表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された地味令嬢は、辺境で国を再建する ~無能扱いした王太子が後悔してももう遅い ―捨てられたのでお金の管理をやめたら、王都が崩壊しました  作者: 桜庭ルナ
第2部:七王国会議編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/115

第31話 市場の支配者

 海に浮かぶ都市――マレク商業都市連邦。


 城壁よりも高いのは、倉庫だ。


 塔よりも目立つのは、取引所の旗。


 ここでは王冠よりも契約書が重い。


 *


 最上階の会議室。


 エルミナ・カルディアは七王国会議の招請状を指先で弾いた。


「王位選出制」


 微笑む。


「面白い商品ね」


 側近が眉をひそめる。


「商品、ですか」


「制度は信用でできている」


「信用は市場で測れる」


 彼女は立ち上がる。


「成功すれば、投資先」


「失敗すれば、売り」


 それだけの話。


 *


 マレク中央取引所。


 電光掲示板に並ぶ数字。


 アウレリア通貨は、まだ安定圏。


 だが脆い。


「資源価格を少し動かす」


 エルミナは命じる。


「ザハル産鉱物の先物を買い占め」


「同時に、アウレリア国債の売りを流す」


「露骨すぎませんか」


「露骨でいい」


 市場は心理戦だ。


 *


 王都、アウレリア。


「通貨が小幅下落」


 フィオナが報告する。


「マレクの動きと一致」


「予想通りです」


 イリスは淡々と答える。


「防衛策は」


「準備済み」


 制度は言葉だけでは守れない。


 数字で支える。


 *


 商会会館。


「マレクが仕掛けている」


 カイルが言う。


 リリアは資料を読む。


「ザハル鉱物の価格上昇」


「同時に国債売り」


「揺さぶりね」


「どうする」


「動かない」


 彼女は静かに言う。


「市場は恐怖に反応する」


「恐怖を見せない」


 商人としての矜持。


 王候補としての覚悟。


 *


 マレク。


 エルミナは報告を受ける。


「アウレリアはパニックを起こしていません」


「当然」


 彼女はワインを傾ける。


「揺れないなら、次」


「会議で直接問う」


 制度は、利益を生むのか。


 それが彼女の焦点。


 *


 王城、夜。


 イリスはリリアを呼ぶ。


「市場はあなたの領域です」


「ええ」


「七王国会議で、彼女は必ず揺さぶります」


「分かっています」


 短い沈黙。


「怖いですか」


「ええ」


 リリアは正直に答える。


「でも、怖い相手ほど価値がある」


 強い。


 商人は強い。


 *


 エルミナは窓辺に立つ。


「王位選出制」


「理念は美しい」


「だが利益は?」


 彼女は静かに笑う。


「会議で確かめましょう」


 制度が市場に耐えるか。


 王が数字に耐えるか。


 七王国会議は近い。


 軍は試し。


 市場は揺さぶり。


 信仰は問う。


 民意は叫ぶ。


 その中心に立つのは、選ばれる王。


 制度はまだ完成していない。


 だが試練は、容赦なく近づいている。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