34 陽菜の願い
新宿で銃撃戦を見てきたり、少年が一人の女の子を救う物語を見てきたり、ハーメルンに行っているうちに1か月過ぎてました・・・
(前述2つはシティーハンター 新宿プライベートアイズとダンまち オリオンの矢のこと)
良き映画でした( *´ ▽ ` )
パンフやクリアファイルは2つとも売り切れでした・・・というかシティーハンターはグッズが完売してました。(・ω・`)ムネン・・・
ただ一つだけ言わせてくれ。
アイズたんかわいい。
・・・・んなこといいので本編どぞ!
ああ、うん、そっか、うん・・・
なぜか納得してしまったぞ・・・まあ昔から寝る前は密室でオレ一人だったのに朝起きたら隣に世那がいたとか、歩いているといつの間にか近くにいたりとか、いきなり背中から抱きついて来たから背負投げをしたら果物ナイフ
が転がったとか、心中自殺を仕掛けてきたとか・・・うん、まあいろいろあったからなあ・・・
「あの、隼人君?」
「どうした陽菜」
「こちらの方って隼人くんのお姉さんですか?」
「あ、まだ紹介していなかったっけ?」
「してませんよ」
してなかったか。めんどくさいがしゃあない、ざっくりとやるか。
「寝ているのが氷川世那、背がオレと同じくらいのが鈴木劉人、微妙に高いのが吉田哲翁、でもってこの中で一番高いのが氷川雪音」
「「「雑!?」」」
「大体あっているだろ」
「なるほど、大体わかりました」
「分かったのか・・・」
あんなんでいいのか、陽菜よ。
嘘は言っていないし、これ以上詳しいのは無理だからこれで分かってくれたから良かったけど。
「隼人君にしてはこれ以上ない説明でしたね」
「文句はあるけど間違っていなからね」
「陽菜と吉田君の二人いつかぶっ飛ばす」
「こら、女の子にそんなこと言わないの」
「吉田は男だぞ」
「別に吉田くんはいいよ」
「いいそうなので」 スチャッ
「良くないよ!?」
「隼人くん、そうやってすぐ暴力で解決しようとするのは良くないですよ」
雪姉にいいと言われたから発勁の構えをする。勿論ジョークである。が、陽菜に窘められた。だが何というか・・・
「陽菜に言われるととてつもなく腹が立つ」
何故だかわからないが無性に腹立つ。今まで特にそういったことなかったはずだが・・・いやあったか?
「隼人ってなぜ陽菜ちゃんのことなんで嫌いなの?こんな可愛いのに・・・」
「嫌い?」
「うん、私にはそう見える」
「そうなの劉人君?」
「そうじゃないの?」
「適当だなおい」
「さっきからお前ら何やってん・・・なんでお前がいるんだよ、隼人」
会話に突如入ってきた男、水川雄太は、オレを見た途端に嫌そうな顔・・・まるで天敵を見たかのような顔をした。オレにとっても嫌な奴なのだが。
「・・・それはこっちのセリフだバカタレ」
「何だと1負け!」
「それはオレが風邪ひいているときにお前が無理やり叩いてきたからだろ!?というか1負け言うな!!」
「お?なら今この場でやるか?ん?」
「この場でやるか奴がおるかうつけめが・・・」
周りは兵士と馬車だぞ?そもそもここは道だぞ?こんなところでやろうものなら怒られるじゃ済まないだろうが。
「それじゃあ王都の広場でやりませんか?」
「ッ!?」
「あら、ラッヘ」
オレと水川罵り合いにいきなりにゅっと割り込んで来たのは、雪姉が「ラッヘ」と言う男。
余りにも自然に割り込んできたせいで咄嗟に二歩下がり、抜剣の構えをする。
というかこの男、気配を消して物理的にオレ達の間を割り込んできた。比喩じゃない、物理的に、だ。
「ああ、隼人、この人はラッヘ。色々仕事がある人だけど、簡単に言えば私たちの指導者」
「どうもこんにちは。私の名前はラッヘと言います。役職は王直属親衛隊4位です。詳しい業務内容は守秘義務ですので言えませんが、大体雪音様がおっしゃった内容と同じです。よろしくお願いします」
「あ、氷川隼人です。氷川雪音の弟です。よろしくお願いします。で、こちらが・・・」
「高町陽菜です。よろしくお願いします」
唐突に丁寧な自己紹介をされたので構えを解き、自己紹介しかえすが、何故オレはこいつにしなければいけないんだ?というか構えを解くべきではなかったんじゃないか?
