表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オル・トア ―精霊の往く先―  作者: 流留架
第三章後編 蒼の季 向夏 ―地の音を聴く―
PR
87/117

蒼の季 向夏-05.視線

「なんとか……なったか?」


 バドゥは足元のチノワに話しかけるように呟いた。

 チノワは身体を寄せて、尾をふるふると揺らす。


「大丈夫だって言ってる! 爺さまはすごいよ!」


 ドトムのきらきらした素直さに、バドゥは決まりが悪そうに目を逸らした。

 

「あとは、鉱脈が育ってくれることを祈ろう。壁の穴も埋めた方が良い。なるべく元の状態に近付けて、儂らにできるのは待つことだけだ」

「……うん、待てるだけで充分だよ」


 振り返ったバドゥの表情は穏やかだった。


「お前さんたちに助けられたな。礼を言う」

「わたしたちは何もしておりません」

「また……いつでも来い」


 彼の目尻が下がった。

 バドゥの初めて見せる笑みは、胸が痛むほど優しかった。



 水場の調査を終え、一度ショウの畑に戻ることにした。

 畑の土が変わった原因は、おそらく水に混ざった濃い魔素だろう。


 原因は分かったが、土に定着している魔素をどうするかは、これから考える必要がある。



「レイラン、ありがとう。また遊びに来て」

「ああ、近いうちに様子を見に来るよ」

「絶対だよ」


 さっきよりも随分と声が小さい。

 ドトムは寂しそうに、でも、精いっぱい笑おうとしている。

 もう会えないと思っているのかもしれない。

 どうやら、レイランは子供に好かれ過ぎるらしい。


「ドトムが王都に来てもいいぞ。リシェもいるし、弟や妹もいる。ドトムは一人っ子か?」

「今日はここにいないけど、弟がいるよ」


 レイランはドトムの前に屈んで、視線をしっかり合わせた。


「じゃあ、今度一緒に遊びにくればいい。うちの弟たちに鉱石のことを教えてやってくれ」

「うん!」


 洞窟の入口から奥へ、ドトムの元気な声が響いた。



 外に出ると、太陽が真上を過ぎている。

 ここのところ曇りや雨が多かったが、今日の空は真っ青に澄んで高い。

 陽射しが肌に刺さるように感じるのは久しぶりだ。


 歩き始めると、フウがルティナの横にぴたりと付いた。

 さっきまでとは空気が違う。

 洞窟の入口の方を振り返り、耳を立て、尾を地面と並行にして止まっている。


 初めて見る、フウの本気の警戒だ。


 確かに、フウが気にしている方向に人の気配がする。

 2、3人だろうか。

 特に動く様子はないが、人独特の纏わりつくような視線だ。


 レイランもそれに気付き、フウが見ている方へ意識を向ける。


 フウの毛が僅かに風を含む。

 一点を見つめ、感覚を限界まで研いでいる。


 首筋が冷えていく。

 動いてはいけない気がした。

 これが、野生の鋭さだ。

 空気すら切り裂きそうな、冷たい風。


 この子がこれだけ警戒する何かがあるとしても、きっとそれは一瞬で無かったことになる。

 上位魔獣の血とは、それほどのものなのだ。



 しばらくして、フウの尾から力が抜けた。

 もう視線は感じない。


 ルティナは膝を付き、フウの身体に手を回した。

 ふわふわの毛は、まだ微かに風の気配がする。


 フウは尾をルティナの身体に回した。

 この子は、きっとひとりならあんな空気にならない。

 あれは守るためだ。

 否定するつもりはない、でも、できるなら穏やかに過ごして欲しい。


「行きましょう。もう気配はありませんが、ここは視界が悪いので」


 レイランの声もいくらか硬い。

 あの視線の感触は、まだ身体に残っている。



 畑にはショウの姿は無かった。

 作業を終えて、店に帰ったのだろう。


 畑の土を採取し、そのまま王都へと帰る。

 王都の西門から入り、四家の敷地まで来ると、セラが待っているのが見えた。


「ルティナ様、お疲れさまでした。わたしはこれから兵舎に行きます。ドワーフと揉めたという商家から事情を聴かねばなりません」


 揉め事自体は大したことでなくても、採掘に魔法を使ったのなら、それは罪に問えるのだろうか。

 自然物に対する魔法使用は、罪に問えるようになったと聞いた。

 それがどういう内容なのかはよく知らないが、こんなことが頻繁に起こると思うとぞっとする。

 途方もない時間をかけて育つ鉱脈を、一瞬で破壊してしまうのだから……。


「私も、魔法の痕跡が写し取れているか確認して参ります」


 2人共、これから商家のことで忙しくなりそうだ。


「わたしはショウさんのお店へ行って、土のことを話してきます。それと……あの街に出入りしているなら、リシェが商家のことを知っているかもしれません。会えれば聞いてみようと思います」

