前へ目次 次へ 678/680 信号機 風が轢く音 灰色の路に消えていく 点滅を繰り返し 赤と青だけが行き交う 色褪せた壁を道標に 添い歩く動物たち 土竜さえ這い出れない土の上 生命たちは歩いている 影なく息もなく 面影だけが息づいている 青色が赤色を呑み込むなら その時から景色は止まった ただ点滅する時間の標 守るものは誰もおらず 過去だけが置き去りされた 1つ泣き続けている機械音 長閑な景色の中 寝静まった街を歩くのは雑音か それとも残された営みか 明滅する光が問い続けていた