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ラクガガク  作者: 徳丸
第1章 羅劫(らこう)
14/57

12.国軍・日の丸

後から追加した部分なので長くなってるよ〜

「おおお~いここだぞ~ヽ(*´∀`)ノ!!」


向こうからもこの集団は確認できているはず。しかし、瓦礫のせいで着地地点を決めかねているようだ。なんどもホバリングを行っている。


30秒ほど時間をかけたのち、着地することはあきらめたようで、中から隊員が降下するのが見えた。


「君たち!!大丈夫かい!?けが人はいる??」


黒色の特殊服を身にまとい、胸には青銅色の甲羅の紋様、1つの星。国軍・2士の証だ。


「校舎の安全装置が急に発動していたから!救急要請かと思って急いできたんだけど!」


隊員は綱の揺れを利用して、ロロたちのいる階層に降り立った。そしてすぐに声掛けと、生徒1人1人の様子を確認し始めた。

プロペラの音によってかき消されないように頑張って声を張ってくれている。



「今から!これから行うことを!説明しようと思うけど!体調が悪いとか!不安でしょうがない!とかそういう人はいる!?!?」



どうやら彼だけを置いて、そのほかの隊員はヘリコプターとともに遠くで待機するようだ。

瓦礫が崩れることを心配しているらしい。



「大丈夫そうだね。正直、何があったのか知りたいところではあるんだけど。現状それは厳しいわけで。今からここから脱出するために、とりあえず別のところに移動しよう。」


移動する。つまり、今すぐは助けられないのだろうか?


「あ・・・あの・・・。ヘリコプターで救出は難しいんですか??」


「そうだね、ここが屋上であればそういったこともできるんだけど、崩れかけ、しかも6階ときた。これは本当に危険な状態なんだよ。今すぐは無理なんだ。」


「え、じゃあどうやって!?」


「それも説明するよ。でも今は少しでも安全な場所に移動しよう。」


今もこうして話している間に崩れた端の廊下がポロポロと落ちていく音がする。

ここから落ちたら即死の高さだ。

ここは大人しく隊員の指示に従おう。


一同は比較的安全な中央に向かう。そして、なるべく楕円の外側へ。万が一倒れるとしたら中庭側、つまり、楕円の内側だ。

中央にある教室の窓際に全員を座らせた隊員はさて、といって説明を開始した。


「少し話をさせてね。今僕たちがいるこの現場は、何者かによって襲撃されてる。いや・・・されていた。かな?姿は確認できなかった。」


隊員が全員を見渡す。


「誰か何か見たとかは・・・・ないみたいだね。」


隊員の質問に全員が首を横に振る。


「これはぼく個人の経験からだけど・・・どうやら羅劫持ちの仕業だと思うね。ちなみに僕たちはそういう人の事を羅持ちって呼んでるよ。」


タイムリーな存在が出てきたため、生徒のほとんどが表情を曇らせた。自分たちが求めていた存在によってこのような状態に陥っているのだと思うとどういう表情をすればいいか、わからなかったのだ。

隊員はその顔を見て少しだけ笑う。


「ちょっと落ち着いてきたかな?それで、今の状況を打破するには、ヘリコプターに乗っている隊員と僕だけではどうにも立ち行かない状態であると判断した。そこで、幹部の方に応援を要請した。それまでここでの待機を指示されているよ。」


「じゃあ・・・ここで・・・。いつ来るかもわからないのに・・・・。」


いつ助けが来るかわからない。最悪な状態が脳裏に投影される。

だが、真摯に誠実に説明してくれる隊員がいてくれるおかげでパニックになることはなかった。

このために彼は危険地帯に来てくれたのだろうと思うと、胸が締め付けられるような気がした。


しばらく、周囲の人と顔を見あって頑張ろうとお互いがお互いを励ましあう。

隊員もその様子に安心したようだ。


「ちょ・・・ちょっと待ってくれ!!!幹部!?・・・も・・もしかして・・・!!!」


ある一人の男子生徒が隊員に質問を投げかける。


隊員は質問した生徒に顔を向け、笑顔を返す。





「そう。我が軍の誇り、とても頼りになる羅持ちの方々だよ。」




**********


羅持ち。それはつまり羅劫持ちの勇敢な戦士である。

普通、羅劫持ちである人は国に登録を行い、人に危害を与えないという保証の元、企業展開、土地開発、雇用形態を築き上げる。


つまり、何の力も持たない国民と同義なのだ。

決められた敷地内、申請した土地、羅劫を持たない人前での能力の使用は国の法律により、厳重に処罰の対象となる。


では申請なしに、なんの縛りもなくその能力の行使ができるのは?



