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太陽と月の魔力をもって。〜日蝕により崩壊した世界で生きる〜  作者: 紅弥生 
Chapter-2 未来への展望

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EP1

プロローグに引き続きの投稿です。

プロローグは日常小話なのであまり話は進んでいません。


「わぁっ……!!」


 森を抜けると、丘になっていて見晴らしが良くなっていた。

 そこを見ると。


「海だぁ!!……あぁうん……やっぱり……そうだよね」


 海が一面に広がっていたが、それよりも街の様子が目に入ってしまう。

 やはりというべきか、生き残っている建物は1つもない。

 いや、もしくはあるのかもしれないが、ここからではよく見えず、いかにも災害が起きました。と言う風貌をしている。


「とりあえず、生きてる人はいるかっていうところからだな」


「そうだね。生きている人がいて、最終的に仲間にはならなくても、ここにいる間は精一杯協力して、良い関係を結んでおこう」


「そうだな」


 丘を降りていくと、瓦礫が見える。


「えぇと……これは……」


「……通れないな」


 完全に積み重なっていて道を塞いでいる。

 ここには関所があったはずなので、それが崩れたものだろうと推測する。


「どうしようかな」


 石材だからルークの魔法は?と思いつき聞いてみる


「ルーク、地魔法で試せる?」


「そうか……そうだな。『ロック・クリエイト』」


「おぉ?」


 石同士がくっついていくが。


「……ダメみたいだね……」


 不純物というか。


(完全な石材ではないのかな?)


 くっつきはするが、それだけで、自由自在に動かせないようだ。

 そもそも規模が大き過ぎるのもあるのだろう。


「すまない……」


「いいよ。どうしようね?」


(火魔法は……爆破させたら飛び散った破片で怪我したら大変だし、反対側に人がいたらどうする?って話だし……)


 2人してうーん?と唸っているとどこからか声が聞こえてくる。


「おーい!お二人さーん!!」


「ん?」


 何処だろうとキョロキョロ探す。


「お二人さんからみて右だよ右!!」


 瓦礫の右の方をずっと見ていくと、顔らしきものとひらひら振っている手が見える。


「ありがとう!今そっちにむかいます!」


 そう返事して、駆け寄ると、むこうもこちらに向かってくる。


「おっと……これはこれは王太子殿下と側近のルーク様では……」


「ちょ、ちょっと待ってください。こうなってしまった以上は、身分は関係ないですから、普通に話してください。自己紹介は知ってるみたいなので省きますね。私のことはハルトとでもお呼びください」


「そうか……ありがたい。こういうもんは慣れてないもんで。俺はジェイクってんだ。よろしくな。ところで一つ聞きたいのだが……ハルト、その角は?」


「あぁ……これは色々ありまして。まぁ簡単に言うと。種族が変わってしまったって感じです」


「なるほど。まぁ。こちらにも害がないってんなら、これ以上は深掘りはしない」


「ありがとうございます」


「と。いけねぇ。これ以上ここで話してたら妙な動物が襲ってくる。とりあえず中に入ろうや。ついてこい」


「分かりました」


 会話が終わったところで、ルークに視線を向けて、アイコンタクトを取る。

 そして、再び視線を前に向け、ついていく。

 瓦礫の隙間に軽い門みたいなのがあった。


「これは……」


「あぁ。腕のいい工事士がいてな」


「なるほど。ちなみに、先の災害で何人くらい生き残っているんですか?」


「元々は12人いたんだが、2回目の災害で森に行ったっきり帰って来てないのが6人いる。だから今は半分の6人になっちまった」


「ほう……」


「あんたらはやっぱり王都から来たのか?」


「そうですね」


「王都はどうよ?」


「残念ながら私とルーク以外は……」


「そうか……ここに来たのは?生存者探しか?」


「まぁ、そんなもんです」


「ハハッそうかい」


 そんな会話をしていると、瓦礫の中を抜け終わる。

 こちら側にも門らしき物があり、2重になっているようだ。


「まぁ。王都の状況は分からねぇが、ここはごらんのありさまさ。津波はなかったからよかったが、地震だけですべてのモンが失われちまった」


 瓦礫を抜けて広がっている景色は、やはり更地になってしまっている。

 そして、見える範囲の港の高さと比べると若干地盤沈下している。

 港が波を防いでくれてはいるが、それでも土地が海の高さより低くて、津波が起きればあっという間に水没してしまうだろう。


「王都も似たような更地ですね……でも……これ……海の高さがちょっと高くなったら水没してしまいますよね?」


「お。わかるか。流石王子様だ。元々低い土地ではあったんだがな。地面が落ちてしまってな」


 日本ではこういうのを海抜ゼロメートル地帯と呼ばれていたか。


「そうですか……あんなふうに海水が漏れてきたら決壊して大変なことになりますね」


「そうだな。そうなっちまう前に手を打たないとな」


 そんな会話をする。


(ん?決壊する……?)


