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透ける約束は片結び  作者: 檻 依舞 (おりーぶ)
【第二章】青い春と片結び

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<第十六足>関西少女の作る鍋


私達は休憩を挟みながら課題を進め、

気付けば十七時を過ぎていた。


「勉強疲れたわねぇ…」


「お姉ちゃんもお疲れ様」


舞姫姉が冷蔵庫の中身を見るも─

冷蔵庫にはほぼ何も入っていなかった。


「あ……昨日食材買うの忘れたのよ…」


「お腹減ってきてん…」


何故なら、実は昨日の夜─愛姉は食材を買い忘れたかららしい。


「愛ちゃん、何作ろうとしてたの?」


「すき焼きよ」


「すき焼き……すき焼きは関西発祥なんやで…」


今夜のメニューはすき焼きらしい。

どちらも関西発祥の料理。


「お肉はお父さんが注文してくれたから…そろそろ届─」


話に盛り上がってると、インターホンが鳴った。


「はーい」


「仁愛出てくるー」


「ありがとう仁愛ちゃん」


仁愛がダンボールを受け取り、リビングに来た。


「佐賀牛と冷凍のもつ、馬刺しに薩摩地鶏……愛ちゃん達のお父さん凄い……何してる人?」


「総合南北北病院の理事長兼医師よ。多忙なあまりここには帰ってこれる時はほぼないけどね」


「凄……医師か…かっこいい♡」


ダンボール箱には、佐賀牛と冷凍もつ、馬刺しに薩摩地鶏が入っていた。

実は義父は九州出身で多忙なあまり、こうして九州の名物を通販で注文しているのだ。


「あ、お米も…元気つくし…?聞いた事ない品種…」


「九州のお酒も美味しいんだろうなぁ…」


「お肉もお米もあることだし…皆で紅丸に行くよー!」


九州の食べ物は関西とはまた違うが、とても美味しい。

同じ西日本だからか、安心感も感じる。

ちなみに義父とまだ一緒に食事をしたことはない。


「お菓子もアイスも買おうねぇ」


「舞姫ちゃん……香辛料も買わないと♡」


「香辛料…?まさか……ヤる気?」


いつもの買い出しとはまた違う買い出し。

私達は心が踊っていた。


「違うの舞姫…。この子は大の激辛好きで、お弁当も凄いのよ。マイ激辛ソースは持ってきた?」


「うん♡」


「え、へ、え………?」


「舞姫姉も、麻婆茄子なら仁愛ちゃんぐらいの辛さでも食べれるで。茄子なら」


舞姫姉は、仁愛の大の激辛好きな一面に驚いていた。

というか、ドン引きに近かった。


「へぇ…すき焼きは関西風と関東風で違いがあるんだ……」


「夢玖ちゃんはどっち食べたい…?」


「当然…関西風やで!関西ではな…牛肉を焼いてから砂糖や醤油を直接振り入れて、野菜の水分で仕上げるスタイルやねん」


関西風のすき焼き。

私達は紅丸に行き、買い出しをした。


――――――――――


「これが本場のすき焼き…!」


「牛肉焼いて…砂糖と醤油を直接掛ける…」


鍋を準備し、私が肉を焼いていく。

ジュワ、と焼ける音、醤油の香ばしさが食欲を唆る。


「ほな。この一枚目がいっちゃん美味いねん」


それぞれの小皿に、一枚目を乗せる。

舞姫姉や愛姉、仁愛も夜海も食べる。


「ん〜!東日本とはまた違うわね!」


「美味ひ〜!ご飯進むー!おかわりしてこよ」


「ほんでまた肉焼いて、砂糖と醤油を掛けて…野菜の水分で煮込む……これが、関西のすき焼きやで」


全員、蕩けた顔をしていた。

佐賀牛というのもあり、それほど美味しかったのだろう。

夜海はビールを片手に、仁愛は激辛ソースを片手にしていた。


「これはお酒も進むねぇ…串カツも美味しそうだよね」


「ねぇ夢玖ちゃん…大阪で激辛名物ある?♡」


「名物というよりはグルメやな…仁愛ちゃん、程々にしいや」


盛り上がり、〆のうどんも堪能した。

皆で洗い物をし、お風呂の時が近付いた。


「浴槽には二人と三人で分かれましょう。舞姫」


「うん、お姉ちゃん。お風呂のためにあみだくじ作ったの!」


「なんか…二人共、私よりノリノリやない?」


想定はしていたが、当然全員入れるわけでないため、

舞姫姉があみだくじを作ってきたらしい。


「あ!仁愛は舞姫ちゃんとだ…♡」


「夜海ちゃんと一緒ね。楽しみだわ」


「愛ちゃん……結構大きいよね」


「仁愛だって大きいもんっ!♡」


あみだくじの結果はこうだ。

舞姫姉と仁愛。私と愛姉、夜海。

どちらが先かも決め、それぞれお風呂の準備をした。



……To be continued

第十六足(第十六話)を読んでくださり、ありがとうございます。


今回は、お泊まり会ならではの、鍋パーティ回でした。

次回はお風呂のシーンです…実は仁愛の秘密も分かります


それでは次回またお会いしましょう

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