EP2
すみませんお待たせしました。
「まずは、皆さんの家を作りますか?」
「いや……まずは、外に行く道を作りたいな。元々のサイドベールの入り口はこの調子だと行けなさそうだからな」
とジェイクさんが言う。
あ。と思う。
海水が入り込んできてしまって、サイドベールの街があったところは海の一部みたいになってしまっている。
関所があった場所は高かったが、そこまでの道は海で塞がれているだろうと。
「そうですね。確かに、森にも行けなければ資材などが手に入らない。そこからで良いですかね」
「だが……それまで雨風がしのげる場所がほしいんだが」
「それなら……ルーク頼める?」
「分かった」
ルークは心得たと言わんばかりに、地面に手を当てて魔法を発動させる。
『アースタッチ』
すると、何度も見たように地面が盛り上がり、良い感じの箱型ができる。
「ルーク、ありがとう。……これでしばらく大丈夫でしょう。」
「は、ハルト……今のはなんだ?」
(あっそっか。魔法のことを話すの忘れていた……)
「すみません……忘れていました……今のは『魔法』と言います。簡単に言えば、無から何かを生み出したり、既存のなにかに干渉して形を変えたりっていうのです。ルークの場合は見ての通り大地や岩石などが得意です。僕は……『ファイア』こんな感じで火を出すのが得意です」
「なるほど……俺たちの魔法はなんだ?」
「ステータスっていうのが見えますか?そこにSMPっていうのと、LMPっていうのがあるはずです。そこの横に書いてあるのがそのはずです」
「俺は……物理と物理?なんで同じなのに2つに分かれてんだ?」
「僕たちもまだ分かっていない部分があるのですが、日中と夜中で使える魔法が違うようで、SMPの方が日中の魔法、LMPの方が夜中の魔法です」
「今は昼間だから物理ってことか。なるほどな。ところで、物理の魔法って何があるんだ?」
「……なんだろう……」
言われてみれば思いつかない。
(物理と言えば無属性?いやそれなら無属性って表記してくれたほうが分かりやすいな……物理……身体強化系で拳で直接?もしくはショックウェーブみたいな?今日は1日、魔法の特訓にしてみるのはあり?)
皆が魔法を普通に使えるようになる為にありかもしれない。
(魔法はイメージしても発動しないのがあるようだから、僕もよく分からなくなってしまった。だから皆と一緒に改めて探してみるのはありかな)
ドラゴン戦の時のことを思い出しつつ、ありだなと思いなおす。
「では、今日は1日、魔法の特訓もいいんじゃないでしょうか?」
「いいが、夜の海風は冷える。そこで焚き火をしたいんだが、木の枝がない。火打石はあるが、木の枝がなければ火をつけれないんじゃないのか?」
「それは今日は僕に任せてください。僕は空を飛べるので、僕1人で森に行って取ってきます」
「それなら、お言葉に甘えさせてもらおう。じゃ、今日は魔法を使える様にするぞ!」
そう言って各自散らばる。
そして僕はジェイクさんに近寄り話しかける
「とりあえず……ジェイクさん。物理で思いついたのは、身体強化系なんですが、ジェイクさんの方も思いついたのは?」
「それがな、さっぱりさ。ものに当てて砕けるのとかもいいとは思うんだがな?」
「それ、いいんじゃないですか?これで試してみてください」
丁度ちょっと大きくて手では砕けなさそうな石を拾って渡す。
「おお?そうか?ならば……『崩壊』!!」
瞬間、石は粉々に砕けおちる。
「おおっ!!」
「おっおお?こいつはすごい!」
「今ので感覚は掴めました?」
「そうだな。助かった。あとはちょっと1人でやってみるわ!」
「わかりました。何かあったら呼んで下さい」
そう言ってジェイクさんの所をあとにする。
そして、ほかの5人のところにいき、それぞれある程度使える様になったところで、自分の魔法の特訓を始める。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
日が傾いてきたところで僕一人で森に行く。
声をかけてきたが、皆集中していて聞こえていないようだった。
ルークだけはこちらを見て会話したが。
「さて……落ちている枝を拾いますか」
そう独り言を零す。
森に来た際に、色々ガサガサが聞こえてきたので、恐らく周りの動物は逃げてしまっただろう。
「でも、やっぱり寂しいな……」
今まで来ていたのが来なくなる気持ちはこういうことなのか。と軽い哀愁を覚えながらしばらく採集する。
無心になってきたところで、ガサっ!!と一際大きい音がする。
「ん?なんだ?」
自らがが立てる音を消して、周囲の気配に集中する。
近づいてくるようにガサガサと音がする。
(魔物……だろうな。森の中で下手に火魔法で攻撃しちゃうと燃え移っちゃうから使えない……逃げようかな)
そう判断して、飛行でそのまま上に飛ぶ。
「た……ー!!」
飛ぶ直前に視界の端で何かが見えたがよく見えず、空から見ても木々で見えなくなった。
(なにか喋ってもいた?ガサガサ音でよく聞こえなかったな……まぁいいかな)
そこでそのことから頭を離して、枝などがまだ足りないかなと思って、別の場所に降り立ち、更に採集する。
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Side:?
