分岐点
「私は1人だ。」
孤独。
私は幸せになってはいけないのかも
しれない。
2人も私に合わせてくれてただけなんだ。
幸せじゃなかったんだ。
苦しい。
胸が苦しい。
誰か、助けて。
『望みはあるか?』
暗闇のなか、薄ら暗い光が私を照らす。
私はぼーっと、それを見つめる。
『お前を幸せにしてやろう。』
暗闇の中から、手が差し伸べられる。
私の手は自然とその手に引き寄せられる。
手を取ろうとしたその時、
『ダメ!!!!』
声が聞こえる。
誰の声?
不意に、体が抱き寄せられる。
「これ以上、不幸にならなくていい。」
誰かは分からなかった。
それでも、そのぬくもりはあの人に似ていた。
「凍原ルル。あなたは、幸せになっていいの。」
「………………」
自然と目が閉じられる。
『貴様、誰だ!?』
「私は、私。この子を不幸になんてさせない。」
『………なるほど。そういうことか。』
悪魔の手は引いていく。
「あなたは愛されている。」
その声は告げる。
「たくさんの思い出と、愛情を受け取って、
私は今ここにいる。」
暖かな光。
目の前にその光が溢れていく。
「私は凍原ルル。素空のことが好きで、ヤテンのことが好きで、少しお茶目で、冒険で見てきた綺麗なお空が段々好きになってきて、みんなで食べるご飯が大好きになってて、2人と喋る時間が何より大好きで…………2人とできるだけ長く一緒にいたい、普通の、普通の女の子。」
私は、私を愛している。
幸せになっていいんだ。
私は…………
幸せな未来を掴む。
「ルル………ルル………!!!!」
「たのむ!目を覚ましてくれ!!!!」
眩しい。ちょっと暑い。
「う、うぅん………。」
目を開ける。そこには涙を流した大好きな2人がいた。
「ど、どうしたの!?2人とも!!?」
「もう会えないかもって………」
「えっ!!!??」
「クロノスが、ルルが時空からサタンっていう悪い悪魔に乗っ取られていなくなったっていうから、今からみんなで取り返しに行こうって、なってたの。」
「ごめんな。ルル。不安な気持ちにさせちまったよな。気づけなくて、ごめんな。」
私は素空に抱きしめられる。
「………えっと、話がよく掴めないんだけど………」
「素空!!!交代!!!」
「はい!」
素空の次は、ヤテンが私を抱きしめてくれた。
何だかよく分かんないけど、涙が出てきた。
「私、ここにいてもいい?」
2人は涙を流して応えてくれた。
「当たり前だよ。ずっと、一緒いよう。」
「もう離れるなんて、言わないでよ。」
「私、そんなこと言ってた?」
「言ってた!!」
ぎゅっと強く抱きしめられる。
何が起こったのかいまいち分からないのだけど、
それでもこの胸にあるぬくもりは確かだから。
「ヤテン、素空、愛してるよ。いつもありがとう。」
「私もよ、ルル。愛してるわ。」
「俺ももちろん愛してるぜ!なんだか、恥ずかしいけどな!!!」
「ふふっ。」
思わず笑ってしまう、そんな時間。
私はこんな時間が大好きだ。




