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婚約破棄された地味令嬢は、辺境で国を再建する ~無能扱いした王太子が後悔してももう遅い ―捨てられたのでお金の管理をやめたら、王都が崩壊しました  作者: 桜庭ルナ
第3部:均衡の試練編

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第71話 崩壊

 最初に崩れたのは、人の列だった。


 ルクサリア公都ルクス。


 再選挙の投票列。


 静かに、確かに続いていた流れが――


 途切れた。


 *


「……やめだ」


 一人の男が列から外れる。


 それだけだった。


 だが。


 その動きは、あまりにも自然で――


 あまりにも重かった。


 *


「どうせまた壊れる」


 男は振り返らずに言う。


 *


 沈黙。


 そして。


 もう一人が、列を離れる。


 *


「……意味ない」


 小さな声。


 だが、それは確実に広がる。


 *


 一人。


 また一人。


 列が崩れていく。


 *


 エリアナの目の前で。


 希望だった流れが、ほどけていく。


「待ってください!」


 叫ぶ。


 だが。


 *


 誰も止まらない。


 怒りでもない。


 恐怖でもない。


 ただの――諦め。


 *


 リリアが前に出る。


「止まりなさい!」


 声を張る。


 だが。


 *


「止まったらどうなる」


 誰かが言う。


 静かな声。


 *


「また壊される」


 *


「また裏切られる」


 *


「また無駄になる」


 その言葉は、刃だった。


 *


 リリアは言葉を失う。


 正しいからだ。


 *


 その時。


 遠くで爆発音。


 *


 悲鳴。


 煙。


 炎。


 *


「……始まったか」


 誰かが呟く。


 *


 群衆が一斉に動く。


 逃げる。


 押し合う。


 転ぶ。


 叫ぶ。


 *


 投票箱が倒れる。


 紙が舞う。


 踏みつけられる。


 *


 完全な崩壊。


 *


 レギオン。


 映像が映る。


 沈黙。


 *


 カミラが震える声で言う。


「……終わった」


 *


 エルミナ。


「市場も崩れる」


 サディーク。


「資源も」


 リュネ。


「信仰も」


 *


 レオナが低く言う。


「軍を出す」


 *


 誰も止めない。


 それしかない。


 ように見える。


 *


 だが。


 *


 イリスが言う。


「いいえ」


 *


 全員が見る。


 *


「まだ終わっていません」


 その声は、静かだった。


 だが。


 *


 カミラが叫ぶ。


「終わってる!」


「見てよ!」


 *


 映像。


 燃える街。


 逃げる人。


 壊れる制度。


 *


 イリスはそれを見つめる。


 そして。


「だからです」


 *


「ここで終わりにしない」


 その言葉は、祈りではない。


 決断だった。


 *


 ルクサリア。


 リリアは立っていた。


 炎の中で。


 動かない。


 *


「……全部」


 小さく呟く。


 *


「全部壊れた」


 *


 エリアナが言う。


「リリア様……」


 その声は震えている。


 *


 リリアは答えない。


 ただ。


 前を見る。


 *


 崩れた投票箱。


 燃える紙。


 去っていく人。


 *


 そして。


 一人の少女が立っている。


 *


 手に紙を持って。


 震えながら。


 *


「……どうすればいいの」


 小さな声。


 *


 リリアはその少女を見る。


 *


 ゆっくりと歩く。


 *


 焼けた箱を起こす。


 灰を払う。


 *


 そして。


「ここに入れなさい」


 *


 少女が戸惑う。


「でも……」


 *


 リリアは言う。


「誰も見てなくても」


 一言。


「やるのよ」


 *


 沈黙。


 *


 少女は、紙を入れる。


 *


 音。


 小さな音。


 だが。


 確かに。


 *


 それを見ていた一人が、足を止める。


 *


 また一人。


 *


 だが。


 その流れは、弱い。


 あまりにも弱い。


 *


 遠くで。


 再び爆発。


 *


 そして。


 完全に流れが途切れる。


 *


 リリアは、立ったまま。


 動かない。


 *


 理解している。


 *


 これは。


 負けだ。


 *


 地下。


 オルディスは笑っていた。


「いい」


 低い声。


 *


「終わった」


 *


「均衡は」


 一言。


「崩れた」


 *


 レギオン。


 沈黙の中。


 イリスが目を閉じる。


 *


 そして。


 開く。


 *


「……次です」


 *


 誰も動かない。


 だが。


 全員が理解している。


 *


 ここからが、本当の戦い。


 *


 均衡は、崩れた。


 だが。


 まだ終わっていない。


 *


 それを。


 証明できるかどうか。


 *


 すべては。


 次にかかっている。

読んでいただきありがとうございます!


ついに――均衡が崩壊しました。

ここまで積み上げてきたものが、一度すべて壊れた瞬間です。


ですが、ここが終わりではありません。

ここからが本当の逆転の始まりです。


次話では、リリアが“何を選ぶのか”が描かれます。

ここが物語最大の分岐点になります。


少しでも続きが気になったら、

ぜひ【ブックマーク】【評価】で応援いただけると嬉しいです!


次話もお楽しみに。

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