「ああ、そう警戒なさらずに。私共に敵意はございません」
湧いてくる疑問が絶えず、いつの間にか警戒しているオレに、彼は宥めるように笑顔で話しかける。
でもな、一つだけ言わせてくれ。それは敵意がないことを示す顔じゃないぞ・・・
「それで、どうされますか?これから部隊を2つに分け、片方はテネシンに、もう片方は王都に引き返すことになりましたが、テネシンに『勇者様』は今回必要ないと判断しましたので、我々はこの後王都に向かいます。ですがあなた方も王都に向かうとの事なので、是非この決着は王都にある広場でやってほしいかと・・・」
「因みに、そこでやるメリットは?」
「いえ、特にありません。ただ敢えて言うのであれば、そこで決闘をすれば誰にも文句を言われませんし、金もかかりませんし、順番待ちもほとんどありません。一応アリーナはありますが使用料取られますし、下手なところでやれば通報されますし、城にある訓練場を借りると数日待たなければならないですからね」
怪しい・・・。絶対なんか隠してるなこいつ・・・。
何を隠しているかは分からないけど、かといってやらなかったらこいつに逃げたと思われるのは嫌だしな・・・
「分かりました、そうしましょう。・・・ということだけど、勿論逃げないよなぁ、水川?」
「お前こそ逃げるんじゃねえぞ?」
「仲いいわね、二人とも・・・」
「「どこが!?」」
「そういうところよ・・・」
雪姉がわけわからないこと言い出した。氷川と水川は家系的に仲が悪いのは知っているはずなのに・・・。というかこいつから仕掛けてくることが多いのは知っているはずなに・・・。
というかそもそも、雪姉何かおかしい・・・。まるでどこか別人になった気がする。どこがって言われたら答えられないけど。
この妙な違和感で一人悩んでいると、前からトリムの声が聞こえてきた。
「ハヤトさーん!ヒナさーん!そろそろいいですかー?発車しますよー!」
「とのことなので、そろそろお開きに。私と陽菜はこちらに乗るので・・・」
「あっ、じゃあこっち乗るよ。どの道王都に行くんでしょ」
「僕もそっちに」
「それじゃあ私も」
「俺はあっちを使う。けど逃げるなよ、隼人」
「それでは先に向かってください。指示を出してこなければいけませんので」
吉田君と劉人君と雪姉(と寝てる世那)はトリムの馬車に乗り込み、水川は行きに使ったほうに乗ると言う。
・・・うん、いや別にどっち使ってもいいけどさ?なぜそれみんなオレに言うの?言わなくてよくね?
「それだけ皆さん隼人君のことを信頼しているということですよ」
「うん待て陽菜、ナチュラルに人の心を読むな。そして変なことを言うな」
「あれ、隼人君口に出していたのでは?」
「・・・してた?」
雪姉たちに顔を向けると、皆首をフルフルと振っている。うん、やっぱオレ口に出してないよな・・・
「だそうだが?」
「えっ・・・ええ?」
「はっ!分かったわ隼人!もしかして二人は以心伝心―」
「以心ではないだろ、一方通行だぞ」
「何だ残念・・・」
「何が!?」
うん、変なところは変わってないな雪姉。と、ここで雪姉のとは別の違和感に気が付く。具体的には、右腕裏から。
「・・・陽菜、服を引っ張てどうした?」
「・・・ようやく気が付いてくれましたか。」
「悪かったな」
世那が跳んできたり、劉人君たちと再会できたし、変な奴も出てきたし・・・
「・・・まあいいです。あの、水川ってあの水川雄太ですか!?」
「・・・?そうだが?」
「なんで・・・彼が・・・」
奴の名前を聞いた途端、陽菜の顔が青ざめ、手が震えだし、服を掴む手が強くなる。うん、でも肉は掴まないでくれると嬉しいな。
そんな陽菜の異変に雪姉は気が付き、陽菜にそっと話しかける。
「・・・陽菜ちゃん、大丈夫?なにか嫌なことでも隼人にされた?」
「おいこら待て雪姉」
「い、いえ、隼人君が理由じゃないですよ」
「それじゃあ、どうしたの?」
雪姉は陽菜と目を合わせ、優しそうに微笑み、声色に1/f揺らぎを混ぜて話しかける。
