避難地 1
「大丈夫。綾香は僕が守るよ。だから安心して」
「宗助…ありがとう。私宗助のことが好き」
「僕も綾香が好きだよ」
抱きしめあう二人。もう二度と離れまいと力を込めるが、首もとに何か感触を感じる。
何をされたかはわからない。が、足に力が入らない。背中から受身もとれずに倒れこむ。
まだ立っている宗助の口に血が付いている。首を手で撫でてみると血が止まらずに溢れ出でとまらない。
私を無表情で見下ろす彼は膝を曲げ組み付きながら咀嚼を始める。
やめて、宗助!どうしてこんなことするの!宗助!
「宗助!」
「うおっ!びっくりした!」
叫びながら布団から身を起こす綾香が最初に目に入ったのは今まで見た事のない男だった。
「夢か…」
寝起きのぼんやりとした意識が覚醒していき、今いた見覚えのない男への警戒心が湧き出てくる。
「あなたは誰!?」
「うおっ!急に大声出さないでよ。…ええと、俺は怪しいものじゃない…よ?」
「怪しいやつが自分で怪しいですって言うわけないじゃない!」
綾香が声を張り上げていると、部屋の奥からさらに二人の男が様子を見にやってくる。
男三人でも綾香の異能力を使えば負けることはない。
どうやってこの三人を片付けようかと考えていると、聞いた事のある声が聞こえた。
「大丈夫だよ!井上さん!この人たちは悪い人たちじゃないと思うよ」
「西ヶ野さん!?どうしてここにいるの?」
「バスで学校から出たときの事故で気絶していたの。そしたらこの人たちがきて井上さんを助けてくれたんだよ」
たしかに確認すれば治療したようなあとがあることに気付く。
それに便乗して自分たちの潔白を証明しようと彼らは言葉を紡ぐ。
「ど、どうやら勘違いしていたみたい。手当てもしてくれたみたいだし…ごめんなさい」
「いいよ。いいよ。いきなりで驚くのも当然だと思うよ」
笑顔で答える男と、綾香の見えないところに移動した二人の男のより深い笑顔が重なった。
パニック物の新キャラは全員怪しい法則




