誤算
そろそろ主要メンバーがあつまりそう
「反撃開始でござるよ!」
山下はこのお話の中でしか見たことないような妙にメルヘンチックな光線銃のようなものを見る。
自分の異能力”全対応”は全く使い方のわからないものでも直感的に理解することができる。
この光線銃のようなものの使い方は自分がよく知っている銃と大きな違いはないようだ。
「隊員の諸君!いまくーちゃんから強力な武器を頂いたのでござる!これがあればなんの心配もいらないのでござる!」
隊員から歓喜の声が上がる。
隊長の山下は手近にいるゾンビに標準を絞り、撃つ。
撃つと銃の横についているメーターが少し増えた。
(なるほど、この横のメーターがこの銃の耐久値か、それとも時間がたてばゲージが減っていき再び撃てるようになるのか…どっちにしてもゲームオタクでもある僕にとってより有利な状況でござるね!)
撃たれたゾンビは激しい痙攣を起こして倒れる。
(すごい威力でござる。さすがくーちゃん)
驚きながらくーちゃんを見る。
くーちゃんも驚いた顔をしている。
(やっぱり僕のこの順応力に驚いているのでござるね!)
しかし、山下の考えていたこととは全く違う答えが返ってくる。
「え…?なんであの悪い人に使っちゃうの…?」
「え?ってなんでござるか!?だって銃は相手にうつものでござろう!?しかも見るでござる!もうピクピクでござるよ?」
「頑張っているみんなに撃つと思って…パワーアップできるような思いを込めて創ったの…」
「パワーアップでござるか…?」
慌ててピクピクになっているゾンビを見る。
さっきまで生まれたての小鹿だったようなゾンビの筋肉が少し異常と思えるほど肥大していく。
「や、やばいでござるよ!さっきまでと様子がまるで違うでござる!っていうかこれを隊員に撃ってもおかしなことになるんじゃないでござるか?」
「あのね、たーたんがいないと私…うまく力が使えないの…」
「なんでそれをいわないでござるか!?遅いでござるよ!」
「言いたかったんだけど…」
これ以上くーちゃんを責めるのは止めておく。懐の小ささを見せることは後の関係に響くと考えたからだ。
(しかしまずいでござる…唯でさえピンチだったのによりまずい状況になってしまったでござる)
筋肉が肥大したゾンビはでたらめに手を揺らしながら近づいてくる。
隊員はなによりくーちゃんを守るために全力で前に出る。
振り回された手にあたり壁に打ち付けられる。死んではないようだが気絶してうごけない。そしてそれを助ける余裕もない。
(すまんでござる、大谷…お前を助けることはできない…でもくーちゃんを守るためのその勇姿絶対に忘れないでござる!)
そう心で考える山下。
彼の犠牲を無駄にしないためにすぐに屋上を目指そうとする。
しかし山下は全く想像していなかったことが起きる。
「大丈夫!?大谷君!」
くーちゃんは大谷に向かって走り出す。
「くーちゃん!なにやってるでござるか!?」
「大谷君いま動いてないよ!助けなきゃ!」
声に反応したのか筋肉ゾンビはくーちゃんに向かって進み始める。
「くーちゃん!早く逃げるでござる!」
山下は慌ててくーちゃんに向かって走りながら声をかける。しかし、間に合わない。
「宗助!力を使うぞ!」
「わかった」
どこかで声が聞こえた。
すると次の瞬間周りのゾンビたちの首がおかしな方向に曲がった。




