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偏差値70は最強じゃない!  作者: 鮫の歯
第一章 華炎の国
52/56

偏差値39 過去の精算─1

朝になった。

ソ(おい)

ケ(はい)

ソ(昨日何回した?)

ケ(5回です)

ソ(なるほど。寝ろ)

ケ(すいません)

ソ(ほどほどにって言っただろ!)

ケ(ほどほどのつもりなんですが)

ソ(疲れるんだよ!特に腰が!魔法で治せるからいいんだけど、それはあまり体に良くないからさ)

ケ(……確かに。すいませんでした。)

ソ(やるなとは言わない。むしろやりたい、俺も。だが夜はちゃんと寝ろ)

ケ(気をつけます)


マ「何話してるの?」

ソ「いや何でもないさ。それよりすみません、朝食までご馳走になってしまって」

シャルさん「いえいえ父さんを治してくれたんですから。これくらいの礼はさせてもらわないと」


ラ「で外に置いてある樽は何なんですか?」

ラコンはもぐもぐ食べながら窓の外を差した。木の蓋が見える。

シャ「お礼のお酒です。ビールと、とうもろこしから作ったお酒。美味しいですよ?」

ラ「その、主がしたことはわかっておりますが、量が多いのでは?私には4樽ほどあるのが目に見えるのですが……」

確かにな……気持ちはわかる。

シャ「父さんの飲み残し……いえ、病で臥せっていたので余ったのですよ。結構父さんは飲むのでかなり蓄えてあるんですよ。熟成されているからさらに美味しくなってるはずですよ、どうぞ!」

ソ「………まあパンドラボックスに入れたらいいからいいけど。ありがとうございます。お父さんの体調はどうですか?」


シャ「さらに具合が良くなったようで村を歩いてます。安静にって言ったんですがね…」

困っているようだ。そりゃあな。


ソ「ハハハ。もう歩けるら大丈夫ですよ。これからも小麦と肉を食べるようにしてくださいね」

シャ「はい。父も懲りたようで酒は控えると。春小麦ができるようになったら私たちも食べられますし、こちらこそありがとうございます!!」


ソ「喜んでいただけて良かったです」


家族全員に見送られながら出発した。やっぱり人助けはいいな。気持ちがいい。



竜車の中でラコンだけ不満そうだった。前にマインとクレーネにはしたのに、ラコンとだけしていないからだ。


ラ「主は我のことが嫌いなのですか?」

ソ「嫌いなわけないだろ。たまたまできなかっただけだ。そういじけるなって」

俺が言ってもふん!と、そっぽをむかれた。マインとクレーネは黙ってニヤニヤしている。


ラ「いじけてなどおりません!」


ソ「ふぅ、頑固なんだから」

ラ「主?……ッツ!ふむっ………んっ…!」

トロンとした顔になった。

ソ「………今日の夜は一番にしてあげるから。ね?」

ラコンは顔を真っ赤にしながら呟いた。

ラ「…約束でございますよ」

ソ「ああ約束だ」

ク「あぁ~~!ず~る~い~!」


と、まぁいちゃこらしながら3日過ぎた。これといったことは起こらず、王都から二つ前の、インゲルの関所に着いた。


ケ「うわー、並んでますね」


関所は二つに分かれていて人用と馬車用。

俺たちは馬車用の入り口から入る。

しかし10台ほどの列ができていて詰まっている。待っていて暇な商人達がざわざわと話したり、休んだりしている。

ラ「どうしたのでございますかね。今までこんなに混んでいたことはなかったのに」

今まで2つほど関所を越えた。領主が違うのだ。

バ「ここは何回も通ったことがありやすが、こんなに混んでなかったはず」ソ「バンクさんが言うなら…なんでだろう?」

ラ「…何か立て札がございますよ?」


ソ「なになに……ただいま検問強化中。金髪の男と赤髪の女と青髪の竜人の女を見つけ次第捕縛する。情報を求む」

サッと静かになった。


ソ「これ俺たちじゃ…」

マ「わわわば、ばか!大声出すな!」これって……

ク「ケイトマインとラコンのことよね。でも何で?ここに来たのは初めてなんでしょう?」


バ「ははぁ」

バンクさんは何か納得したようだ。

ソ「何ですか?バンクさん」

バ「おそらく、湖での貴族ですよ。ここの領主の息子の特徴が若旦那から聞いたのと同じで。今思い出しやした。でもあの湖からはここはかなり遠いので、もしかしたら間違ってるかもしれやせん」

