プロローグ
おまたせしました。
第二章プロローグです。
EP1を続けて投稿します。
「ハ、ハルト……すまない……休憩させてくれ……」
「ん?キツイ?分かった。ちょっと待ってね」
森の中で休憩できそうな開けた場所を探し、そこに降りる。
変身を解いて、川の水をルークが作ってくれた木のボトルに汲み、火魔法で軽く煮沸してからルークに渡す。
「はい、ルーク、白湯だよ」
「あぁ。ありがとう。うっ……」
ルークの顔は結構青くなっている。
それもそうだろう。慣れない空の旅だからな。
ルークは元々馬車でも酔いやすいようで、向かっている最中も度々酔ってしまい、休憩を挟んでいた。
「ハルト、すまない……君のほうが辛いだろうに……」
「いいよいいよ。大丈夫。乗り物酔いは辛いからね。遠慮せず休憩しよう」
そう。ルークは最初、僕に遠慮して頑張って耐えてくれていて、最初の休憩を取ったときには顔が青いどころか真っ白になっていてとてつもなく焦った。
それから、僕もあんまり揺れないように気をつけながらゆっくり飛行をして、互いの体調に合わせて休憩を取っていくようにした。
「もうちょっとだからね。あと一回飛んだら歩いて向かおう」
「おう……」
ドラゴン形態で空を飛んでいるので、もし人がいて、見られて怖がられたら嫌なので、サイドベールから歩いて2日くらいの距離のところからは歩いて行くことにしていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「よし。ここらへんかな?ルーク降りるよー」
「分かった」
かなり日が沈みかけた夕方に着く。
もういい時間なので、夜営の準備をする。
「ルークごめん。先に急いで焚き火だけ作っちゃおう。多分もうそろそろ火魔法が使えなくなっちゃう」
「あ、そうだな。私も手伝おう」
2人で軽く木の枝などを拾ってさっとファイアで火をつける。
半分夜に差し掛かっているので、夜になって火魔法を使って魔力切れを起こしてしまう前に焚き火を作る。
「これで大丈夫だね。ルークはこのまま軽く雨風しのげるようなのを作ってて。僕は他に食料がないか探してくる」
「分かった。いってらっしゃい」
「いってきまーす」
そう会話をして森の中に入る。
『ライト』
ステータスで日中の魔力と夜の魔力が切り替わったのを確認してから、光魔法で淡い光を作り出し、道を照らす。
ふと、目線の先に小動物がいたのが見えたが、翻して逃げてってしまう。
「なんか、そんな気はしてたけど……悲しいなぁ……」
竜人になる前は森の中の小動物たちは近くに寄ってきてくれていて可愛かったのだが、なって以降は避けられている。というか、今のように怖がって逃げてってしまう。
「まぁ……いいや……」
別に生活に支障があるわけではないのだ。あんまり気にしないのが正解だろう。と無理やり納得させる。
そして、毒がなく、美味しい木の実などをとってから戻る。
「ルー……」
ただいまと言おうとしたら、ルークが小動物に囲まれていた。
とても絵になっていて少し羨ましい。
そのうちの一匹が僕に気付いて逃げてったのを見て、他の動物たちも続々逃げ出していく。
ルークもそれで、僕の存在に気付く。
「あぁ。ハルト、おかえり」
「ただいま。その……ごめんね?」
「なにがだ?」
「いや……なんでもない!ご飯食べよっか!」
「??」
少し怪訝そうな顔をしていたが、すぐにご飯の準備を始めた。
そして、できたご飯を見る。
木の実や魚だ。
「なんと言うか……小麦とかお肉が食べたい……」
思ったことが思わず口に出てしまう。
「ハハッ。そうだな。そういえば災害が起こって以降の食事はずっとこれだったな」
「ちょっとね……同じような味で飽きてきたよね?」
「まぁな」
「サイドベールに着いて、海に行ったら海水を汲んでそれを蒸発させれば、お塩が出来るだろうからそれで味変は出来るだろうけど……」
「そうか……そういえばサイドベールでもそんなことをしてたな……」
「まぁ、塩が追加されたとして味が変化するだけで食べるものに変化がないからな……」
「そうだね……ドラゴンのお肉って言っても……そもそも残ってないし、ルークにまで何かあったら怖いからやめておこう」
ドラゴン戦の最後の光景を思い出して、気分が下がる。
「そうか?2人で空の旅を出来たら楽しそうなんだが?」
「変身するのほんとにかなり痛いからやめたほうがいいよ……それに、今でも楽しいから良いじゃない?」
「それもそうか」
他愛もない会話をしながら食べ終え、眠りにつく。
もちろん見張りは交互に行いながら。
そして太陽が昇り、朝が来る。
「じゃあ、サイドベールに向かって、再出発!」
朝の食事を終えて荷物をまとめて、サイドベールへ出発する。
サイドベールではどんな冒険が待っているのだろうか。




