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ラクガガク  作者: 徳丸
第1章 羅劫(らこう)
13/57

11.襲撃

後から追加した部分なのでちょっと長くなってます〜

3日後→4日後

ロロは今日も元気です。毎日を必死に生きてきます。自分の不運さに嘆くことはあるけれど。

毎日が輝いて見えます。

なので。


「パルルーン!お話しよう~◝(⁰▿⁰)◜!!」

「いえ。そうはさせません。今日は私のターンです。聞きなさい。昨日でたマコちゃん新作グッズがですね・・・」

「いやいや。そんなそんな。今日学校来る途中でねえ~!!」

「いやいや。途中には何もないですよ。新作の衣装がとても細かく、非常に綿密な・・・」

「いやいや~。」

「いやいや。」

「「いやいや。」」



10月の半ば。屋外授業を行ってから土日を挟んで4日後の学校である。

今日も今日とて平和な学校生活だ。


昼休みという自由時間。クラス内の友人関係にはどうやらまだしこりが残っているらしい。

少しいびつな会話がそこかしこでされている。



「あなたたち何の話してたのよ?すごくうるさいわ。間をとって私の話を聞きなさい!」



席の前後で会話の主導権を争っていたら、トイレに行っていたジェリーが帰ってきた。



「何の話もまだできてないよ~ヽ(`Д´)ノ!!ていうか聞いてたでしょ~!!」

「ジェリーの話より、興味深い話をできる自信があります。・・・少し聞いていきませんか?」

「あら。ばれちゃった。春はなによ?喧嘩売ってるの?」

「いえいえ。喧嘩じゃないですよ?すこ~し私の話を聞いていただけるのであれば、深い深い沼にご招待できまよ??どちらかというと和解ですかね?」


ジェリーは、ぎょっとした表情でロロの方に顔を向けた。


「(・・・ロロ!!まさかあなた!?)」

「(ノーノ―!!チガァ─(・´д`・)─ゥ...。ぼくちん沼に足取られてないよ~。)」

「なぜこそこそ話をするのですか?ちゃんとこちらにも聞こえるように話しなさい?」


昼休みはどんな風に過ごすも自由。授業の縛りが解け、開放的になるのは無理はないだろう。




物理的に開放的になるとはだれも思っていなかったが。



ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

ピ―――――――――――――――――――!!!!!

ピ―――――――――――――――――――!!!!!

ピ―――――――――――――――――――!!!!!



「なんだ!?」

「地震!?」

「今日訓練あったっけ??」



学校中に警報音が鳴り響く。



「・・・・???なんだろ~ヽ(・д・!i!i)ノ?」

「・・・・・話すなってことなんでしょうか・・・。」

「どどど・・・!!とりあえず机の下に隠れましょう!!!」



席に座っていたロロとパルルンはジェリーにそう言われて、とりあえず机の下に避難する。

それを見た周囲の人たちも焦っていたことが恥ずかしくなり、真似をして机の下に隠れた。



ピ――――――――――――――――――――!!

ピ――――――――――――――――――――!!


「ザザッ・・・・校舎・・・・・ザッ逃・・・・地・・・・・下・・・!!!」


ピ―――――――――――――――――!!


