蒼の季 向夏-04.地輪
ドトムについて、洞窟の奥へ向かう。
洞窟の内部は、一体どれだけの広さがあるのか。
街の付近は整備されているが、細く伸びた脇道には魔導灯が掛けてあるだけのようだ。
「随分広いんだな」
レイランの声に反応して、ドトムがくるりと振り向く。
「街がある場所から、こういう脇道がたくさん続いているよ。鉱石が枯れないように、休ませながら採掘するんだ。結構入り組んでるから、はぐれないでね。はぐれたら歩き回らず、壁を叩いていてくれれば音を辿って探せるから」
「ドワーフは耳がいいんだな」
「耳……っていうより、石や鉱石から伝わる振動が分かるんだ」
リシェは、振動が音に聞こえるのだと思う。
同じ振動を、ドワーフはそのまま感じている。
自然と共に生きる種族は、生き方に合った感覚が育つということだ。
ドリアードは木や森の声を聴き、ドワーフは石や鉱石の振動を感じる。
精霊族は霊素と巡りを感じる。
大地の在り方、森の成り立ち、それを理解し寄り添う。
そういう人たちとの対話で、理解されないことが少ないのは、根底に似たようなものを持っているからだと思う。
人間は自然から距離を置いたせいで、その感覚が閉じてしまったのだろうか。
「レイランは感じそうだけどな……」
「え……?」
「レイランって、火の人でしょ?」
「ああ、火の魔法を使うよ」
「なのに、最初分かんなかったんだ。身体にある魔素からは、あんまり火を感じない。さっき一瞬すごく怒ったときに、ぶわって赤くなってたから分かったけど。そこまで完璧に制御できる人……っていうか、制御する人ってなかなかいないと思う」
ドトムの言葉を聞いて、レイランの魔素を視てみる。
確かにその通りだ。
ドトムの魔素は深い黄色をしている。
イアムは透けるような藍色だ。
思い浮かべると、ウィランもアルヴィンもミオルもロイも、皆それぞれ自分の色を持っている。
セラの魔素は灰色で不思議だったが、彼女は魔法を使わないと言っていた。
でも、レイランの魔素からはほぼ色を感じない。
「制御……の問題なのか……?」
「違うの?」
「どうだろう……あまり意識したことがないな……」
「……じゃあ、そういう体質なのかなぁ? でも、すごく純粋で綺麗な魔素だよ! 自然そのものみたい」
ニオもそんなことを言っていた気がする。
レイランが異種族から信頼される理由は、これもあるのかもしれない。
「着いたよ……」
そこは、水に落ちる水滴の音だけが反響する場所だった。
壁から染み出す水が壁を流れ、地面のくぼみに溜まっている。
陰が強い。
深い森の奥のようだ。
フウがじっと一点を見つめる。
視線の先に、黄色い2つの目が光る。
薄暗い水場で、一瞬見分けがつかなかった。
黒に近い毛色のせいだけではなさそうだ。
周りの岩……いや、この洞窟に溶け込んでいる。
バドゥよりももっと、この洞窟が生き物になったような存在に思えた。
水から離れた一番奥で、身体を丸めたまま目だけを動かしている。
見た目は、少し大きな猫のようだ。
「あそこにいるのがチノワだよ。やっぱり、レイランたちは大丈夫みたいだ」
ドトムは足音を小さくしてチノワの方に行く。
「水場を調べるんだよね? 僕が側にいるから、大丈夫だよ」
「ありがとう。なるべく早く済ませるから」
レイランはイアムと共に水場を調べ始めた。
フウは遠回りをしながら、少しずつチノワへ近付いていく。
チノワを脅えさせないように、自分に敵意がないことを示している。
丸い目を大きく開いて、チノワはフウの姿を追う。
「お前も気にしてくれるのか? 大丈夫だからおいで」
ドトムが呼びかけると、フウはゆっくりと匂いを嗅ぎながら寄っていく。