日本国軍・日の丸である。



現在は、国の警備全般を担っており、約5万人入隊している。



上から

「士官」:将(2人羅有・無)、左官(羅なし)、尉官(羅あり)

「准士官」:准尉(羅あり)

「下士官」:曹(羅なし)

「兵」  :士(羅なし) 


となっている。

「士官」の事を幹部と言い、尉官が羅劫持ちである。

また、准士官は羅劫持ちであるが、まだ実績が足りていない人を指す。基本的には幹部扱いだが、位としては下士官と変わらない立場となっている。


彼らは極悪犯や、「曹」以下の日の丸隊員が対処しきれない現場での活動を主に行っている。


今回この現場にとどまってくれている人は「兵」の2士、つまり2等兵だ。



「そう。彼らが出動してくれるって。未来ある君たちのために。」



「・・・・え!?ほんとに!?」

「す・・・すごい!!!」

「生で!?見れるの!?」



国軍・日の丸は日常生活でよく目にかかる。

ビルの修理や整備、人命救助の様子がよくニュースになっているからだ。


そのため、小さな子供たちにとってヒーローのような存在で、将来ないりたい職業ランキングでも上位に入る、人気集団だ。


各地を回る修行者の中には入隊するために行っている人もいるという。

入隊できる人も限られており、厳しい入隊訓練に耐えられたもののみが入ることを許される超武闘派の精鋭だ。



「すごいねえ~!!ぼくちんは初めて見るよ~(((o(*゜▽゜*)o)))!!!」

「私も!!!!え!?どうしよう~!!一目ぼれされたら~!!将来安泰じゃない~

!!!」

「ああ!わかります。ジェリーなら入隊試験を軽々こなせそうですしね~。」

「ちょ!!違うわよ!!」



幹部の方は羅劫持ちとそうでない方両方がいる。権力を分散させるためだ。

だが、羅劫持ちというのは才能なわけで。幹部の人数的には羅劫持ちでない人のほうが多い。



「はいはい。落ち着いてね。幹部の方は忙しいんだから!僕でもなかなか会えないんだよ!だからちょっとラッキー☆なんて思ってたりする。」



故に、隊員内でもあこがれる人が多いのだ。



「来て下さる幹部の方の手を煩わせないように、しっかり指示を聞くこと!あと、サインとか、キャーキャー言って迷惑をかけないこと!!それを言うことが僕の任務と言ってもいいからね!!今回は!!」


「「「「「え~!!!」」」」


「え~!じゃないよ!!いいかい?絶対に迷惑をかけないこと!!大体ねえ、彼らがどれだけすごい人か知らないからそんなこと言えるんだよ君たち!!羅持ちの方もそうでない方も!!いいかい?彼らはねえーーーーーーーーーー」



2等兵はそれから、幹部の方がどれほど素晴らしい活動を行っているのかを語りに語った。


羅持ち出ない方々は、ビルの警備はもちろん、他にもいろいろ行ってくれている。スラムといういい方はもう古いと思われるほど、ビル周辺に建てられた違法の建物は頑強になっているし、さらに言うと治安を維持するために違法に建てられたと知りながら、彼らはスラムの警備をも任務としてカリキュラムに入れてくれている。