ハルトが去ったあと、その場には人影が2つ。
男性と女性であろうか。
「あーあ。あの、竜人。あたいらの仲間になるかもなのに、行っちゃった。まぁ良いかそれより……」
女性は真紫の目で睨む。
「あんた、今、助け求めようとしたろ?」
「ひぇっ!!い、いえ!してません!!」
「言っただろ?私に嘘は付けないって」
そう言ったとともに、男性は女性の目が光ったように見えた。
瞬間。男性は動かなくなる。
そう。石の彫像のように、男性は石化していた。
「さて、人間様は夜の魔力にもよく適応するようだからね」
女性は石化した男性のおでこに怪しく光る石を押し込む。
石化していて硬いはずなのに、その石は同化するかのように、埋め込まれていく。
「我が主のいい糧となるんだよ」
女性はそう言って、石化した男性とともに森から転移した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ただいま帰りました〜!」
バサバサと翼を羽ばたかせながら地面に降りる。
「ハルトおかえり。少し持つ」
「ありがとう」
ルークが近寄ってきて、腕を出してくれるので、少しだけ持っていたものを渡す。
「皆さんは……まだ、やってるみたいだね。この調子だと 、日が暮れて って魔力切れ起こしちゃいそうだから、焚き火作ったら止めさせようか」
「分かった」
そう言ってルークは慣れた手付きで組み立てていく。
『ファイア』
僕もそれを手伝い、最後に火魔法で火を付ける。
そして、それぞれに近寄り、そろそろ日が暮れることを伝える。
しばらくして、日が沈み、夕飯も終わり、寝る時間になる。
人数がいるので、2人1組で見張り番をすることになった。
最初はルークと僕だ。
暇なので、木の枝や蔦などで作った釣り道具で釣りをする。
「朝はすまなかった……」
「んー?もういいって〜。次はしない、互いになにかするときは報連相をするってことでいいよ〜」
「ホウレンソウ?」
「あぁ、報告、連絡、相談のこと〜」
「なるほど」
「ただ、これからどうなるかは分からない。もしかしたら離れ離れになるかもしれない。そう言う、頼れるのは自分だけってときは自分の判断を信じて」
「分かった」
「それに、もっとルークも僕を頼って。朝のように自分を犠牲にするのは僕が頼りないって思われてるようでちょっと悲しかったんだ」
「そんなことは」
「大丈夫、分かってる。思ってないことは。多分、ルークはレオンハルトとの王太子とその側近としての関係が長いから、すぐ自我を殺しちゃうんだと思う。これからは表に出すように意識していけばそのうち慣れるんじゃないかな?きっと」
ふと、空を見上げる。
月が煌々と輝いている。
生憎満月ではなく半月だが。
右側が見えているから上弦の月と言っただろうか。
と考えたところで話を切り替える。
「それで、明日の事なんだけど、ルークの魔法でもあの城壁は無理だったからどうしようか?」
「ジェイクさんの魔法がいいんじゃないか?」
「ジェイクさんのまほう……あぁ!たしかに!試してみるのは良いかも!ただ…問題は、1つにしか発動しなかったときだよね。多分一個一個沢山やってくのは時間がかかるから……それに、破片はどうしよう」
「ヨンタの魔法が水魔法じゃなかったか?それで破片を1つに集めてもらえばいい。くっつけるのは私がやる」
「また、ルークを頼ることになるね……」
「別に良い」
「ごめんね。ありがとう」
そこで途切れ、焚き火の音がパチパチ聞こえる。
しばらく経つと、次の見張り番のヨンタとアニカが来る
「ハルト、ルーク交代だぜ。あとはオレたちに任せとけ!」
「お、お二人はゆっくりお休みください……」
「うん。ありがとう。宜しくね。おやすみなさい」
「そうさせてもらおう。おやすみなさい」
ルークと2人でそう、声をかけて向かう。
「おう!おやすみ!」
「お、おやすみなさい……」
ヨンタとアニカもそう返事をしてくれたところで軽く後ろ向きに手を振る。
そして、自分の寝床につき、目を閉じる。
すぐに眠気が来て、意識を手放す。
2026/09/17 side:???の一人称をあたいに統一しました