手前で止まり、優しく尾を振り風を送った。
チノワを回るような静かな風が届くと、丸い目を僅かに細めた。
身体に巻き付けていた尾をふるふると揺らすと、丸みを帯びた尾の先端が青白い光を放つ。
それが彼らの合図のようだった。
フウはチノワに鼻先を寄せ、彼なりの挨拶をしたようだ。
遠慮がちに匂いを嗅ぐフウは、片方の前足だけが浮いてしまっている。
落ち着いているチノワに、おどおどしたフウの様子が微笑ましい。
フウはチノワの身体を確かめるように見つめたあと、こちらを振り返った。
「わたしも近付いて大丈夫でしょうか……?」
「きっと大丈夫。すごく落ち着いているから」
足音を立てないように、静かにチノワに近付く。
尾をふるふると揺らすと、確かに霊素が動く。
反応しているのは、陰の霊素だ。
この場所の濃い陰は、水場ではなくこの子のものだ。
チノワの身体を視ると、身体の中に陰が満ちている。
霊核のようなものは持っていない。
もう少し深く探ってみると、チノワが休んでいる真下あたりだろうか。
霊素がゆっくりと動くのを感じる。
地下にある霊素の流れだ。
チノワが自分と重なった。
自分が傷を負うと、身体の巡りが極端に静かになる。
身体を休めて癒そうとするのだと思う。
冬眠のようなものだ。
チノワもきっと、同じことをしている。
動かず、食べず、水だけを飲んで癒えるのを待っている。
「少しだけ、触れさせてくださいね」
ルティナは目を閉じて、チノワの身体の巡りを確かめる。
チノワ自身の気素の流れは、とてもゆっくりだ。
身体を満たしている霊素は自身で集めたものだろうか。
こんなことができる魔獣を見たことがない。
霊獣という言葉を聞いて、アッシュガゼルとアンバーガゼルが思い浮かんだ。
彼らは魔素に適性を持たず、能力は霊素に由来していた。
それでも、自分で霊素を集めるようなことはない。
これはルティナやユアンに近い能力だと思う。
お腹の辺りに、霊素が濃く集まっている所がある。
ここが痛めた部分だろうか。
視る限り、身体はもうほぼ治っている。
だが……
身体の中にある、濃い霊素が気になる。
これは自然に散るものだろうか。
「ドトム、この子がけがをしてから、どのくらい経っていますか?」
「そろそろ10日くらいかな」
「この子は何か食べているでしょうか」
「あまり……食べていないと思う」
10日何も食べていないとなると、そろそろ体力が心配だ。
チノワの霊素は陰だ。
陰の調律は負担が大きい。
このくらいなら大丈夫だと思うが……
考えていると、ずっと横たわっていたチノワが立ち上がった。
隣で伏せていたフウの前足に身体を寄せ、間に座り直した。
フウもそれを受け入れて、じっと座っている。
「ははっ、仲良くなったのかな」
ドトムが嬉しそうに笑う。
「この……石飾りだと思います……」
「石……? あ、これリシェ姉が買って行った不思議な石だね!」
「はい、これは……陰陽は分かりますか?」
「うん、僕たちには分からない、チノワが見つける巡りの石でしょう?」
「そうです。チノワは陰が強い子で、この石は陽が宿った石なんです」
「反対ってこと?」
「チノワが少し寒いのを、この石が温めてくれるんです」
「気持ちいいってことなんだね」
ドトムの眼差しは、とても優しい。
彼にとって、とても大切な存在なのが伝わる。
チノワは目を閉じ、しばらく眠りにつくようだ。
「フウ、しばらくそのままで休ませてあげてくれる?」
そのつもりだと言うように、尾を揺らしながらチノワの身体に頭を寄せた。
「僕、何かチノワが食べられるものを取って来るよ。すぐに戻るから!」
チノワが眠ったのを見て、ドトムは水場から走って行った。