 ハッと港の方に顔を向ける。

 のと同時に


「おい、ちょっと待てハルト。あれ決壊するんじゃないか?」


 ルークがすかさず突っ込んでくる。


「そうだね。まずいね!!ジェイクさん!!皆さんはどちらに!!」


「こっちだ!走るぞ!!」


 ジェイクさんについていく。

 そして、人々が見える。


「みんな!!決壊する!!高くなってる

ところに逃げるぞ!!」


 そうジェイクさんが叫ぶと、流石あの災害を生き残った人たちと言わんばかりの切り替えの速さで走り始める。

 同時に、港のほうからドガシャァ!!っていうデカい音がする。


「振り返らないでください!!そのまま走り続けましょう!」


 津波では無いのだが、決壊して流れ込んでくる海水の勢いはとんでもない速度だろう。

 けれど、高台が目の前にあり、大丈夫。逃げれる。そう思った瞬間。


「『アースウォール』!!」


(はっ?)


 後ろをみると、ルークは海の方を向いて魔法を発動していた。


「馬鹿野郎!!!」


 思わず叫び、咄嗟に飛行スキルを発動させる。

 ドラゴンの翼がはえて、いつでも飛行出来る状態になる。

 そして、そのままルークに向かって走り、腕を強引に掴む。

 絶対に離さないようにしながら、そのまま上空へ飛ぶ。

 今まで自分たちがいたところには海水があり、やはりと言うべきかルークが作った魔法の土壁は壊れていた。

 チラッと高台の方をみるとサイドベールの人々は逃げれていた。

 それにホッと胸をなで下ろしつつ、ルークに目を向ける。


「ルーク。何してんだ?」


「す、すまない。間に合わないと思って……自分だけって」


「お前の言いたいことは分かる!その心も否定しない!だが、俺がいえた事ではないのかもしれないが、自分をもっと大事にしろ!命あっての物種だ!それに……俺の大事な友人を減らさないでくれ……お前が……ルークがいなくなったら……俺は誰を信じればいい……」


「……ごめんなさい」


「今回はなんとかなったから許す。次はないからな。はぁ……良かった……ほんっとにもう……」


 心底焦った。

 自分のドラゴンのことがバレるのも別に隠しているわけではないので良いのだが。

 この世界に来て、初めての友人で、僕が唯一信じれる人で。

 そしてなにより。身体の持ち主のレオンハルトが一番信じている人物だ。

 絶対に失いたくない。失ってはいけないのだ。

 右手が震えていたのを落ち着かせてから話す。


「ふぅ……大丈夫。僕だって間違うことがあるし、ルークだけに協力させたりはしないよ。もちろん僕もルークのやることには全力で協力する。こうやって僕の力で役に立てることはする。だから相談して」


「すまん……ありがとう」


「よし。仲直り。ルークのお陰で皆さん無事だから。多分、僕のこれ見て怖がっているかもだから事情を話しに行こ?」


「あぁ、そうか……すまない」


「大丈夫もう謝んないで。いつかは話さなきゃいけないことだから。まぁ、でも、自国の王子様がこんなんになって、相手が信じれるか分からないから、ルークも口添えしてくれると助かるかな」


「それはもちろん。任せてくれ」


 バサッバサッと翼を羽ばたかせて近寄る。

 すると、ジェイクさんが寄ってくる。


「ちょっと待った。あんた。その翼は」


 とやはり聞いてくるので、事情を説明する。

 エクリプスの後ドラゴンと呼ばれるものと戦ったことと、それでこうなってしまったことを。


「そうかい……まぁ。それであんたは大丈夫なんだな?本当に」


「今のところは大丈夫です。皆さんに危害を加えるところか、協力させてください」


「それは私も保証します。ハルトに何かあったら私が責任を持って対処します」


「いやいや、元より何もないんだったらそれでいいんだが。まぁ、王太子殿下とその側近に頭下げられちゃぁな。喜んで歓迎するしかないわな。それでいいな?みんな」


「おう」「はい」「うん」


 とそれぞれ返事をしてくれる。


「ありがとうございます」


「じゃあ、そうとなったら自己紹介だ。俺は先ほども言ったがジェイクだ」


 丸刈りでちょび髭を生やした気のいいおじさんだ。


「おいらはマークだよろしくな」


 ちょっと小太りの黒髪のお兄さんだ。


「私はモニカよ」


 ちょっと艶っぽいお姉さんだ


「儂はシャンタじゃぁ……」


 人の良さそうなおじいちゃん。この人がさっき逃げる時はものすごく速かった。流石、老いても足腰は衰えてないということか。


「その……わた……私はアニカです……」


 気の弱そうなお嬢さん。恐らく人見知りなのだろうか。


「最後に、オレはヨンタさ。王太子殿下、よろしくな」


 快活そうなお兄さん。

 握手を求めてくるので手を出して応える。


「王太子殿下、じゃなくてハルトとお呼びください。そして、こちらが」


 そう言ってルークを指す。

 ルークは察して前にでて


「私は、ルークです。よろしくお願いします」


 と返事をした。


「それで、早速なんですが、これからのことを話し合いますか」


 自己紹介も終わったことで、サイドベールでのことを話し合おうと話を持っていく。


9/10修正。

ヨンタの一人称を俺→オレに変更しました

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