「確かにそうですね……。ルティナ様、申し上げにくいのですが、しばらくはどこに行くにも必ずセラを側に置いてください。先ほどの気配が気になります。フウも頼りになりますが、何かあったとしてもセラが一緒であれば対処がしやすいです」


 レイランはセラに視線を送り、セラはそれだけで理解したようだった。


 彼の心配は最もだ。

 人の……嫌な視線だった。


 フウの様子はいつも通りに戻ってはいるが、やはり気になってしまう。

 あの視線は、誰に向けられたものだったのか。 


「分かりました。離れに戻ってから、セラと一緒に行くことにします」


 ほっとしたように、レイランは頷いた。


「ルティナ殿、畑の土の件ですが……いくつか試したいことがあります。

本日でなくても構いませんので、お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」

「ありがとうございます。……イアム様は、普段はリュサールにいらっしゃいますか?」

「だいたいそうですね、自分の執務室におります」

「でしたら、わたしがお伺い致します。ミオル様にもお伝えしたいのです……お忙しいとは思いますが……」


 きっかけはミオルと一緒に行った香立だった。

 時間を取らせるのは申し訳ないが、自分で話をしておきたい。

 

「ミオルの予定は私が調整しておきますので、明日の午後ではいかがでしょう?」

「分かりました、その頃に伺います」


 レイランはセラに二言三言伝えて、街へ戻っていった。



 2人と別れ、セラと一緒に離れに戻って来た。

 思わずふっと息が漏れる。


「お茶をご用意しますので、少し休んでから向かいましょう」


 セラにはしっかり気付かれたようだ。


「セラ……わたしが人に狙われる可能性があるとしたら、それは何だと思いますか?」


 火床で茶葉を選びながら、セラは間をおいて口を開いた。


「私はその場におりませんでしたので何とも言えませんが、必ずしも誰かを狙ったものだったとも限りません」

「ただそこにいたから……というだけの視線ではなかった気がします」

「……これは、護衛をする側の考えなので参考になるか分かりませんが、想像を膨らませてしまうと、真実が見えにくくなることがあります。想像するなら、あり得る全てを均等に。情報が少ないなら事実だけを見る。私はまだ、後者の段階だと思います」


 その通りだ。

 商家に狙われたかもしれないと思ったのは、ドワーフの街でのことがあったからだ。

 商家への印象の悪さから、そう思ってしまっただけだ。


「そうですね」

「それに……」

「それに?」

「私が側にいて、ルティナ様に何か起こることはありません」


 なんの感情も乗っていない、ただ一つの事実としてのセラの言葉だった。

 それが、あまりにもかっこいい。


「ふふっ、セラは強いのですね」

「……正面から対峙するなら、レイラン様には及ばないと思います」

「そうなのですか?」

「……私は、戦闘の訓練ではなく、人を護る訓練を受けてきました。戦い方が違います」


 セラの声が静けさを増した。

 彼女は自分の生き方に、何か思うことがあるのかもしれない。


「そうですか。でも、わたしには最高にかっこよく見えます」

「……お待たせいたしました」


 セラはルティナの前にカップを置き、音もなく火床へ戻る。

 頼もしい人ばかりだ。

 いつの間にか不安も拭えている。


「ありがとうございます」


 いつものように食器を洗う音が、セラの答えのようだった。

 セラが淹れてくれたお茶の香りで、揺らいでいた心が、少しずつ元の場所へ戻っていく気がした。




 市場を抜けて香立に向かう途中、何軒かの鉱石を扱う店が目に入った。

 どの店もだいたい同じような品揃えで、魔道具に使う使い切りの魔導石と、天然石や鉱石が並ぶ。

 その石から感じる振動は、リシェの店にあったものとは違う。

 これが普通なのだとしたら、石の質もかなり差があるということだ。

 

「石を扱うお店も、たくさんあるのですね」

「使い切りの魔導石は生活に必要なものですから、専門店ではなくても扱っている店は多いですね」

「天然石や鉱石は、何に使うのですか?」

「天然石は、護魔の装飾品が多いでしょうか。ルティナ様の護魔の指輪もそうですね。鉱石は武器の修理や、装飾品の台座などに使われるので一緒に扱っている店が多いと思います」