その後ろ姿が弾んでいるのが、何よりも嬉しかった。
ドトムは、器を両手で大事そうに持って戻って来た。
人肌に温めた山羊のミルクに、ちぎったパンを浸してあった。
しばらく食べていなかったとしても、これなら負担も少ない。
「まだ起きそうもないね。これだけ置いて、チノワが守っていたところに案内するよ」
「フウは……ここにいる?」
ルティナの方に耳を向けているが、動く気配はない。
フウがここにいてくれるなら安心だ。
「これはチノワのご飯だから、食べちゃだめよ?」
「フウの分も持ってくれば良かった! ……半分なら食べてもいいよ。チノワはそんなに食べないと思うから」
言われたことが分かったのか、ドトムに優しい風を送った。
「じゃあ、行きましょうか」
来た道を戻り、街の中を抜け、街に降りて来た階段を上ってすぐ。
細い分かれ道を進むと、足に微かな違和感を感じた。
歩くごとに、足だけに伝わっていた振動が、身体の芯に届き始める。
石から感じる振動に似ている。
でも、それよりも遥かに強く身体に響く。
この奥が、特別な場所であることを身体が直に感じている。
「……ここだよ」
ドトムが足を止めたのは、細い道の途中だった。
そのすぐ奥から、強い振動は漏れだしている。
「この奥は……?」
「僕が掘っていた鉱脈がある……」
チノワは、この先へ進ませたくなかったのだろう。
鉱脈と母層と……ドトムがいたからだ。
「奥に行ってみてもいいかい?」
レイランもきっと感じている。
ドトムは小さく頷いた。
奥は、酷い有様だった。
今まで通った道でも、ドワーフが掘っている鉱脈をいくつか見かけた。
壁から突き出している半透明の結晶が、この洞窟で採掘される魔導鉱石だ。
一般的な魔導石は、この鉱石を加工して作られる。
皆手作業で、丁寧に、慎重に作業しているのが伝わってきた。
どの採掘跡も同じように、鉱脈の根が残されていた。
だが、そこにあったのは、ただ目に見えた鉱石を破壊しただけの光景だった。
壁にはいくつも大きな穴が開き、地面には鉱石と岩の破片が散らばっている。
壁の壊れ方を見ると、魔法が使われたのが分かる。
鉱脈の根など、どこにもない。
壁からは濃い魔素を感じる。
意識を集中して感覚を広げると、壁の奥に魔素の層があるのが分かる。
魔素に動きは感じない。
壁の中に、魔素が定着した層が帯のように伸びている。
「これが……母層……」
ドトムが隣に来て、そっと壁に手を置いた。
目を背けたいはずだ。
ドワーフにとって、この洞窟すべてが、大切に守り共に生きてきた場所。
ルティナにとってのエンの森だ。
感情が蘇る。
エンの森が傷付けられたときの、何かが音を立てて崩れていく感覚。
心が空洞になって、そこにあるのは怒りではなく虚無感だった。
「母層が残っていれば……この鉱脈は戻りますか……?」
「……いつかは……でも、同じものにはならない。新しく生まれる。僕は……見られないと思うけど」
胸の奥が打ち付けられる。
人と自然の時の流れは、同じではない。
「魔法の痕跡があります。とても淡いものなので写し取れるか微妙なところですが、やっておきましょう」
イアムは変わらぬペースでやるべきことを進める。
ルティナはもちろん、レイランもすぐには動けないでいた。
身体の中心に力を込めて、ルティナは深く呼吸をする。
そうだ。
時間は戻らない。
「ここはとても魔素が濃いような気がするのですが……これはいつも通りでしょうか?」
「ヒトがここに来たあと、とても濃くなったよ。魔素は、母層に少しずつ溜まっていくんだ。でも多分、どこかの魔脈から漏れているんだと思う」
「それは……大丈夫なのですか?」
