笑顔は!?なんだそのコロンは!?

顔を近づけた彼らの表情は表面上とても雰囲気が良いものである。若干一名戸惑った顔をしているが。

誰が、モブから抜け出していいといった!?蓼科の言い分に完全同意であるロロは今この瞬間から春の妨害を行うことを決めた。無論、蓼科もである。


そう考えているなと察知した蜂賀は、はあ。と諦めのため息をついた。

今日を素晴らしい1日にすることを諦めたのだ。・・・春に誘われた日は高確率でその1日を諦めることが多い。


「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて、飲み物でも頼もうかなあ~(○゜∀゜)。蜂賀君は何にする~??」


一旦姿勢を正したロロは、気を取り直して、予定通りに飲み物を頼むことにした。彼の目は、あったら充血していただろう。


「あ、ああ。そうっすね・・・。じゃあ・・・このソーダでも・・・。」

「ちっ・・・。その顔に相性抜群の飲み物頼んでんじゃねえよ。」

「ちょ?今舌打ちしたの誰っすか??あれ??」


蜂賀の発言に隠れるように誰かの声が聞こえた。

あれ?あれ?と首をかしげる彼と目を合わせるものはいない。


「じゃあ、ぼくちんはコーヒーを頼もうかなあ。・・・熱々の奴頼むよお・・・。」

「じゃあ、僕はあ・・・。この・・・読めない・・。何茶?これ?」

「それはせんぶりちゃじゃない~??」

「あ、そうだそうだ。それにしよお・・・・。茶葉多めの奴頼むよお・・・・。」


「じゃ、頼みますか。」


ベルを鳴らして店員を呼ぶ。


「はーい。・・・・お待たせしました。ご注文はお決まりですか?」

「はい。では、ソーダ、千振茶、コーヒーをお願いします。」

「はい・・・繰り返しますね。ソーダが1点、千振茶が1点。コーヒーが1点ですね。」

「はい。大丈夫です。よろしくお願いします。」

「承りました。ごゆっくりどうぞ~。」


「「「「・・・・・。」」」」



「「「「・・・・・。」」」」




数分後・・・・・


「はい。こちら飲み物になりますね。失礼します。・・・・ごゆっくりどうぞ。」


ガシッと蓼科は、春の首に自分の腕を回し、がバッと顔をテーブルに近づける。

もちろんロロと蜂賀も同様の体制だ。


「ちょちょちょ!!!どうすんの!?!?!」

「そそそそそんなに動揺することはないじゃない~(´ω゜llo)!?!?!」

「・・・何をそんなにあわ・・慌てているのやら。」

「・・・・・はあ。早く帰りたいっす・・・・。」


なぜ彼らがこんなにも動揺しているのか。

別に唐突な体調不良ではないし、緊急事態でもない。・・・いや、ある意味では作戦上最悪に、最高の緊急事態かもしれないが。




・・・・・店員がイケメンだった。

それだけだ。


コソッ「し・・・・しまった・・・!!ぼくちんたち以外のイケメンの存在を作戦に入れるのを忘れていた!!!」


コソッ「うわあああ!!全然!考えてなかった!!人工的な花じゃなくて、自然の花の存在を考えてなかったあああ!!!」


コソッ「そうですね・・・。自然なものほどきれいに見える!ど・・・どうしましょうか。」


「はあ~。どうでもいいっす。」


慌てて車内に待機しているであろうジェリーたちに連絡を入れたのだが、聞こえてくるのは「スピー」という音のみ。

自分で考えて、自分で総監督をやっているのに、寝るとは何事か!!


残念ながら?幸運ながら??

総監督が不在のこの緊急事態には、現場にいる彼らのみで対応せざるを得ないようだ。


コソッ「これは失敗じゃない??無理なんじゃないかなあ~( ´゜Д゜`)。」

コソッ「これは・・・私がどう頑張ろうとどうにもできない問題じゃないですか!!」

コソッ「いや、店員がイケメンであろうとなかろうと・・・何でもな~い。」

「ズズズッ・・・ソーダうめえっす。」



こそこそとロロたちで作戦の欠陥の打開策に対する意見を述べる。

しかし、どれだけ話しても解決策を出てこなかった。


「あああ!とにかく!!ターゲットと何とかしてやり取りできないかなあ~!!!」

「「ちょ、ロロ!?!?」」


うまくいかないことにイライラしたロロが席を立って叫んでしまった。気づいたときには遅い。抑えようという気持ちの反動で口も、体も動いてしまう。我慢できなかったのだ。

周囲の2人も、思い切った行動をとったロロに待ったをかけるが数秒間に合わない。



「あ、・・・しまったあ~(つД〃)ヾ。」


ざわざわ・・・・。


店内にいたお客の視線が痛い。

ロロもロロでアワアワしてしまい、どうすることもできなかった。このまま時が解決してくれるのを待つしかないのか・・・。


「「(終わったなあ~)」」


ターゲットの選定と、接触の方法をまた考えなきゃいけないのか・・・。あの時間なかなか大変だったんだよなあ。

もう次の予定を組み立てている蓼科と、春。この作戦は放棄しなければならないか・・・と思ったその時。


「すみません。僕の連れが驚かせてしまったようで・・・・。」


「あ、いぇいぇ。その・・・すみませんこちらこそ・・・。お手数おかけしてしまいましてえ・・・。」


シーンと静まり返っている中、近くから誰かの会話が聞こえているではないか。

しかもそれはターゲットと蜂賀の声が。ハッっとなった3人はターゲットの方に体ごと向く。


「本当。染みになっちゃいましたかねえ。弁償します。」


そこには服に飲み物をこぼしたターゲットと、ハンカチを差し出す蜂賀の姿。

どうやら、ロロの大きな声に驚いて飲み物をこぼしてしまったらしい。

弁償しますといった蜂賀は、スマートに自分の財布から1万円を取り出し、テーブルに置く。

「少ないですが。」といってターゲットに笑顔を向ける蜂賀はさらに一押し。


「後で、あいつ等にも謝らせるので、連絡先とか聞いてもいいですか?SNSのアカウントとか、連絡できればなんでもいいんですけど。」


彼の笑顔にポーっとなっているターゲット。顔を見られすぎて、正直ばれるか!?と気が気でなかった蜂賀。


彼女は言われるがままに自分のやっているSNSのアカウントを彼に見せた。


「ごめんね。後日しっかり連絡するよ。」


目で確認した蜂賀は最後にもう一度謝り、他のお客にも軽く会釈して自分の席に戻った。


「ほら。そろそろお暇しようか?だんだんうるさくなって来てんだよてめえら。」


ロロ達はあまりの状況の進み具合に何も言い返すことができなかった。今までさんざ、早く帰りたいとか言って、作戦に非協力的な奴がすべてを持っていったからだ。


蜂賀は伝票を持ち、レジに行くと、おつりはいらないからと店員に言って万札を置いた。現実を見れないその他の3人は彼に背を押され、お店を出る。


その背中を追いかける店員の目には惚の字と尊敬の念が浮かんでいた。

店を出たロロたちに蜂賀は、呆れた表情を浮かべる。


「はい。これで何かあっても彼女に連絡できるし、様子もさりげなく聞くことができるっすよ。よく知らねえっすけど、その狙ってる敵?にもばれずに調査できるんじゃねえっすか??」


彼のなんともイケメンなことよ。もしも、ハンカチが目の前にあったら、3人は口にくわえて引っ張っていただろう。


しかも、しっかり、ジェリーの作戦通りに2万円を払っているところも好感が持てるポイントだ。

(払わなかったらからかう気だった。)



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