「なるほど……」


 そう考えると、王都全体での需要はかなり高そうだ。

 だが、突然需要が高まったということでもないだろう。

 以前からあんな採掘をしていたのだろうか。

 もしドワーフの洞窟で行われていたとしたら、彼らがそれを許すことはないだろう。 

 何か別の理由があるのかもしれない。



 香立のある裏道に入ると、今日はどの店の前にも看板が出ている。

 ここは相変わらず静かだ。


「こんにちは」


 店に入ると、ショウが奥に腰掛けていた。

 陽に当たったせいか、いつもより肌が火照って見える。


「おや、お嬢さん。来てくれたのかい。先に帰って来ちゃって申し訳なかったね。あまりにも暑かったから」

「こちらこそ、時間がかかってしまい申し訳ありませんでした」

「どうだい? 何か分かりそうだったかな」


 畑の土と水の変化について説明すると、ショウは驚きながらも納得してくれた。

 ずっと畑を見てきた人にとっては、その変化に思い当たることが多かったようだ。


「なるほどねぇ……土が変わってしまったのか……じゃあ、元に戻るのには時間がかかりそうだね」


 ショウは背中を丸め、視線を落とした。

 理由に納得が出来ても、畑の土は変わらない。

 土を戻す方法があったとしても、今年は間に合わないかもしれない。


「お茶の収穫はいつ頃まで可能なのでしょうか?」

「茶摘み自体の季節は長いんだ。収穫する時期によって風味が変わってくるんだけどね。最後はだいたい柑の季の終わり頃かな」


 柑の季の終わりとなると、かなり時間の余裕はある。

 今は蒼の季32日。

 まだ間に合うかもしれない。


「土が元に戻せれば、だいたい馴染むのに二巡ほどだと思うので……蒼の季後半には茶葉もいつもの状態に戻るかもしれません」

「二巡……そんなもんなのかい?」

「茶の木自体が弱っているわけではないので、土が戻ればそのくらいだと思います」


 ショウの表情は、まだ半信半疑だ。


 ルティナにとってそれはありがたいことだった。

 植物を育てるのは積み重ねだ。

 なんでも思い通りに進むわけではないし、変化もゆっくりにしか進まない。

 現実をちゃんと分かってくれている。


「土を戻す方法は……まだなんとも言えません。方法が見つかったら、なるべく早くお伝えいたしますので……」

「何かできることはないかい? 畑の土も含めて、うちらの子供みたいなもんだ。少しでも何かできるならやってあげたいんだ」


 ショウの言葉に気付かされた。

 自分も、魔素や霊素からしか考えられていなかった。

 問題は畑の土なら、入れ替えてしまえば多少は変わるはずだ。


「問題は土に溜まっている魔素が多いことなのです。例えば、土をある程度入れ替えることができれば、それだけでも変化はあると思います。ただ、あの辺り一帯の畑が全部そうなっている可能性もあります。どこかから土を持って来られれば……」

「いや、あの畑の土はこの辺の土じゃないんだよ」


 さっきまで半分しか開いていなかったショウの目が、大きくなった。


「半分が故郷から取り寄せた土なんだ。土なら畑用のがまだ残ってるよ。全部を入れ替えられるわけじゃないけど、やれるだけやってみるよ」


 太陽を浴びて赤みが差した顔が、ぱっと明るくなった。

 何をしたらいいか分からないのが一番辛い。

 やれることがあるのは希望だ。


「土を触れて、冷えを感じる場所の土を入れ替えるといいと思います」

「土が冷えていたのか……そんなことにも気付かないなんて……他のことに気を取られ過ぎていたのかな。土は畑の命なのに……情けないねぇ」

「今年は陽射しが強かったですから……陽射しや水に気が向くのは仕方がないと思います……」

「この年になっても、まだまだ学ぶことが多いねぇ。これだから、農業は楽しいんだよ」


 これを学びだと捉えられるのが、本当に強い人だと思う。

 ショウの中には、原因になった人のことなんて欠片もない。

 彼にとって大切なのは、今の畑に何ができるかなのだ。

 素敵な人だ。


「何か方法が見つかったら、またお店に参ります」

「うんうん、ありがとうね。やれることをやってみるよ。あまり無理しちゃだめだよ」



 晴れやかなショウの顔に見送られて、隣のリシェの店へ向かう。

 開いたままの扉の中へ入ると、作業台の前に座る真剣なリシェがいた。

 

 石に何かを刻んでいる。

 手にはうっすらと光が宿る。

 職人というのは、無意識に魔素と共鳴しているのかもしれない。

 彼女の意思に、魔素が応えている。


 しばらく見入っていると、手を止めたリシェがこちらに気付いた。


「気付かなくてごめん、もしかしてずっと待ってた?」


 ルティナは首を横に振る。

 歩いてきたリシェは、ごく自然にルティナの手を取った。

 集中していたせいか、普段よりも手が温かい。


「作業の邪魔になるなら、また今度でも構いませんが……」

「ちょうどひと息つくところだから大丈夫。どうしたの?」

「実は、リシェに聞きたいことがありまして……」 


 ドワーフの洞窟でのことを話すと、リシェは黙ったまま聞いていた。

 表情もあまり動かなかったが、触れていると小さな変化でも伝わってくる。

 きっと知っていたのだと思う。



「……バドゥ爺に気に入られたね。あの人は大地への向き合い方がずっと変わらない。大地を信じて任せる。余程ルティナたちに心が動いたんだ」

「……でも、壊れたものは戻りません。……リシェは、その人たちに心当たりがありますか?」


 リシェは目を伏せたまま黙っている。

 感情は動いていた。

 でも、何か言えない理由があるのだろうか。


 話が聞こえていたのか、裏からザハルが出てきて、リシェの肩に手を置いた。


「リシェ、言っても構わんぞ。うちは別にあいつらの下で働いているわけじゃない。あそこの仕事がなくなったところで変わらん。思った通り、あいつらがなんかやってたってだけだ」


