人間と自然
「人間は醜いよね」ふと耳元で声が聞こえた。
「どうだい!? 自然の一部になった気分は? 人間が自然を大切にしないから、自然の厳しさを教えてあげているんだよ。あの二人もまた自然の恐ろしさを感じているだろうね。自分達がずっと死と隣り合わせにいる窮地を。人間は自分達の都合で木を切って、自然を壊している。自然が何も言わないというのは大間違いだよ。自然は常に人間に忠告をしている。それを人間が都合のいいように解釈しているだけなんだよ」
三郎は口がなく話せなかったが、心の声で話した。
「兄弟を助けてくれ。俺はこのまま死んでもいいから」
「駄目だよ。助けちゃうとまた同じ過ちを繰り返す。それが人間だよ。人間のエゴっていうのかな。本当は自然と共存していかなくてはいけないのに……彼らは運が良ければ助かるかもしれないけど、たぶん無理だね。人間は欲望が強く、自我に走るから、最後は野たれ死ぬだろうね」
「確かに人間には悪い人もいるが、自然を大切に育て、次世代へ繋げて行こうと必死に頑張っている人達もいる。君達は勘違いしているだけだ」
「確かにそうかもしれないけど、天地が創造してから自然が少なくなっていき、出来たのは人間が創った有害物質。便利から悪が生まれ、悪がまた欲望を生みだす。そんな世界をずっと見て来たから、僕達はもううんざりだよ。僕の仲間達も今日から人間を木にしているんだ。全てが一つの始まりに戻るように、幸せな世界を創っていけるように」