表向きは新人育成と称して。



などなどたくさんの事を話してくれた。2等兵の熱量につられるようにして、聞き入ってしまった生徒の面々は、その武勇伝に胸が熱くなる。



陰ながら支える、見えない実力者、華々しい能力を用いて表立って社会を守る英雄。

どちらも少年少女の心を揺さぶるのには十分すぎる材料だった。



「だんだんわかってきたかな??煩わせることが無いように!!するんだよ!!あ、あと、他にも素晴らしい活動があってねーーーーー「おい。」


まだまだしゃべりたりねえ!!とばかりに、続きを語ろうとする2等兵の言葉を遮る声。

夢見る少年少女の妄想に終止符が打たれたのだ。

全員で声の聞こえたほうを振り返る。



教室の入り口、影に溶け込むような黒の特殊服。

影になっていて顔は見えないが、背が高い。


「何を能天気に話をしているんだ。ここは戦場だぞ。目を背けるなど言語道断である。」


声の主はそういって足を前に踏み出した。


窓から差し込む光が徐々にその姿を映し出す。


しなやかで筋肉質な足、間接回りにプロテクターが装着されているがその動きに阻害感は感じられない。引き締まった尻に、くびれのある腹。防弾チョッキのようなものが上半身を覆っているがその女性らしさを隠しきれていない。