 身体が縮まった。

 考えてみれば、同じ石を扱う商売をしているのなら、繋がりがあってもおかしくない。

 リシェに言いにくいことがあったとしても当然だ。


「リシェ、ごめんなさい。無理しないで下さい。レイラン様も調べると言っていましたから……」

「ううん、いい。父さんとも変だって話してたことだから」


 ザハルも店に置いてあった椅子に座り、腕を組んだ。


「うちの店で、たまに大きな店の仕事を引き受けることがある。だいたいが使い切りの魔導鉱石の加工なんだけど、この前引き受けたときに持って来た魔導鉱石が、いつもよりも質が良いものだったんだ」

「質が良いものは少ないのですか?」

「少ないというより、加工が難しくてできる人が限られる。ほとんどは、ドワーフが加工まで済ませて王都に売りに来る。質が良いと、何度も充填して使える魔導石になるから、値が高く付くんだ」


 ルティナは、根まで破壊された鉱脈が頭に浮かんだ。

 値が付くからわざわざ掘りに行ったのだろうか。

 でも、なぜ突然そんなことを始めたのだろう。


「今までは一度もなかったのですか?」

「うちでは初めてだった。手に入れてもあの店の職人じゃ扱えないと思う」

「……ではなぜ……わざわざ」


 ザハルが床を踏みつけて立ち上がった。


「魔法だよ。あいつらはもともと、魔法を使って鉱石を掘っていたんだ。ドワーフたちと違って、鉱脈がどこにあるかなんてわかりゃしないんだ。だから、それらしいところを手当たり次第に魔法で掘る。その方が速いし採掘用の大掛かりな魔道具もいらんからな」


 吐き捨てるように、ザハルは声を荒げた。


「石を扱う職人なら、皆同じに腹を立てるさ。そんなことをしたらその後どうなるかなんてあいつらには関係ないんだ。禁止されているわけでもないし、暗黙の了解みたいになってたんだ。だが、最近それが大っぴらに出来なくなった。手っ取り早く稼ぐ方法を考えたんだろうさ」

「自然物に対する魔法使用が禁止されたから……」


 確か、その法律が施行されたのは最近だったはずだ。

 ドワーフとの揉めや水の濁りも、時期的に合う。


「そう。鉱脈が探せなくても手軽に採掘出来ていたのは、魔法が使えたから。大掛かりな採掘をするなら、それなりの設備も、鉱脈を探せる人も必要。うちにも声がかかったけど、父さんが断った」

「あの魔導鉱石のあとだったからな。受ける気になれんかった」


 ザハルもリシェも、本気で腹を立てている。

 変な言い方だが、彼らが怒っているのが嬉しかった。

 ドワーフのように考える人が、ここにいる。

 

「お嬢、ありがとな。ドワーフとは長い付き合いで、いい飲み仲間なんだ。バドゥ爺に気に入られるなんて、さすがお嬢だよ」


 豪快な笑い声を店に響かせた。

 その後、ザハルは真顔に戻って声を鎮めた。


「で、後ろに立ってるあんた。この商家の名前をお嬢に聞かせても大丈夫なのか?」


 ザハルの目は、ルティナの後ろに控えていたセラを向いていた。

 セラは、声を掛けられて驚いたようだった。


「お気遣いありがたく存じます。ご心配には及びません。ユアン様とレイラン様が動かれると思いますので」

「あの2人か……まぁ、若い割に肝は座ってるように見えたが……でかい商家だぞ? 大丈夫か?」


 セラは眉をぴくっと動かして一瞬考え、言葉を繋げる。


「あの方たちは、アベリス家のご子息です。商家程度ではどうともなりません」


 ザハルの顔が大げさに歪み、そのあと、ニヤッと片方の口が引き上がる。

 

「いいじゃねぇか。面白くなってきた」

「父さん、なんでそんなに嬉しそうなの……」

「あいつらがどんな顔するのか、見てみたいだろ?」

「……まぁ、確かに……」


 リシェまでも、顔が緩んでいる。

 

 ザハルはうっすらと笑みを浮かべた。



「ラウデンだ」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