第4話 サイレンの同級生
「……さて」
時間は余裕があり、私はすぐに自分の席に着いた。
荷物を机にしまいながら、
忘れ物はないかの確認をしている。
「……最終確認……
……忘れ物はないか」
そして、暇なので三つ目の授業の教科書を読む。
私は別に魔法が大好きだからと言って、
他を疎かにする気はない。
次の授業は数学だが、
冒険に出る時でも簡単な計算をしないといけない。
国語も語学力を高めるのに必要だ。
今日の授業は一限目は魔法で、
二限目が体育なのだ。
今は魔法よりも体育の方が好きだ。
体育も冒険者に必要な身体能力などが鍛えられるから。
教科書を読んでいるが、
私に話しかける生徒はいない。
中には私を見てうんざりする生徒、
舌打ちや陰口を言う生徒もいる。
私は気にせずに教科書を読む。
自分から仲良くする気のない者まで、
仲良くする気はない。
学校で友達が一人もいなくても私は構わないと断言できる。
「あ、あの……
サイレンさん、おはよう」
「……【ネフティ】か……
……おはよう」
断言できても、実際にいないと言うのは話が違う。
私に話しかけてくる生徒は普通にいる。
ネフティは代表例で、
他にもちらほらと私に話しかけてくる生徒はいる。
「おはよう、サイレンさん」
「……【フウ】委員長、おはよう」
フウはクラスの中では真面目で勉強熱心だ。
委員長であり、クラスをまとめている女子生徒。
「サイレンさんもネフティさんも問題なしね。
あ〜あ……
他の生徒もサイレンさん達のように真面目だったらな〜
……特にあのバカ……」
何故かフウは頬を赤くしている。
視線の先には男子生徒。
確か【スティック】だったか。
「……そう言うな……
色んな人はいるものさ」
冒険者ギルドの人はさらに多かった。
真面目な人、そうではない人、
こだわりがある人、ない人、
声が大きい人と静かな人などだ。
気にし過ぎる方が疲れてしまう。
「はぁ、サイレンさんって本当にクールね」
「……私の父さんがこういう話し方だからな。
私も無意識にするようになったのさ」
加えて魔術師はクールな人物が多い。
一部はそうではないが、
私自身も魔術師はクールな人がいいと思うようになった。
だから、魔術師として冒険者登録するのなら、
私はクールな人物になっているだろうな。
「確か、今日は魔法の授業があるよね」
「……そうだな」
「そういえばネフティさんの魔獣はどう?
確か名前は……」
「【ホーオー】くん……
今は外でのんびりと私を待っているの」
「……そうか」
チェルシーの一族は魔獣使いで、
チェルシーも幼い頃から魔獣と過ごしているらしい。
すると、チャイムが鳴り響いた。
会話していた生徒達は急いで席に座る。
「そろそろ来そうね。
それじゃ!」
「ま、またね」
フウ達が席に戻る。
すると、スティックが青い顔になって、
フウに頼み込む姿を見た。
恐らく宿題を忘れて写させてくれと頼み込んでいるだろう。
当然ながらフウは拒否して小言を言う。
だから、ちゃんと最低でも宿題でもしなさいよと、
ツッコミを入れている。
確かに、フウは真面目だから、
宿題を写させてくれるのは考えづらいものだ。
そんな場面を見ている最中に、
【レスター】先生が入ってきた。
「……朝礼を始める」
「起立!
礼!
着席!」
「……出席番号を確認する。
出席番号一番【アウラ・ファーレー】」
「はい!」
レスター先生は真面目な先生として有名で、
昔は冒険者で魔術師をしており、
理由は知見を広めるためだったとのこと。
レスター先生は見ての通りクールな性格だから、
私の性格に影響を与えたと言っても過言ではない。
「ーーサイレン・マジャン」
「……はい」
そして、出席の確認を終える。
「……今日のホームルームを始める。
今日からしばらく下校時間を早くなる。
門限は五時だから部活をしている生徒も長居してはいけない」
「え〜!
五時なんてすぐじゃないですか!
運動系は免除されないの!?」
「免除されない」
下校時間が早くなる。
その理由としてはナダクで何かが起きたからだろうな。
何かまではまだわからないが。
「……ホームルームは終わりだ。
次の授業までに体操服に着替えるように」
そう言って、レスター先生は教室を出た。
男子生徒は早速着替えを初めて、
私達女子生徒は更衣室へ向かう。
「サイレンちゃん、一緒に行こう?」
「……ああ、わかった」
「私も!」
私はネスティ、フウと一緒に更衣室へと向かった。