ソ「イヤ、合ってます。神眼で見たのと同じだ。グルガンベルク伯爵・領主の息子、ナイト・ミランダ・ゼエルベン・ベル・グルガンベルク」

マ「あいつってそんな名前なの?」


ソ「ああ。成人済みだがまだ爵位を受け継いでおらず、領主である父の補佐をしているらしい」

ク「………!!!」

クレーネが何かに驚いたように身震いした。

ラ「? どうしたのですか?クレーネ」

ク「いや何でもないわ。それでどうするの?このままだと捕えられちゃうわ」

俺はチッチッチッと指をふった。


ソ「まあ大丈夫さ。精神魔法で見た目はごまかせば、関所ぐらい行けるさ」


バ「あー、スキエンティアで問題視されてるやつ。まぁここならいいでしょう」

ソ「バンクさん?」

バ「ま、関所はそれでOKでやすが問題がありやす。この領地が広すぎてどんなに飛ばしても、一泊はしなければなりやせん」

マ「あ~~、それは確かに問題ね」

ソ「村人全員分のごまかしを二日間か。ちょっときついが、大丈夫だろ」

ラ「すいません、主」


ラコンたちは見た目のごまかしの精神魔法はできない。

精神魔法に対する耐性や誘惑をすることはできる。が、見た目を完全にごまかせるのは俺だけだ。術式が少し複雑なのだ。


ソ「気にするな。それに元々はクレーネを助けるためにしたこと。悪いのはあっちの方だし」

クレーネが申し訳無さそうに呟く。


ク「本当、私のためにごめん」

ソ「…………。大丈夫だ。心配するな」

ク「うん」

クレーネの不安は最もだ。

そして、クレーネはなぜ襲われたのか、()()()()()()()


バ「おっと、そろそろあっし達の番です。若旦那、ごまかすなら今のうちに」


無事関所は抜けた。強化中といっても役人自体は普通の人間、精神魔法に対する耐性は0だった。

それにやる気があまりないように見えた。最低限の業務しかしていないという感じだ。

ひどく疲れていたように見えたし、忙しかったのかな。


バ「まずは中央都市のギルカルに向かいやす。そこで一泊し、出発という流れでございやす」



グルガンベルク伯爵領、中央都市ギルカル。

森に囲まれた都市で、川が貫いているそこそこ大きな都市だ。中央の山の上に城があり、そこに領主の館がある。


バ「森に囲まれてるのは自衛のためでやす。モンスターが来ても都市の中に入らないよう、外側の家はかなり丈夫に作られておりやす」

マ「前泊まった町もそうだったわね」

バンクさんがうなづく。


ソ「城郭都市っていうんだ。周りを壁や丈夫なつくりの家で守る街。夜になるとモンスターや盗賊が来る。それを防ぐためのものだ。

ラ「いっやー、これがなかなかキツいんでございますよね~~。襲おうにも壁がめっちゃ分厚いし、武器も備えてあるしでなかなか金や宝石を盗めなかっ………」


シーン。


ラ「……という話を聞きましてね!えぇ!友達の竜がそう言っておりました!」

絶対お前の体験談だろ。


……クレーネの元気がない。

俺に寄りかかって休んでいるが息が荒く、苦しそうだ。

ソ「クレーネ、大丈夫か?」

ク「うぅん。少ししんどいだけ。そんなに気にするほどじゃないわ」

ソ「そうか、何かあったら言ってくれよ」

ク「うん」

神眼でみてもわからないな。

たぶん気分的なものだろう。



あいにく宿がいっぱいで、泊まったのは、主人が外出中(行商中)で留守の家だった。

隣人に鍵を渡してもらい、泊まらせてもらった自分たちで自炊するタイプだ。

マ「まさか宿がどこもいっぱいとはね~~」

ケ「こんな事もあるもんですね」

荷物をほどきながら言う。

ク「何があるのかな?いっぱいになるって事はあまりないでしょ?」

バ「今特別忙しい時期でもないでやすからなぁ」

ソ「いいじゃん!これでマインとラコンの手料理が食べられるわけだし!」


バ「ほぉ!お二人は料理ができますので?」

マインは少し照れた。

マ「そんな上手じゃないけど…ほどほどには作れるわ!」

ラ「我はコックパッドで習いましたからな!村にいた時主にも食べてもらいましたし!」


バ(コックパッド……メンデルめ)


ソ「二人とも上手だからな~。楽しみだよ」

マ「そういえばクレーネは?料理できるの?」

クレーネは驚くと

ク「私!? 私はノーコメントで」

ラコンはその反応を見て、

ラ「ハハーン、できないのでございますか~?」

クレーネは慌てて返す。

ク「で、できるわよ!って言い返したけど、今日は無理。なんかしんどくてそれどころじゃないわ」

マ「大丈夫?さっきまで元気だったのに…」

ク「この街に来てからなんかね手伝えなくてごめん」

ラコンはちょっと考えると


ラ「もしかして、あの貴族野郎でございますか?」

ク「あいつ?あいつは多分関係ないわ」

……………。


ク「だから、悪いけど2階で休ませてもらうわ。」

マ「そう?じゃ、お休みなさい~~」

マインは階段をのぼりかけているクレーネに手を振った。

ク「まだ寝ないわよ?朝まで寝ないからね?起こしてよ?絶対よ!」

クレーネは元気じゃん!と突っ込みをしたくなるほど勢い良く言った。


続く。

明日続き投稿します。

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