17.トイレの味方
「あ~~\(◎o◎)/!あれかもあれかも!!!とぐろ巻いてるように見えるし!!」
直感であれが蛇紋岩だと思ったロロは橋の手すりに登り、半身になってきらりと光るものの様子を眺める。
いや~結構見つからなかったなあ。でも思ったよりも人里離れたところじゃなくてよかったあ(´▽`) ホッ。ぼくちんの足もそろそろかなって言ってたし。
かれこれ3時間ほどロロは四万十ビルから2キロくらいの範囲で探していた。朝からいろいろあったためすでに夕方の4時である。日は傾きあたりは暗闇に溶け込み始めていた。
ロロは今すぐに取りに行くか、いったん宿に泊まって翌日取りに行くかで迷っていた。縄梯子は風で揺れるうえ、体力を使うのだ。今の体力と気力では最悪の場合、大けがを負って誰にも見つけられずそのまま死んでしまうかもしれない。ロロの判断は早かった。
「うん。今日は宿をとって明日取りにこよう( ・-・ )。でもって他に金策を探さなきゃいけないや。ぼくちん家無しになりかねん。」
だけどなあ・・。宿取るのめんどくさいなあ・・(゜.゜)。お金かかるし。でも野宿ってのはどうなんだろ。そこまで人間捨てたくはないんだよねえ。ァハハ…('∀')。日が落ちる前に宿が取れるように頑張ろう。
ロロは一度高知県・四万十市のビルに帰還することにした。四万十市のビルは大樹が生えているためか、ビルの内部から直接地面に降りることが可能だ。スラムの様子は東京・港区と大きく異なっていた。建物の素材がレンガとなっており、東京と比べるととても資源が豊富であるように感じる。スラムというよりは寂れた商店街といった感じだ。
ビルの1階からスラム街に出る。出口からはメインストリートと思われる道ができており、それぞれの建物には大きく看板が掲げられていた。
「え~と、宿・・・宿・・・。」
ぼくちんの全財産は現在、3日分の食費と、拾った何かしら、あとは採掘用の道具、絵を描く道具数種類だけ。あと少し、宝石じゃない石で作った絵具くらい。これは・・・泊まれるか・・ンー...(-ω-`;)ゞ。
”宿泊一泊100円!ただし条件付き!(通常300円)”
しばらく歩くとこんな看板を見つけた。通常プランもそうだが、周囲の宿・・といっても何もない部屋が借りられるくらいだが・・・が300円だとすると破格の値段だ。
「おおおお!!これはぼくちんのための宿かな(炎◇炎) !?」
「すみませーん!!100円で止まらせてくださーい(`´)。」
ロロは勢いのままその宿に突入していった。
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結論から言うと、100円宿泊プランはトイレ掃除プランであった。この宿は共有トイレではなく個人的に持つトイレがあることが売りの宿であった。しかし、宿自体にドアが存在しないため、無断でトイレを使うものがいるためとても汚れているのだそう。宿主ですら掃除したくないほどに。
そこで宿泊プランに組み込んでしまったらよいのでは!?となったのだそう。1日に1人、もしくは1組限定だそうだ。
「そう考えるとぼくちんってすごくついてるよねえ~ルンルン((´I `*))♪。」
100円で泊まれるし、掃除するだけで・・・・・( ´゜Д゜`)。
き、汚い!なんという汚さ!ぼくちん、普段共有のトイレ使わないからどのくらい汚れてるのかそういえば知らなかったんだ!
ぼくちんの家のトイレよりちょっと汚れてるくらいかな~と思ってたんだけど・・・。これはひどい!
なぜトイレの穴があるのにそこにしないの!?
なぜ壁にう〇こがついてるの!?
なんでこんなに匂いが染みついてるのお!?
このままだと絶対新しい病原菌が生まれちゃうよヾ((`゜ェ゜´;))ノ!こりゃ誰も掃除しようと思わないわけだ!何とかしないと!