「避難・・・・・・・・・・・!!!ザザザッ・・・・・・何者かの・・・・襲・・!!!」


ピ――――――――――――――――――・・・・

ピ―――――――――――・・・・・

ピ・・・・プツン。



誰かが放送室から全校に向けて放送を入れてくれていたらしい。だが、放送室で何か起こっているのか、通信経路に障害が発生しているのか。途中で途切れてしまった。

警報音も切れてしまっている。


「これは・・・・・。どうしたものでしょうか。」

「はえ~(・´ω`・)困ッタナァ。どうするう~???」

「えっ!?なんでそんなに落ち着いてるのよ!?」



机の下から会話を行う。今のところ何の変化も感じられない。

静かな教室内にロロたちの声が響く。


のんきな彼らの様子に、息をのんでいたクラスの人たちの緊張も少しほどけたようだ。



「お・・・おい。お前らどうする?」



ロロの左側から声がかかる。

左の机の下にいるのは今まで全然話しかけてこなかったクラスメイトの赤宮だ。

緊急事態に、なりふり構っていられなくなったのだろう。頼りがいのありそうな人に声をかけるのは当然だ。



「ん~。放送では何者かの襲撃があった。逃げろって言ってるみたいだね~。逃げたほうがいいんじゃない~(♯´ω`)??」

「はあ、そんなこと聞くよりも、あなたの左側にある窓から外の様子を見たほうが堅実的なのではないですか??」

「ちょ、そんな言い方ないんじゃない??今は非常事態なんだし、そんなとげとげ下言い方しなくても・・・・。」



今まで何のかかわりも持とうとしなかったのに、こういうときだけ頼ろうとするのかと、少し、イラついてしまった。我ながら大人げないとは思う。今はそんな時ではないのに。

そんなロロと春の言葉にフォローを入れるジェリー。


「はあ?何その言い方?協力しようとしただけじゃねえか。感じ悪っ。」


案の定、機嫌を損ねてしまった。

赤宮は口をへの字に曲げプイっとそっぽを向いてしまっている。


「ほら~。怒っちゃったじゃない!!しょうがないわね。交渉は決裂。協力はできないみたい。ロロ、春。私たちだけで行動しなくちゃ!!どうする??」

「え・・・ちょ・・・。」


どうやらジェリーもロロ同様、普段との違いに少しの嫌悪感が芽生えていたらしい。ロロもパルルンもジェリーも根本が似ている。

自分と話そうとしてくれていると思っていたジェリーにも冷たくされて、取り付く島もない赤宮は次の言葉を探そうとしたが見つからなかった。


せっかくアドバイスをしたのに、動こうとしない赤宮に、内心呆れながらも春は行動を起こす。

ずっと机の下にいるわけにはいかない。

パルルンは窓の外から様子を確認し、どの方向に異変があるのか推察する。



「窓から見る限り、異変は感じませんね。どうやら、放送室側みたいですね。西側に何かあったみたいです。ただし、そのほかで何もないとは言い切れないので、安易な指示はできません。」


先に指示系統をやるとは、なかなかに厄介な相手だ。そんな相手の目的も手段もわからずに行動するのは得策ではない。ただ・・・


「ただ、聞こえてくるこの音から察するに、このままじっとしているのはもっと危険であることは間違いないですね。」


警報が消えてから、少し遠くの音まで聞こえるようになった。

そして、遠くの音が聞こえるようになったからこそ、徐々に危険が迫っていることがはっきりとわかるようになった。


大きな破壊音が空気を揺らす。



「うわあ!!」

「な、何!?」

「キャー!!」



学校の校舎は8階建て、楕円形の吹き抜け(中庭)があるつくりとなっている。この教室は東側、6階だ。放送室は西側。教室をいったん出て中庭から見れば何が起こっているのか分かるかもしれない。


それは誰が見に行くかだが・・・。ジェリーとパルルンはロロを見る。


「ぼくちんじゃ、何が起こってるかちょっとわからないかも~。・・・・もうほとんど見えないんだよねえ~赤色に染まってて。」



ロロの目が使えない。普段であれば、色の変化などで人、モノ、さらに言えば危険物だってどこにあるのか分かるのだが・・・。

誰か見てきて~ヽ(@・´ェ`・)ノとのんきそうに言ってはいるものの、内心では動揺していることだろう。今は階段だって彼の致命傷になりうる要因となっているのだ。



「・・・・分かったわ。私が見てくる・・・。」

「いえ。私が確認してきましょう。ジェリーはご実家のほうへ連絡を。」



運が良ければジェリーの実家から救援が望めるかもしれない。・・・対抗できる相手だったらの場合だが。



「お・・・おい。お前ら何言ってんだよ・・・。」



置いてけぼりにされなれていない赤宮は、今までどうやって彼らと会話するのかを考えていた。そして会話の糸口を探すため彼らの会話を聞いていたのだが、急な音に言葉がすべて飛んで行ってしまった。

