親衛隊
オタクって個人的にはゾンビと能力ものを組み合わせたら発生するあるあるだと思う
「くーちゃん!危ないから離れて!ぐあああぁぁぁあああぁぁあぁぁああ」
一人の少女を助けようとしたピンク色のハッピを着た男性生徒がゾンビに噛まれる。
「大久保おおおおおぉぉ!お前はよくやったよ…よくくーちゃんを守った!」
いま男性生徒の壁でゾンビから一人の女子生徒を守っている。
彼らはちーちゃん親衛隊だ。そして今噛まれたのは親衛隊の幹部の一人、大久保だ。
体育館から逃げた後親衛隊は自分の命よりくーちゃんの心配をしていた。そして現状からくーちゃんを守るために皆集まっているのだ。
「ちーちゃん、ここはゾンビが多すぎるでござる!とりあえず上に逃げましょうぞ!!」
ござる口調が特徴の親衛隊隊長、山下はピンクのハッピにくーちゃんラブと書かれたハチマキをつけている。
くーちゃんは不満そうな顔をしているがここは大人しく山下の指示に従う。
現在起きている状況を映画オタクでもある山下はこう想像する。
(これはどう考えてもパンデミックでござる!きっと国が密かに開発していた無限に戦える兵士を作り出すウイルスが何かの間違えで漏れたのでござる!きっとこの危機をくーちゃんとのりきれば…きっと、グフフフフ。夢が広がるでござるなぁ)
日々学校がゾンビに襲われている妄想をしている彼にとってこれは夢にまで見た状況だった。
団員の一人が叫ぶ。
「隊長!この階もゾンビだらけです!どうしますか?」
「屋上を目指すでござる!屋上で鍵を閉めてしばらく閉じこもるでござるよ。そして救助を待つのでござる」
親衛隊から了解の声が聞こえる。
(みてるでござるかくーちゃん!きっと僕の指導力に惚れちゃってもいいのでござるよ?)
ちーちゃんは心配なのか周りをきょろきょろしている。
(心配なのでござろうなぁ。ここは拙者が…)
山下は自分が出せる一番かっこいい声をイメージしてくーちゃんに話しかける。
「ちーちゃん、心配はいらないのでほしいのでござる。くーちゃんは僕や隊員の皆が絶対守るのでござるよ!」
「う…うん。あのね、たーたんがいないの…」
「たーたんってあの熊のぬいぐるみでござるか?今はそんな余裕ないのでござるよ!」
「でも、あれがないと…」
「頼むでござる!いまぬいぐるみごときを探す時間なんかないでござる!」
現状は悪い方向に向かっていっている。
ゾンビの数は多く、隊員たちも少しずつ減っていっている。しかもくーちゃんを守りながら進んでいるために移動スピードは遅い。
(どうするでござる…このままでは全滅でござる…隊員たちに強い異能力もちはいないでござるし…)
山下は周りを見渡す。
(いや?このまま数が減っていけばうまくいけばくーちゃんと二人きりになれるかもですぞ…)
下種の考えが山下を包む。
(そうでござる。こいつら親衛隊は今さえ乗り切ればもう邪魔者でござる)
「そうだ!くーちゃん!くーちゃんの力で何か銃を創ってほしいのでござる!拙者の異能力は”全対応”どんなものでも使いこなせるでござる!」
「でも、たーたんがいないと…」
「ターザンだかチータンだかしらないでござるけどそんなの後で僕が買ってあげるでござる!早くするでござる!」
「ひっ…」
山下の気迫に押されたくーちゃんは銃を創りだす。
「なんだか未来の光線銃みたいな見た目でござるね」
「だって…銃ってよくわからないし…」
「まあいいでござる。反撃開始でござるよ!」
満面の笑みで山下は言う。




