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魔法使えぬ魔法探偵  作者: 紘月


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file2 盗まれた信仰の水 スティールノスタルジア

火 エリアe370

水 エリアc115

光 エリアf286

闇 エリアa743

永 エリアb909


魔法 C級 周りに影響がない程度

魔法 B級 周りの物や人に被害が及ぶ程度

魔法 A級 周りの物や人を殺傷、破壊させる程度

魔法 A級+ Aの派生能力を持ちエリア全体に影響をもたらせる程度


エリアc115には十年前からエリアの中心に球体状の巨大な水が現れた。その水は不思議がられながらも神の贈り物として信仰され始めた。

やがて信者は増えていき、エリアc115では70%近くが信者となった。そんな水はある日突然姿を消してしまったのだ。


人々は混乱を招いた。そこに現れた探偵は混乱している人々を横目にA級+の魔法使いを集めた。


「今回は2人だけか。簡単に解決できそうだ。」


「僕は水に生命を吹き込む能力です。アリバイがあって、父はもともと両手が動かず常にキョンシー(魔法使いの世界ではエリアa743に実際に存在している。妖怪で死者の霊とされていて生前の能力を持つ。人へ危害は加えない。)のようになったままの謎の病にかかっていて、三日前くらいに死亡してしまい、埋葬をしていたんです。エリアa743から来たキョンシーと言われていたため、僕以外介護できる人がいなくて......」


「なるほど。ではもう1人。」


「私は渦を創り操る能力を持っています。アリバイはないので怪しまれるかも知れません。」


「確かに貴方の方が断然怪しいです。しかし私は探偵です。こんなので決めつけはしません。決定的な証拠を必ず掴みます。」



「カッコつけたはいいもののどうすればいいってんだよ...」


探偵は頭を掻いた。


「そういえば前の管理庁放火事件の時に鎮火していたA級は両手を前にして能力を使っていたな。もしかしたら父も能力を使っていたのかも知れない。

だがやはり生命を吹き込むというのもあり得る。生命を吹き込ませて動かしたりしたかも知れない。あと長々と喋る奴ってのは今までの事件でも犯人なパターンが多いしな。

そして渦......。今回は使えなさそうだが。」


「あの!もしかして探偵さんですか?」


突然、ある男の子が話しかけてきた。


「そうだよ。どうしたんだ?」


「あのお水ってもともとプルプル動いてたんだよ。ゼリーみたいに。だからあのお水って跳ねていったんじゃない?」


そう男の子は話した。すると親が来て


「すみません!探偵に憧れてまして。ほら!早く行くよ!」


探偵は少し笑みをこぼした。それと同時に重要であろうヒントを入手した。


プルプル動いていた、だと?普通はあり得る訳ない。だが、生命を吹き込ませたならあり得るかも知れない。余計に男への疑いが膨らんだ。


そして家に帰る。するとエリア管理庁から動画が送られてきた。信仰されていた水の映像とあの男の父が死んだ時の映像だ。


確かに水はプルプル揺れていて父は腕がまっすぐのまま目を閉じていた。だが、ヒントになりそうなものもなかった。でも、何度も何度も見ているうちにある共通点に気づいた。水の動画が3秒で父の動画が4秒なのだが、稀に父の手の揺れと水のプルプルが一致するのだ。

これが偶然じゃないのなら。父が関係しているのかも知れない。



探偵は後日、1人である場所に向かった。そこで一つの紙を見つけると家に帰った。


「予想通りだ。」


と呟いて。



事件発生から三日。またもや集められた2人に探偵はこう話した。


「犯人がわかった」と。2人はビクリとして互いに見つめ合っていた。


「犯人、いや事件の発端は貴方の父です。」


そうして生命を吹き込む能力の男を指差した。


「え?父?」


「これをみて下さい。昨日貴方の家に向かってヒントを探してるとこんなものがありました。

そう。遺書です。」


「え?」


男は驚くことしかできなかった。


「読みますね。


十年以上内緒にしていたがあの水は私が創ったものだ。

このエリアのシンボルとなるようなものを作りたかった。でもそれは信仰という別の形で広まってしまった。

もう私は死んでしまうが、どうかお前の能力で水を復活させてくれ。そして、信仰ではなく、シンボルとしてくれ。」


男は涙を流した。探偵はそっと肩に手を乗せた。


「犯人なんていない。貴方の父の善意だったんですよ。」


そう決め台詞を言うと探偵は去っていった。

数日後、探偵がエリアc115へと来たとき、あの水があった場所には巨大で美しく生き生きとした噴水ができていた。探偵は日々の疲労まで無くなり癒されていた。だが、すぐに脳電波で疲労がUターンしてきた。


「次はエリアf286だ。管理庁のボスが自殺だそうだ。」と。

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