<第十六足>関西少女の作る鍋
私達は休憩を挟みながら課題を進め、
気付けば十七時を過ぎていた。
「勉強疲れたわねぇ…」
「お姉ちゃんもお疲れ様」
舞姫姉が冷蔵庫の中身を見るも─
冷蔵庫にはほぼ何も入っていなかった。
「あ……昨日食材買うの忘れたのよ…」
「お腹減ってきてん…」
何故なら、実は昨日の夜─愛姉は食材を買い忘れたかららしい。
「愛ちゃん、何作ろうとしてたの?」
「すき焼きよ」
「すき焼き……すき焼きは関西発祥なんやで…」
今夜のメニューはすき焼きらしい。
どちらも関西発祥の料理。
「お肉はお父さんが注文してくれたから…そろそろ届─」
話に盛り上がってると、インターホンが鳴った。
「はーい」
「仁愛出てくるー」
「ありがとう仁愛ちゃん」
仁愛がダンボールを受け取り、リビングに来た。
「佐賀牛と冷凍のもつ、馬刺しに薩摩地鶏……愛ちゃん達のお父さん凄い……何してる人?」
「総合南北北病院の理事長兼医師よ。多忙なあまりここには帰ってこれる時はほぼないけどね」
「凄……医師か…かっこいい♡」
ダンボール箱には、佐賀牛と冷凍もつ、馬刺しに薩摩地鶏が入っていた。
実は義父は九州出身で多忙なあまり、こうして九州の名物を通販で注文しているのだ。
「あ、お米も…元気つくし…?聞いた事ない品種…」
「九州のお酒も美味しいんだろうなぁ…」
「お肉もお米もあることだし…皆で紅丸に行くよー!」
九州の食べ物は関西とはまた違うが、とても美味しい。
同じ西日本だからか、安心感も感じる。
ちなみに義父とまだ一緒に食事をしたことはない。
「お菓子もアイスも買おうねぇ」
「舞姫ちゃん……香辛料も買わないと♡」
「香辛料…?まさか……ヤる気?」
いつもの買い出しとはまた違う買い出し。
私達は心が踊っていた。
「違うの舞姫…。この子は大の激辛好きで、お弁当も凄いのよ。マイ激辛ソースは持ってきた?」
「うん♡」
「え、へ、え………?」
「舞姫姉も、麻婆茄子なら仁愛ちゃんぐらいの辛さでも食べれるで。茄子なら」
舞姫姉は、仁愛の大の激辛好きな一面に驚いていた。
というか、ドン引きに近かった。
「へぇ…すき焼きは関西風と関東風で違いがあるんだ……」
「夢玖ちゃんはどっち食べたい…?」
「当然…関西風やで!関西ではな…牛肉を焼いてから砂糖や醤油を直接振り入れて、野菜の水分で仕上げるスタイルやねん」
関西風のすき焼き。
私達は紅丸に行き、買い出しをした。
――――――――――
「これが本場のすき焼き…!」
「牛肉焼いて…砂糖と醤油を直接掛ける…」
鍋を準備し、私が肉を焼いていく。
ジュワ、と焼ける音、醤油の香ばしさが食欲を唆る。
「ほな。この一枚目がいっちゃん美味いねん」
それぞれの小皿に、一枚目を乗せる。
舞姫姉や愛姉、仁愛も夜海も食べる。
「ん〜!東日本とはまた違うわね!」
「美味ひ〜!ご飯進むー!おかわりしてこよ」
「ほんでまた肉焼いて、砂糖と醤油を掛けて…野菜の水分で煮込む……これが、関西のすき焼きやで」
全員、蕩けた顔をしていた。
佐賀牛というのもあり、それほど美味しかったのだろう。
夜海はビールを片手に、仁愛は激辛ソースを片手にしていた。
「これはお酒も進むねぇ…串カツも美味しそうだよね」
「ねぇ夢玖ちゃん…大阪で激辛名物ある?♡」
「名物というよりはグルメやな…仁愛ちゃん、程々にしいや」
盛り上がり、〆のうどんも堪能した。
皆で洗い物をし、お風呂の時が近付いた。
「浴槽には二人と三人で分かれましょう。舞姫」
「うん、お姉ちゃん。お風呂のためにあみだくじ作ったの!」
「なんか…二人共、私よりノリノリやない?」
想定はしていたが、当然全員入れるわけでないため、
舞姫姉があみだくじを作ってきたらしい。
「あ!仁愛は舞姫ちゃんとだ…♡」
「夜海ちゃんと一緒ね。楽しみだわ」
「愛ちゃん……結構大きいよね」
「仁愛だって大きいもんっ!♡」
あみだくじの結果はこうだ。
舞姫姉と仁愛。私と愛姉、夜海。
どちらが先かも決め、それぞれお風呂の準備をした。
……To be continued
第十六足(第十六話)を読んでくださり、ありがとうございます。
今回は、お泊まり会ならではの、鍋パーティ回でした。
次回はお風呂のシーンです…実は仁愛の秘密も分かります
それでは次回またお会いしましょう