次第に陽菜は精神的に安定してきたのか、だがまだ不安がなのか・・・そんな感情が混じったような震えた声で口を開く。
「あの水川雄太という人は・・・ストーカーなんです・・・」
「「「「ああ・・・はい」」」」
「えっ、なんでみんな悟ったかのような顔を・・・?」
「だって・・・」
「ねえ?」
「なあ?」
「あんなことしてたしね?」
初犯じゃないんだよな、あいつのストーカー行為。しかも自覚がないというのが一番質が悪い。
だがそれ以上に劉人君たちの反応がおかしい。
というわけでそっと二人を手招きする。・・・というかまだ掴まれているせいでこちらから動けない。
「なあ、行きに何があったんだよ」
「水川君が、陽菜ちゃんそっくりの人形を持っていたんだよ」
「・・・マジで?」
「マジで」
「マジなのかー・・・」
あいつ、とうとうそっちの道に走ったのか・・・。いや別に人の趣味にどうこう言うつもりはないけどさ?まさか実在人物のフィギュアまで作っていたのかー・・・。まあ3Dプリンタと写真が揃って入れば出来るけど、持ち歩いていたのかー・・・。
だが正直言って・・・
「あいつブレないな」
「そうなの?」
「フィギュアは初めてだと思うけど」
やりすぎだと思うのか、それとも今まで何故してこなかったのかと思うのか・・・
うん、わからぬ。やめようこの話は。
でだ、いくらオレ達でこんなこと話しても意味がない、陽菜自身がどうしたいかなんだ。
「陽菜、あいつにどうしたい?」
「あの、実は、それで隼人君にお願いしたいことが・・・」
「はあ・・・」
陽菜がかしこまってのお願い・・・自分でふっておいておいてあれだが、何やらされるんだ!?
勿論陽菜への不安は声に出していない。今度こそ自信はある!
「あ、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ?」
「なんで見抜かれているんだー!?」
「ふふふ、なんででしょーか!」
「知るか!・・・で、お願いってなんだよ。はよ言え」
「隼人君、最初の時憶えていますか?」
「忘れっかよ」
陽菜がオレの後ろにいたせいでここに来たじゃんか・・・。なんで付いてきたのか知らねえけど。
「あの日、隼人君の噂を聞いて、お願いしようとしていたのですが、隼人君足が速いので家の前まで来ちゃって・・・」
「来ちゃって!?」
「なんで雪姉が反応するんだ!?その次の瞬間一本道のど真ん中だからな!?何も楽しい事なぞなかったぞ!」
「そうですよ、お義姉さん」
「ちぇー」
ええい、雪姉のせいで話が微妙にズレた!これじゃあさっきから進んでないだろ!
というわけでジェスチャーで陽菜に続けるように促す。さあ、続けろー、続けろー。
「・・・じゃあ続けますけど、あの時お願いしようとしたのは、「隼人君は水川君の永遠のライバル」というのを聞いたから隼人君に彼を止めてほしいということなのですよ」
「その噂の出処がかーなーり気になるけど今はいいや。なんでこの世界に来た時にそれを言わなかった」
「だって、彼がいるとは思わなかったので・・・」
そりゃそうだな、うん。オレもぶっちゃけ雪姉たちと会うまでいるとは思ってなかったよ。しょうがないっちゃーしょうがないな。
だがその噂の出処はマジで誰だ・・・。
「というわけで隼人君!」
「うおびっくりした」
服を掴みながら耳元でいきなり叫ばないでくれ、ビビるから
「お願いします!彼にこれ以上付きまとわないように何とかしてください」
「・・・その掴んでいる手を放したらな。王都に着いてからでいいから」
「あっ・・・」
どの道水川はとやり合うんだ、どうせやるなら勝つ!!陽菜のはついでになるが、半殺しにした後で約束させればいいだろ。
さて、肝心の勝負だが、あいつが何使うか知らんが、あいつもオレが何使うか知らないはずだ。つまり条件はフェアの可能性が高い。なら如何に最初に準備をしておくかが肝だ。
よし、あれを使おう。
(<大図書館>ー、
最後のは別にミスじゃないですから。




