*****『父さんの緊急事態』
その日、部活が決まったことを母さんに報告だ!って勢いよく玄関を開けた時、家の中の空気がなんとなく暗かった。
明かりはついているのに、空気が沈んでいる。
不思議な暗さだった。
母さん、まだ落ち込んでるのかな?
今までだって、急に演習が伸びたことは何度もあったのに、こんなに落ち込んでいるのは珍しい。
「母さん、ただいま。何かあった…?」
リビングを見ると、普段はつけていないテレビの前に座り込んでいる母さんがいた。
僕の声にも反応がない。
テレビの画面には、臨時ニュースのテロップと緊張したアナウンサーが原稿を読み上げる声が流れていた。
「緊急速報です。一時間ほど前、沖縄沖の公海にて、国籍不明の船団が目撃されました。
船団は日本側の呼びかけには応じず、目的などは不明です。―政府は――――』
ドクンと、心臓が悲鳴を上げた。
父さんの演習先だと決まったわけじゃない。でも…。
「母さん……」
僕はそっと母さんの横に膝をついて、真っ青な顔でふるえる肩に手を置いた。
母さんには、分かるんだね。
あの海の先に父さんが―――いる。
お付き合いいただきありがとうございます。
この続きは、少し時間をかけてから公開したいと思っています。
最強自衛官「父」と、父を思う家族のお話の予定です
それが落ち着いたら、また楽しくワイワイとした、でも不思議な日常に戻ります
暫く、おつきあいをお願いいたします。