「おかみさ~ん!!おかみさ~ん!?」
「はいはいなんですか??」
急いで受付にいたおかみさんの元に向かう。
「ちょっとぼくちん耐えられないから今から掃除するよお!早く道具を貸してちょーだい!!」
「あら。もう掃除してくれるの?後で道具届けようと思ってたのに。」
「うん!ちょっと早いかなとは思うんだけど、お願い!」
「いやいや、やってくれるだけありがたいよ。ここ1カ月誰もこのプラン取ってくれる人がいなくてさあ。」
ちょっと・・・そんな期間でこんなに汚れちゃうのか・・。ぼくちんの家にトイレあってよかった・・・(`-ω-´)。
ロロは道具を借りてトイレと対面した。
まずは・・・このにおいを何とかしないとどうしようもないな・・・。掃除という掃除もできない・・・。匂いの発生源は・・・ありすぎてわかんないや。とりあえず目に見えるもの(う〇こ)を片付けよう・・・。
う〇こをトイレの中に落とすのもなかなか大変だ。かぴかぴであったり、壁にあったりで、削ってやっと取り除くことができるのだ。
そして取り除いたと思っても匂いが染みついた壁というのはなかなか強敵。おかみさんに相談して特別に高い抗菌剤を分けてもらってやっと匂いをとることができた。
今日はたくさん歩いたし、明日も歩くからほんとは今日寝たいんだけど・・・(´≡ω≡。)。まだ最後にやることがある。
それはこのトイレでは二度とトイレ以外にトイレさせないということだ!!
「ふふふ(ΦωΦ)・・・待っていなさい。その時代が来ることを!!!!」
まだ寝れない!!使命感にかられたロロの戦いはこれからだった。
用意するものは筆と絵の具。それがあれば大体どうにかなる。それにこのトイレの壁が元々赤みがかっていることもあり、とても鮮やかな色彩になりそうだ。
「ムㇷフフフ・・・・(。-∀-)。汚していけないと思えるほどの絵を描かないとねえ。」
ロロはにやにやしながら壁をパレットにして絵を描き続けていた。すると
”トントン”
トイレを使いたい人だろうか?わざわざ壁を叩いて人がいるかの確認をしてくれている。
「すみません~(。-∀-)。ちょっとお掃除してるので今日は使えません~。」
後ろを振り返らずに返答をした。しかし、
「あ・・・あ・・・の。トイレ・・・・違う・・。」
トイレ掃除を始めたのが18時前、絵を描き始めたのが20時過ぎだったため、もう22時過ぎになるだろう。そんな時間帯に似つかわしくない声が背後から聞こえ、ロロは思わず振り返った。
そこにいたのはまだ5歳くらいの女・・・男?の子。無粋なので性別は聞かなかった。
「どうしたの∑(*゜ェ゜*)!!もう君くらいの子は寝てる時間だよ1?」
その子の近くに移動するが、手が汚れているので医者のようなポーズをとってしまっていた。
「ん・・・と。その・・・・。」
どうやら初対面の人と会話するのが苦手なようだ。近所の子だろうか?もしかしてネグレクトというやつか!?親はどこに!?
「何かあったのo(-`д´- o)??」
「あ・・・の・・・。お前・・・知らない・・・・。」
「???何??」
「ええと!だから!・・・・えと・・・。」
ロロは会話を試みようとするものの、問いかければ問いかけるほど言葉に詰まってしまうようだ。親はどうしたとか、こんな時間に何をしているのかとか、聞きたいことはあったが問い詰めるとかわいそうだったので、落ち着くまで待とうと思った。
「ん~。何があったかは分からないけど、話がまとまったらもう一回話しかけてよ(シ´ω`)シ。ぼくちんは当分このトイレを最凶のトイレにするという任務を遂行しないといけないからさ!そこで見ててもいいけど、ここトイレだからなあ。」
「み・・・見てる!!・・・終わる・・・待つ。」
思ったより食い気味で反応を示してくれた。正直親御さんが心配だけど、今の時間帯で外を歩かせるのも怖かったのでちょっと安心した。
絵を描いてるときは反応が鈍くなるから何かあったら叩くか何かしてと少年?にいってロロは作業に取り掛かった。