前下がりのボブ。きりっと凛々しそうな眼は引き込まれるような黒。太陽光に反射して光る赤髪は黒い服とよく似合っていた。



「や・・・・柳田3尉!!!し・・・失礼しました!!お待ちしておりました!指示をお願いいたします。」



あまりのオーラに生徒たちは気圧されていた。これが1流のオーラ・・・今まで感じたことのない圧と、同じ人間ではないと思わせられるような神秘的な何かを持っている。



「全く・・・。今回の任務では手前が来れたからよかったものの、なかなかに危険な状態なのだから気をつけなさい。」



切れ味抜群な言葉が出てくるかと思った反面、彼女の口から出たその言葉に”ああ、この人は人間なんだな”と一同は少し安心した。

2等兵はす・・・すみませんと言いながらも声に喜色が混ざっていた。表情は変化していなかったので良しとしてあげて欲しい。



「では今から手前が道を切り開き、ヘリが着陸できる空間を作る。君たちの安全は手前が預かった。君たちは私の後を付いて来なさい。2等兵。君は殿しんがりを頼む。」

「はっ。」



生徒の中にはどさくさに紛れて1文2文、幹部の方と話をしてやろうと思っていたものもいたのだが、一流の壁を壊すほどの愚かさは持ち合わせていなかったようだ。


柳田3尉は生徒全員と2等兵に声をかけると全員を窓際から離れさせ、自らは手袋を取り、腰に携えているナイフを取り出した。


取り出した流れで己の手首を薄く切りつける。


彼女を見守っていた周囲は思わず、声をあげたが、彼女は気にすることなくナイフをもとの位置に戻し、窓に掌を添えた。



かしこかしこみもまを・もうす」



凛とした彼女の声が教室内に響く。


刹那


窓が凍結し、亀裂が入る。亀裂が入ったと思った次の瞬間には粉々に砕け散った窓に、唖然とする。

さらにその凍結は窓だけにとどまらず、半壊した建物すべてを凍らせていく。

崩れそうになっていた部分は凍結により、その崩壊を止め、悲鳴をあげていた柱は口を閉ざした。



ほんの数秒。その数秒で彼女は世界を変える。創造。

彼女の能力は瞬きする暇さえも奪ってしまったようだ。

コツコツと3尉の振り返る動作に合わせてブーツのヒールが鳴る。



「もう、この建物が崩れることはない。安心して・・・・



彼女はみんなの視線を窓の外へ誘導する。

窓枠を越えた先に、広がるは・・・。

氷でできた道と冷え固まった溶岩。



・・・手前に付いてきなさい。」



そのすべてが、人間業とは思えない代物だった。




「溶岩が・・・・凍って、固まってる・・・。」

「す・・・すごい・・・・。」


吐き出した息が白く、視界を遮る。


彼女の手首に浮かんでいた血の粒はいつの間にか消えていた。




**************



その後の作業はスピーディーに終わった。

氷でできた道を下った先にヘリが到着し、その誘導を2等兵と、ヘリの中にいた隊員が行う。

どうやら、人を乗せるための応援のヘリを呼んでいたらしく、クラスメイト全員がヘリに乗ることができた。


柳田3尉は専用のバイクに乗って次の現場に向かったそうだ。



「すごかったねえ~!!」

「かっこよかったなあ。俺も将来なれるかなあ~」

「柳田3尉かあ~綺麗だったな・・・・。」

「綺麗というかかわいいというか・・・・??」



現在上空500m。先ほどまでの恐ろしい経験が嘘のような会話が繰り広げられていた。



「うーん。さすがに3尉ともなるとすさまじい影響力がありますねえ。これが1尉ともなるとどうなるのでしょうか・・・・。」

「え!!?あの人よりもすごい人がいるの!?」

「??そうですよ??授業でやtt・・・すみません。」

「え!?なんで最後まで言わないの!?せめて最後まで言ってから同情して欲しかったわ!!」



パルルンや、ジェリーも通常運転に切り替わったらしい。

彼らの声をBGMにロロはヘリの窓から外を覗いていた。


目に入るのは、本来は溶岩がまがまがしくも流れ、人間が踏み入ることを許さなかった場所。

しかし・・・。今は・・・流れることを忘れている。


ところどころ急速に凍った証である、氷の結晶が亀裂から姿を覗かせていた。


「ロロ!!ちょっとあなたは知ってた!?私全然知らなかったんだけど!!」

「え~??・・・・・知ってたよv(*≧∀≦*)v 。逆に知らないのは・・・ごめん。」

「はあああああ!?!?最後まで言いなさいよ!!!ちょっと!!ちょっと!!!」



ロロは何となく話を合わせただけで内容は知らなかったのだが、ジェリーがなんか楽しそうだったのでその事実は墓場まで持っていくことにした。



その後、安全で、着陸することができるほどの開けた土地にヘリコプターは着陸した。


事件があったのが昼休みであったが、今はもう16;00である。早く帰らなけれれば家の人が心配してしまうからと、集団事情聴取は行わないことになった。



そもそも、話せることはヘリコプター内で話してしまったし、事件の概要を知るものは1人もいない。そのため、これ以上の情報収集は意味ないと判断された。大した情報は誰も持ちえないことは隊員も理解していた。



明日からの学校のことなどを軽く話した後、2等兵やその他隊員にお礼をいい、順次迎えが来たり、自分で帰って行く。



「ほんとうに学校どうなっちゃうのかしら??もう少し学校あるってのに。」

「軍のほうから、説明してくれるらしいし、明日はとりあえず休みってことであとは学校からの連絡待てばいいよ~(/・ω・)/。」

「そうですね。連絡が無ければ連絡がある日まで休みにしてしまえばいいですし。」



そんな会話をして、ロロ達も帰宅することにした。ジェリーは2人を送っていこうかと言ってくれたが、ロロはそれは申し訳ないからといって断った。パルルンは近くにいる親戚の家に泊まってから自宅に戻るとのことで、そこまで乗せてもらうことにしたらしい。


「じゃあ。またねえ~(^_^)/」

「ええ。」「メールするから!!」


ロロは2人を乗せた車が見えなくなるまで見送った。

周囲は開けた大地と、いくつかの橋。1つは先ほどの学校に向かうものだ。

その場にいるのはロロのみ。一人だけである。



「さてと・・・・。」

ロロは1度誰もいないかの確認を行って、学校へ向かう橋に歩みを進めた。





軍の階級は、自衛隊のものを参考にさせて頂きました〜。

自衛隊かっこいいけど、階級とかよく知らなくて、今回知るいい機会なったと思いますですね(*´ω`*)


「幹部」は上から、将>将補>1佐=1尉>2佐=2尉>3佐=3尉

「幹部」の下に「准尉」。さらに下に「曹」

 曹長>1曹>2曹>3曹

「曹」の下に「士」

 士長>1士>2士

最後に候補生がいます。候補生は入隊後、3カ月の基礎的教育を受けている最中の人です。



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