「分からない。自然に戻ることもあるし、魔脈が消えることもある。岩の中の魔脈は一定じゃないんだ。ただ……」
「このままだと、魔素溜まりができてしまうかもしれません」
レイランが言葉を繋いだ。
それは、ルティナも感じたことだ。
このまま漏れ続ければ、きっといずれ限界を超える。
そうなれば、母層にも影響が出てしまうかもしれない。
心を鎮めて、感覚を研いでいく。
感情が昂った後の方が、不思議と感覚が研ぎ澄まされる気がする。
感知できる範囲は、森とは比べようもないほど狭い。
この場所への理解が、全然足りていない。
岩肌に触れても、感じられる範囲はそれほど変わらない。
「ドトムには、それがどこなのかは分かりませんか?」
「ごめん、分からない。母層の魔素も魔脈の魔素も、僕には同じに感じるんだ」
「そうですか……」
「爺さまは……自然に任せろって言ってた。不用意に触って、巡り全体に影響が出たら取り返しがつかないからって。僕もそれはその通りだと思う」
ドトムは、諦めたような寂しげな目で、崩れた壁にある根を見つめた。
まだ小さな子供が、こんな表情をしているのを見ていることしかできない。
「でも……ここは、僕が初めて任された鉱脈なんだ。爺さまから引き継いで、こんなことになっちゃって」
「ドトムのせいじゃないだろ」
レイランは、ドトムの側で視線を低くする。
「分かってるけど……! 守りたかった」
ドトムの声が、洞窟の壁に染み込んで伝わる。
魔素が震え、地面も震えたような気がした。
不意に背中から風を感じて振り返る。
フウと、足元にはチノワがいた。
丸い目をぱっちりと開いて、黒い毛並みには先ほどまでは無かった模様が浮かび上がっている。
黄色く光る模様は、木の根のように背中から全身に伸びる。
「チノワ! 動けるようになったんだね」
ドトムの足に身体を添わせてひと回りし、気持ちよさそうに伸びをした。
身体を視ると、濃く集まっていた霊素はかなり薄くなったようだ。
ひとしきり撫でてもらった後、チノワはルティナの足元に来た。
身体を寄せて、ルティナの足に尾を巻きつける。
――景色が流れ込む。
洞窟の中、岩壁の奥まで、そこに在るものが透けて見えるようだ。
帯状に続く層が母層。
そこから細かく枝分かれしている魔脈。
添うように流れているのが水脈。
それらと交差しながら、大きくうねる地中の川は霊脈だ。
これが、チノワが感じるこの洞窟の姿だ。
「ここ……この奥に、魔脈から魔素が漏れている場所があります」
ちょうど鉱脈の根があった場所の奥だ。
水脈と魔脈が近い。
もしかしたら、今も水には魔素が入り込んでいるのかもしれない。
「ルティナ様には分かるのですか?」
「チノワが……見せてくれました……」
「チノワが!?」
「ええ、チノワには……この洞窟全部が分かっているのですね」
「やっぱり! チノワはすごいんだよ! ずっとこの洞窟を守ってるんだから!」
ドトムは頬を真っ赤にして、興奮しながら声を高くする。
「水脈もその奥にあります。おそらく、この水脈に魔素が流れ込んでいるんだと思います」
イアムが確認するように感覚を研ぎ、小さく頷いた。
「ありますね。そこまで深くはないようです。壁から15歩程度でしょうか」
「15歩……壁の中だと……どうしようもありませんね」
レイランが、壁に触れて目を閉じた。
身体の魔素が巡る。
色付いていないままの魔素が巡ると、レイランが世界の魔素と同化しているように見えた。
「ドトム、地魔法で亀裂を塞いだりは出来ないかな」
ドトムは壁に触れて、首を横に振る。
「……僕だと無理だと思う……なんとなくしか場所が分からないし、多分魔法も届かない」
「そうか……遠いよな」
