表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された地味令嬢は、辺境で国を再建する ~無能扱いした王太子が後悔してももう遅い ―捨てられたのでお金の管理をやめたら、王都が崩壊しました  作者: 桜庭ルナ
第3部:均衡の試練編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/114

第55話 軍事国家の圧力

 ルクサリア暫定選挙。


 その決定は、大陸全体に衝撃を与えていた。


 国家の王を、制度が決める。


 しかも内戦の最中に。


 前例はない。


 そして当然――


 反発もあった。


 *


 ヴァルド軍本部。


 重厚な石の会議室。


 レオナは報告を受けていた。


「現場の将軍たちからです」


「選挙に反対」


「即時制圧を要求」


 紙が机に置かれる。


 レオナはそれを一瞥した。


「当然だな」


 軍は効率を求める。


 内戦は叩き潰すのが最も早い。


 選挙など、時間の無駄に見える。


 *


「ですが」


 副官が言う。


「均衡評議会の決定です」


 レオナは黙る。


 そして小さく息を吐いた。


「分かっている」


 彼女は軍人だ。


 だが今は同時に、


 均衡機構の一員でもある。


 *


「問題は」


 レオナが言う。


「現場が従うかだ」


 その一言で空気が重くなる。


 命令は出せる。


 だが納得は別だ。


 *


 レギオン。


 均衡評議会。


 カミラが言う。


「予想通りね」


 エルミナ。


「軍は嫌うわ」


 サディーク。


「時間がかかるからな」


 リュネ。


「だが必要な時間です」


 カイエル。


「制度は即効性がない」


 イリスは静かに聞いていた。


 *


 レオナが口を開く。


「現場は動く」


 全員が彼女を見る。


「制圧の準備を始めている」


 沈黙。


 それは危険な兆候だった。


 均衡機構の決定と、


 現場の軍の判断がズレている。


 *


 カミラが言う。


「止めて」


 短く。


 レオナは答える。


「止める」


 だが。


 一拍置く。


「だが一つ言っておく」


 全員の視線が集まる。


「選挙が失敗すれば」


 低い声。


「次は止めない」


 重い言葉だった。


 *


 エルミナが言う。


「期限を決めましょう」


「長引けば市場が死ぬ」


 サディーク。


「資源も同じだ」


 カミラ。


「民意も持たない」


 リュネ。


「信仰も崩れる」


 カイエル。


「つまり」


 一言。


「時間制限付き選挙」


 イリスが頷く。


「七日」


 短い。


 だが長すぎない。


 *


 その決定はすぐに伝達される。


 ルクサリアへ。


 七日以内に選挙。


 失敗すれば軍事介入。


 それは事実上の


**最後通告**だった。


 *


 ルクサリア南部。


 王弟グラントはその報を聞く。


「……選挙だと?」


 側近が言う。


「均衡機構の決定です」


 グラントは笑った。


「ふざけている」


 冷たい声。


「戦場で投票?」


「そんなものに国家を預けるか」


 だが。


 彼は考える。


 軍で勝てばいい。


 だが――


 選挙で負ければ正統性を失う。


 *


 一方。


 公女エリアナ。


 彼女は難民の中でその報を聞く。


「七日……」


 短い。


 あまりにも。


 だが。


 彼女は言う。


「やる」


 迷いはない。


「民に選ばせる」


 その目は強かった。


 *


 レギオン。


 イリスは窓の外を見ていた。


 都市は静かだ。


 だが大陸は揺れている。


「制度は」


 小さく呟く。


「人を試す」


 そして。


「人も制度を試す」


 どちらが勝つかではない。


 どちらが耐えられるか。


 *


 地下牢。


 オルディスは笑っていた。


「いい」


 静かな声。


「時間制限」


 そして。


「焦り」


 彼は知っている。


 人は追い詰められると、


 正しい選択をしない。


「均衡は」


 一言。


「人の弱さに依存している」


 その目は鋭い。


 七日。


 それが、


 均衡機構の最初の賭けだった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