小雪 那津実の目的 2
この話はめちゃくちゃ書いてて楽しかった
「梁瀬先生。先生は今まで私に責任を取るって言葉何回言ったのか覚えていますか?」
「え?」
痛みといきなりの質問にうまく答えることができない。
小雪はため息を吐いた後、梁瀬の痛みがある程度収まるまでまち、もう一度同じ質問をする。
「先生は今まで責任を取るって言葉何回言ったのか覚えていますか?」
「な、なにをいってるんだ那津実君…?」
「まあ覚えているはずないですよね。これ先生の口癖なんですよ。いつも私とやるときに言うんです」
そういわれても、梁瀬には心当たりがない。完全に無意識で言っていた。
「先生に本当に責任を取る気があったのかは知らないですけど、不思議に思ったことありませんか?どうして私があれだけやって妊娠しないのかって」
疑問を持ったことはあったが、そんなことを考えるのはとうの前に放棄していた。
「私多分不妊症じゃないですよ?先生の汚い精子を殺してるんですよ。私の異能力覚えていますか?”酸使い”。初めはなんの約にも立たないと思ってましたけど、意味がありましたね。一匹残らず殺すのは正直言って最初は苦痛でした。なんたってランクCですから、でも先生の赤ちゃんなんか絶対産みたくなかったので、いくら疲れようともやめませんでした」
小雪の異能力の話を聞いて、自分の右手が溶けた理由を察する。しかし、おかしい。
ランクCでこんなに一瞬で手を溶かすことができるのか。
「あ、どうしてランクCがこんなに一瞬で溶かせたか不思議に思ってますか?」
右手を見ていたことを気付かれ小雪はその答えを言う。
「私実はランクAなんですよ。今まで黙ってましたけど。でも皮肉ですよね。あなたの子を妊娠したくない憎しみの思いで頑張ってやっていたことが私のランクを上げてあなたを殺すなんて」
彼女は最初はランクCだったのだが、今はもうランクAになっている。両手で数えるには全く足りない回数、そしてすべての精子を殺し続けてきた。それが彼女の異能力を成長させていた。
「まあそんなことあなたにはもう関係ないですね。私ね、今日まで男の人なんて怖くて大嫌いだったんですよ。どいつもこいつも下心が丸見えで、醜くて。でも校庭で宗助君に助けてもらって思いました。こんな男の人もいるんだって。異能力を使った後、動けなくなるってわかっているのに。そう考えたら宗助君のことが好きになっちゃいました」
さらに小雪は言葉を続ける。普段のおどおどした姿からは想像できないような物言いだ。
「まあこれ以上は時間の無駄ですし。もう死んでください」
「ま、まってくれ!今までのことは謝る!なんでもするから許してくれ!」
恥を捨て土下座をする梁瀬、しかし小雪の冷めた目はより冷たさを増す。
低い位置にある梁瀬の頭を靴で踏みつけて言う。
「はあ…やっぱりあなたは最後まで本当に気持ち悪いですね。もういいです。そんな姿は私は見たくないです」
「クソが…」
「はい?今何か言いましたか?」
「このクソガキがあああ!調子に乗りやがって死ね!」
急に立ち上がった梁瀬は無事な左腕を小雪に向かって払う。その払っている間に異能力”武装”で創りだしたロングソードで首をはねようとする。しかし、首に当たったときにそこから剣は溶けて意味を成さない。
「だからいったじゃないですか。私ランクAなんですよ?そんなものじゃ何もできませんよ?」
「うるせぇ!」
溶けた剣を捨てて、いつの間にか新たに創り出したレイピアを顔に向かって突き出す。
「だから意味ないんですよ…」
突き出されたレイピアを避けようともせずに異能力で溶かした後、それをつかんでいた左手首に軽く払うように触れ、左腕を溶かし使えないようにする。
「ああああぁぁぁぁぁあぁああ!!」
悲鳴を上げる梁瀬にお構いなく、小雪は語る。
「あなたの口癖の責任を取る。いまここで取ってもらいます。わたし、あなたをどうすれば許せるか考えたんです。考えた結果あなたを二回殺せばまあ許してもいいかな?って思っています。でも悩んでいたんですよ。だって人は一回しか殺せないじゃないですか?でもそれを解決する方法を見つけました」
そういうと小雪は今いる裏路地から道路へと出たあと、何かを手に持って戻ってきた。
「そ、それは…」
「はい。ゾンビです。先生にはこいつに噛まれてもらいます」
両腕と下半身を溶かされ上半身だけになったゾンビをつかんで持ってくる。
「これを使えばあなたを二回殺すことができます。でも綾香ちゃんには悪いことをしちゃいました。これを見られて宗助君に伝えられないようにするためにおいてきちゃったんですから…」
「やめ、やめてくれ。本当に悪かった。この通りだ」
「謝らないでください。二回殺せば許してあげますから」
逃げ出そうとする梁瀬の両足首を溶かして逃げられないようにして、ゾンビに腕を噛ませる。
「ああぁぁぁぁあああ」
「終わっちゃう前に1つ聞いておきたいことがあります。他人の体の中に自分のものを入れるのって気持ちいいんですか?」
「あ…あ…あ…」
「答えられないですか…まあいいです。これからわかることなんで」
そういうと小雪は梁瀬の心臓に向かって腕を伸ばす。なにをされるか悟った梁瀬は胸に自分が創れる限りの鎧を出したが、手はまるでなにもないかのように溶かして進んでくる。
皮膚まで手が到達するとジューとした音と肉が焼ける臭い。そして激痛が梁瀬を支配する。
「ひいいぃ!やめっ!やめてください!助けて!悪かった!」
「すごい!他人の体に自分を入れるってこんなに気が昂ぶるんですね!」
梁瀬の悲鳴を聞いた彼女の顔は恍惚としていて、もう片方の手は自然と自分の下半身へと伸びていた。
少しずつ進む手が心臓を貫通したときには、もう梁瀬は声を上げずにただ痙攣を繰り返しているだけの肉塊となっていた。
少し待つと、完全に動かなくなったはずの彼が心臓に穴をあけながらまた動き始める。
「じゃあ梁瀬先生…これで許してあげます。いつも体に他人が入ってくる気持ちすこしはわかってくれましたか?」
最後の言葉に当然返事はない。しかし小雪は満足そうな顔で、彼の体を覆う量の酸を使い髪の毛一本残さずこの世から消し去った後、その場を後にした。
「まっててね、宗助君」
一人ひとりの個性をうまくだせるように頑張ります