「でも、爺さまなら……! きっとできるよ! 僕呼んで来る!」
ドトムの思いはまっすぐに伝わる。
駆け出した彼の背中を、全員が目で追っていた。
ドトムに後ろから押されて、バドゥがゆっくりと歩いてきた。
バドゥのどっしりした重そうな身体を、必死に押している様子がいじらしい。
「爺さま、ここ! ここの壁の奥だって!」
眉間に皺を寄せ、ちらりとチノワに目をやったバドゥは、言われるままに壁に手を置く。
寄せていた眉がぴくりと動いた。
目を開けて、じっと何かを考えている。
「……感じることはできる。だが、確実に亀裂だけを塞ぐのは至難の業だ。水脈や魔脈を塞いでしまったら、ここ一帯が閉じてしまう」
「爺さまならできるよ! 絶対できるでしょ!?」
「……できるかもしれん。だが、失敗するかもしれん」
ドトムは、強くなったバドゥの声に、次の言葉を飲み込んだ。
唇を真一文字に結んで、バドゥの服をぎゅっと掴む。
「バドゥ様、チノワが見せてくれた限りでは……この位置からまっすぐであれば、他のものに触れることは無いはずです。それでも、難しいでしょうか……?」
「位置は分かる。儂の魔法の問題だ。緻密に加工するのと違って、奥に伸ばすのはそれなりの出力がいる。その出力のまま制御するのは難しい」
ドワーフは採掘に魔法を使っていなかった。
細かい作業はやり慣れているが、強い力で魔法を使うことが少ないのだろう。
バドゥの体内の魔素は、その密度が高いままゆっくりと巡っている。
これを一気に使うと、壁にも負担がかかりそうだ。
「バドゥ殿、このままにしておくと、近いうちにここは魔素溜まりになります。そうなれば、我々は浄化する以外なくなります。……どちらにせよ、魔素溜まりになって魔素が濁れば、母層に影響するのではないでしょうか」
レイランの言葉には、たくさんの思いが滲んでいた。
元はと言えば、これは人の行いによるものだ。
ドワーフは何も悪くない。
例えそうであったとしても、国として放置することは難しい。
「爺さま、このままにしておいても、ここはだめになっちゃうよ。だったら……チノワだって、何とかして欲しいから教えてくれたんだよ!」
バドゥにしがみついたまま、叫ぶように願う。
その声が洞窟に反響し返ってくる。
「……魔素が流れ続けているなら、再び起こる可能性を考えると……元を絶つという判断がなされる可能性もありますね。……場の浄化は大仕事なのです。お力を貸していただけると助かるのですが……」
イアムは相変わらず淡々と事実を話す。
だが、その言葉には、確かに彼の思いがあった。
冷静であるだけで、何も感じない人ではない。
「助けられるなら、助けろと言ったのは……儂だな。うまいことを言うな」
バドゥの瞳が、光を湛えた。
一度ぐっと手を握って、ふっと力を抜く。
バドゥの魔素が巡りを速めていく。
粒が分からないほど密に詰まった魔素が身体の中を巡ると、それは1本の線のように見える。
大きな手のひらに、深い茶色の魔素が集まる。
壁に手を押し当てて、目を閉じた。
陣などなかった。
そこら中にある魔素が、一斉にバドゥに寄り添う。
壁の中へ放たれた魔法は、細い線となってまっすぐに伸びていく。
足元から振動が伝う。
この震えは、バドゥの心の震えだと思った。
理性で抑えていただけで、感情が消えることはない。
理解されないことを受け入れたとしても、彼だって苦しかったはずだ。
チノワが、バドゥの足に身体を寄せた。
何かをじっと待ってから、ひと声、鈴のような声で鳴いた。
バドゥは壁から手を放す。
チノワはバドゥを見上げて、もう一度、さっきよりも大きな声で鳴いた。
その声は洞窟の中へ、涼しげに響き渡った。