ハッとした瞬間。彼らが赤だのなんだの見えないだの言っていたため、余計に混乱してしまった。

ロロの言っている内容や、ジェリーや春の言っていることが分からない。理解できない。



「ちょ・・・ちょっと!!何あんたたちだけで完結しようとしてんのよ!!」

「そうだぞ!!ちゃんと説明してくれよ!!」



赤宮とロロたちの会話に耳を傾けていたクラスメイト達は、自分たちが置いて行かれるのではないかという焦燥感から、ロロたちに答えを求めた。

しかし春はクラスメイト達の声を無視して、教室を出る。ジェリーは電話をかけ始めた。


ジェリーにより携帯の存在を思い出した人たちも、電話をかけようと携帯をとり出した。しかし、



「・・・・圏外・・・。」


くそっ。携帯を勢いよく地面に打ち付けて、大事に拾い直したジェリーは携帯を大人しくポケットにしまった。


他の人達も同じ状態であるらしい。


敷地内に立つ電波塔がやられたのか。

放送室がやられているのだ。考えてみれば当たり前である。何か外に連絡する手段はないのか。ジェリーの頭の中で今できることを必死に考える。


「ロロ!!何か思いつかない!?!?」


ここで焦ってはいけない。何事も冷静さが大切だ。

自分が知っている中で今最も頼りになるロロに話しかける。


「うーん(´ε`;)。電話に関してはどうしようも・・・・」


ここで中庭から様子をうかがっていた春が教室に戻ってきた。



「どうだった~(*´ェ`*)ドキドキ??」



春の表情は渋いものだった。


彼の言葉を、クラスの生徒も、ロロも、ジェリーも、固唾を飲んでまつ。



「・・・・・端的に言うと。ここには我々しかいないようです。他のクラスの方は・・・見ていただければわかると思いますが・・・。」


外が見えないようにサッと閉じていた教室のドアを開ける。


「いらっしゃらない・・・ようですね・・・。」


目の前に広がるは半壊した建物。中庭と呼ばれるスペースは瓦礫の山

で見えなくなっていた。

残っているのは楕円の半分、ロロたちのクラスが端から2番であることを考えると、先ほどの大きな破裂音で崩れていないことは不幸中の幸いであったらしい。


目の前の光景が信じられなくて、教室内にいた人がわらわらと吹き抜けスペースに出ていく。


「・・・なんで私たち以外いないの・・・???」


「半分しか残ってない・・・。」

「3限目まではいただろ・・・??」


崩れた反対側の瓦礫には、机やいす、私物と思われるものが落ちていたが、人の姿は確認できなかった。


「ねえ。なんで・・・・いないの・・・・???」

「ぼくちんのクラスだけ・・・??」

「・・・私たちのクラスには知らされていなかったようですけど、急遽、今日は3限で終わりだったみたいです。隣のクラスの黒板の端に書いてありました。」

「「「「「「「「え???」」」」」」」



目の前に広がる光景に釘付けになっていた人もそうでない人も、春の言葉に反応する。



「どういうことなんだ!?結城先生は何も言ってなかったじゃないか!?」

「でも、誰も知らなかったなんて!?」

「ほ・・・ほんとだ!!隣のクラスの黒板に書いてある・・・!!」



隣のクラスの黒板にはでかい文字で、”今日は3限で終了”と書かれていた。



「4限は国語・・・結城先生だったねえ・・・(llФwФ`)」

「でも、昼休みに教室から出た人だっていたわけだし・・・・。気づかないなんてある!?」



その通りだ。3限で終了といっても、このクラスに用事がある人や、一緒に帰ろうなんて人、そもそも、昼休みにトイレに行っていたジェリーだって気づくはずだ。



「ジェリー・・・・。君・・・昼休みトイレ・・・行ってましたよね・・??気づかないなんてある!?って言ってますけど・・・・??気づきませんでした??」

「・・・・・あーっと・・・。他のクラスに友達・・・用なんてないし・・・。確かに静かだなあと思ったけど・・・。授業まだやってるなかなあって。」


彼女は異変には気づいていたが、考えるまでには至らなかったらしい。


「で・・・でも、他にも出てった人いるんじゃない・・・??」


ジェリーは自分のことは棚に上げて、他の人はいないのかとクラスの人に問いかける。



「た・・・確かにみたけど・・・。」

「帰ってきてない・・・・。」

「油留木さんもいないみたい・・・・。」



数名行方知れずになっている。どこへ行ったのか。

暗い空気が漂い、誰も言葉を発さなくなる。

さすがのロロ達もこれには、のんきなやり取りをする余裕はなかった。

しばらく沈黙が続いていたが、何やら遠くの方で人工的な音がすることに気づく。



バタバタバタバタ・・・・・・

バタバタバタバタバタ・・・・・・。

バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ



遠くのほうから何かが近づいてくる音がした。先ほどまでの破壊音とは違い、1度に大きな音が鳴るのではなく、徐々に大きくなっていて・・・


「これは~(((。iдi。))???」

「へ・・・ヘリだ!!!」

「ヘリコプターの音だぞ!!!」

「助けが来たんだ!!!!」



空を見上げていると、国が運営する、甲羅の紋様を背負ったヘリコプターが、瓦礫の向こう側から姿を現した。


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