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婚約破棄された地味令嬢は、辺境で国を再建する ~無能扱いした王太子が後悔してももう遅い ―捨てられたのでお金の管理をやめたら、王都が崩壊しました  作者: 桜庭ルナ
第3部:均衡の試練編

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第79話 均衡の証明

 列は、もう止まらなかった。


 炎の跡が残る広場。


 焼けた石。


 焦げた木。


 その上を、人が歩く。


 *


 ゆっくりと。


 だが確実に。


 *


 一人。


 また一人。


 *


 誰も命令していない。


 誰も強制していない。


 *


 それでも。


 並ぶ。


 *


 リリアは、それを見ていた。


 何も言わず。


 ただ。


 *


「……増えてる」


 エリアナが呟く。


 *


 その声には、驚きが混ざっている。


 *


 最初は、数人だった。


 次に十人。


 今は。


 *


 列になっている。


 *


「……なんで」


 小さく言う。


 *


 リリアは答えない。


 ただ。


 前を見る。


 *


 一人の母親が、子供の手を引いている。


 *


 一人の商人が、焼けた服のまま立っている。


 *


 一人の兵が、鎧を脱いで並んでいる。


 *


 違う立場。


 違う背景。


 *


 だが。


 同じ行動。


 *


「……選んでる」


 エリアナが呟く。


 *


 リリアが頷く。


「ええ」


 *


「それが全部よ」


 *


 レギオン。


 映像が流れる。


 *


 沈黙。


 *


 カミラが、ゆっくり座る。


「……これ」


 *


「本物だ」


 *


 エルミナが小さく笑う。


「市場より強いわね」


 *


 サディーク。


「資源よりも」


 *


 リュネ。


「信仰よりも」


 *


 レオナが言う。


「……軍よりもな」


 *


 カイエルは静かに言う。


「違います」


 *


「これは」


 一言。


「選択です」


 *


 イリスが頷く。


 *


「はい」


 *


「それが均衡です」


 *


 地下。


 オルディスは、それを見ていた。


 *


 沈黙。


 *


 そして。


 ゆっくりと笑う。


 *


「……そうか」


 *


「そこまで行ったか」


 *


 目が細くなる。


 *


「なら」


 一言。


「今回はいい」


 *


 影がざわめく。


 *


「引くのですか」


 *


 オルディスは頷く。


 *


「崩す価値がなくなった」


 *


 その言葉。


 *


 彼は立ち上がる。


 *


「完成していないものは」


 一拍。


「壊しやすい」


 *


「だが」


 *


「未完成のまま、選ばれたものは」


 *


「厄介だ」


 *


 その目が笑う。


 *


「次だ」


 *


 ルクサリア。


 広場。


 *


 列は、さらに伸びている。


 *


 もう止まらない。


 *


 誰かが言う。


「……今度は」


 *


「意味がある気がする」


 *


 その言葉。


 *


 リリアは目を閉じる。


 *


 そして。


 ゆっくり開く。


 *


「……終わりね」


 *


 エリアナが振り向く。


「え?」


 *


 リリアは言う。


「勝ちよ」


 *


 短い。


 だが確かな言葉。


 *


 その瞬間。


 何かが変わる。


 *


 均衡は、証明された。


 *


 完璧ではない。


 *


 だが。


 *


 成立した。


 *


 それが。


 すべてだった。


 *


 レギオン。


 イリスが静かに言う。


 *


「記録します」


 *


「本件を」


 *


 一言。


 *


「成功と」


 *


 沈黙。


 *


 そして。


 誰も反対しない。


 *


 均衡は、証明された。


 *


 その事実が。


 世界を、少しだけ変えた。

読んでいただきありがとうございます!


ついに――「均衡の証明」の回でした。


誰も強制していないのに、人が選ぶ。

ここがこの物語の最大の到達点です。


次はいよいよエピローグ。

不完全な勝利のその後が描かれます。


ここまで読んでいただけたら本当に嬉しいです。


ぜひ【ブックマーク】【評価】で応援いただけると励みになります!


ラストもお楽しみに。

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