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ミュータントオブザデッド  作者: ガガリオン
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脱出

 「みなさん、こんにちは。今回急に集まってもらった理由、なんとなくわかっている人もいるかもしれません。いまこの学校の近くで集団暴行事件が起きています。とりあえずの対抗策として今校門を閉じて学校を閉鎖状態にしています。そうすれば一般人にはこの学校に侵入することは不可能なはずです」


体育館に集まった僕たちに校長先生は現状を教えてくれる。

 不思議と校長先生の言ったことは納得するし落ち着きも覚える。恐らく長年培った教師としての威厳がそうさせるのであろう。


 「よかった。とりあえずは安心かな?この学校の囲いは異能力者でも簡単には壊せないし、騒ぎが収まるまでおとなしくしていればいいね」


 僕はマナトに話しかける。


 「うん。そうだね…」


 マナトは少し不安そうな返答をする。


 「どうしたのよ?そんな不安そうな顔して。この学校は一旦閉じちゃえば外から入るなんて例えランクAにも無理よ」


 綾香が僕たちの会話に入って答えてきた。

 マナトは何を心配しているのだろう?校長が校門を閉めたといえばきっとそうなのだろう。

 その疑問が顔に出てしまったのか、マナトはその答えを教えてくれた。


 「だっておかしくないか?ここらへんにある特別なものなんてこの学校を除いたら何がある?」

 「まぁそうだけど、ここは異能力者があつまる学校で警備はかなり厳重よ?そんなところにわざわざ何かする?やっぱり事件がおきた付近で何か目的があったんでしょ?」


 綾香は答える。

 僕もそう思う。この学校を狙うなんて意味ないし無駄じゃないか?


 「確かにそうだけど…僕もちょっと心配なだけなんだ。普通なら宗助や綾香の言うことは間違いないけど、もし…もし最初からこの学校が狙いだったら?」

 「考えすぎよ。マナトは頭いいからそう考えちゃうかもしれないけどありえないって。まあいざとなった宗助がなんとかしてくれるって。ね?宗助?」

 「無理だって。しかも力なら綾香のほうが強いだろ?」

 「え?今なんて?」


 綾香に目が笑っていない笑顔で言われへんなことを言うのはやめる。


 「まかせて。綾香は絶対に守るよ」

 「よろしい」


 満面の笑みで上機嫌になる綾香。こいつ普段からこんな風に笑っていたら可愛げがあるのに。


 「そうか…そうだよな考えすぎだったかもな」


 まだ不安そうか感じはするがマナトは話を終わらせた。実際になにもなければそれでいい。暴動が治まるまでここでおとなしくしていればいいんだ。

 

 「そして、現状は安全と思われる校内ですがもし不審者が校内に侵入し、みなさんに何かをしたとき今回に限っては国から許可をもらいました。一般人に対して異能力を使うことを許可します」


 周りはみんなこの言葉に動揺を隠せない。

 マナトが異能力を使えば人なんて簡単に殺すことができる。

 綾香だってパンチ一発で食らった人はもう立ち上がらないだろう。

 僕だって誰かのコピーした力で人が死にかねない。

 それを許可するってことはそれほどのことなのか?

 一般人に異能力を使うことは法律で禁止されているし、毎日のように校長もダメだといっていた。

 

 「皆さんの動揺する気持ちもわかります。皆さん異能力者が一般人に向けて異能力を使うともしかしたら今後に大きな障害を残してしまうことになるのかもしれません。それでも、そこまでしても皆さんを守らなければならないと判断しました。ただ気をつけてください。皆さんの……」


 バン!バン!バン!


 校長の言葉は体育館の扉を叩く音で中断される。

 この状況であまりに必死に扉を叩く様子は恐怖そのものだった。そして、その扉の窓に叩きすぎか血が付着したときには全員がパニック寸前になる。

 

 「みなさん慌てないでください。彼らは音に反応しています。ここで騒げば彼らはここに集まってしまいます。裏口から安全に脱出できます。みなさん慌てないでください」


 パニック寸前の生徒たちは落ち着きを取り戻し校長の指示に従い裏口を目指す。

 僕たちもその流れに乗ろうとするとマナトに服をつかまれ引き止められる。

 

 「どうしたマナト!早く行こう。さっきの扉を叩いていたのって例の集団暴動事件の犯人かもしれないだろ?」

 「待て!もしあんな狭い出口に皆が一斉に詰め掛けたら怪我どころじゃすまないだろ?」

 「じゃあどうするんだ!?ここにいてもし扉をやぶられたら危険だぞ!?」

 「僕の力を使う!綾子もこっちへ!」

 

 マナトが異能力を発動させる。

 すると、僕たちの体が宙に浮く。

 

 「二階の窓から出よう!」


 二階の人が乗るスペースまで三人は移動する。

 移動した瞬間体育館の入り口を叩いていた音が明らかに大きくなり、扉を見てみると少しひしゃげていた。

 生徒から悲鳴があがる。

 何度も何度も今までより大きい扉を叩く音が鳴り響く。


 「大丈夫です。この扉はそう簡単に壊すことができません。皆さんが脱出する時間は十分にあります。だから落ち着いてください」


 ざわつきは減ったがついに先頭にいた生徒がパニックを起こしてしまったようだ。

 皆が一斉に出口を目指して駆け出していく。


 「僕たちもいこう。綾香降りるときは頼む」

 「オーケー。任せて」


 綾香の両脇に挟まれた僕達は地面に降りる。

 二人の協力で体育館の二階から脱出する。

 裏口はまだパニックになっている。

 僕達は走り出す。

 

 

 「マナトどこに向かう?どうやったかはわからないけど校内にもう犯人達はもう侵入しているみたいだ」

 「学校から出たいところだけど一旦この事件の規模がどれほどか知りたい。屋上にいって様子をみよう」

 「私はマナトについていくわよ。こんなかで一番頼りになるのはマナトだしね」

 「わるかったな。僕はマナト様や綾香様にはかなわないですよ。」

 「せいぜい感謝しなさいよ」

 「へいへい」


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