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太陽と月の魔力をもって。〜日蝕により崩壊した世界で生きる〜  作者: 紅弥生 
Chapter-1 目覚め

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EP4


 ドラゴンがバサッバサッバサッと近づいてきて、着陸する。


 グルルルルォォォォォ!!!!!


 そして、もう一度咆哮する。

 先程は遠かったから影響は少なかったが、至近距離で受けたため、咆哮で吹き飛ばされそうなくらい迫力がある。

 同時に地震もおさまる。

 空を見上げると、エクリプスも終わり、月が煌々と輝いている。


【ボスモンスター出現】


 個体名:フォレストドラゴン

 Lv.54 HP:4800/4800


「ふぅ……」


 怖いと言えば怖い。ドラゴンのステータスをみて軽く絶望する。

 だが、やるしかない。

 最悪ルークだけでも逃がそうと頭の片隅で考えつつ、目の前を見据える。


「よし。じゃあルーク!!」


「『リーフバインド』!!」


「セイクリッド・ジャベリン!」


 その声と同時に魔法で遠距離攻撃しようとするが、火属性と違い魔力が分散してしまい、発動しない。

 だが、ルークの魔法はうまく発動し、ドラゴンに草がまとわりつく。


「ガァウ!!」


(チッ……やはり近づくしかないか……)


 やはりと言うべきか、ドラゴンは草などの拘束をすぐにやぶる。

 僕は拘束による一瞬の隙をみて駆け出し、ルークは次の魔法を発動する。


「『ウッデンバインド』!!」


 次はドラゴンに木々の枝やツタがまとわりつく。

 先程よりも魔力を込めてくれているので、ドラゴンもそれをそう簡単に払うことはできない。


(それでいい。それで。うざったいだろ。攻撃出来ないだろ。できればもっともがいてくれ。僕が近づくまで。そう簡単に行かないだろうけど)


 その瞬間、ドラゴンは炎のブレスを吐き、周りのツタなどを焼き払う。


「ぐうっ…!!」


 ブレスは想定通りだったが、僕の方に流れ弾が飛んできた。

 それを寸前でなんとか避ける。

 が、少しかすったようで、外側に出てしまった左腕が軽く焼ける。


「ハルト!!」


「大丈夫だ!!ブレスに気をつけながら注意を引いてくれ!!」


 ルークは頷き、十分な距離を取ってから魔法を発動させる。


「『ウッデンボール』!!」


 流石王太子の側近として長く働いているだけある。魔法の扱いももうお手の物のようだ。

 魔法の多重発動で5つ同時に発動した。


(十分過ぎる。そろそろ、僕も役に立たなければ)


 ルークが稼いでくれた時間で、ドラゴンの背後に回り込む。


「『セイクリッド・ソード』!!」


 光の剣を出現させる。

 そして型も何もない。純粋な叩き斬りをする。

 その、恐らく硬い竜の鱗を光の剣が溶かし、鱗の奥にある肉を切る。


 ステータス

 フォレストドラゴン HP 4640/4800


(よし。この魔法だとやはり、攻撃が通る!!)


「ギャャァァァウ!!!!!」


 ドラゴンはうめき声を上げて、その長い尻尾で僕を攻撃する。

 それを光の剣でガードする。

 すると、先程のように鱗が溶けて、尻尾に食い込み、切られてしまう。


「うっ…!!」


 ステータス

 レオンハルト HP 45/60


 しかし、少なからず衝撃があり、少し吹き飛ばされる。

 その隙にドラゴンは僕の方を向き、その腕で直接攻撃をしてくる。

 吹き飛ばされた反動で光の剣によるガードが間に合わず、モロに喰らう


「カッハッ……!!」


 ステータス

 フォレストドラゴン HP 4420/4800


 ステータス

 レオンハルト HP 15/60


 ステータスで相手と自分のHPが目に見えるので、徐々に焦る。


(剣でガードしても15減る。つまり……あと一発貰ったら死ぬ……それに対してドラゴンはまだまだ全然HPが残っている……まずい……いや。大丈夫だ。落ち着け。僕の聖光魔法の攻撃が通るならば)


「『セイクリッド・フィールド』!!」


(よし、これは発動した!!)


 ここら一帯の魔力をこの聖光属性に染め上げるイメージで発動した。

 つまり。


「ルーク!!やってみてくれ!!」


 その声にルークは無言で頷き、ノータイムで魔法を発動させる。


「『ウッデン・ジャベリン』!!」


 木で出来た槍がドラゴンに向かって飛んでいく。

 僕の方を向いているドラゴンはそれに気付くが遅く、脇腹に突き刺さる。

 いわゆるクリーンヒットだろう。


「ギャォォォォォォ!!!!」


 ステータス

 フォレストドラゴン HP:3500/4800


 HPが目に見えて減り、軽く心のなかでガッツポーズをする。

 案の定、一番ダメージを与えたルークにヘイトが向く。

 それを見逃さず、一気に駆ける。

 ルークもそれに気づいていて、うまいことブレスの範囲外に逃げつつ、魔法を次々と発動させ、着々とダメージを与えてヘイトを吸っている。

 僕が少しずつ近づき。

 そして。


「『ウッデン・バインド』!!」


 ルークが先程と同じ魔法を発動させる。

 だけど。


 セイクリッドフィールドによる聖光属性の魔力が乗っていた。


 ドラゴンは抜け出そうともがくと聖光の魔力を纏った枝やツタにより、鱗が溶ける。

 肉に直接攻撃するほどの効力がなくとも、鱗という人で言う防具が少しずつ剥がれていく。

 完全に近付き。

 剥がれた肉のところに直接手を当てる。


「『セイクリッド……」


 突然、ドラゴンが身体を捻り、僕に攻撃しようとする。


「ピュリファイアー』!!!!」


 攻撃が届くより前に僕の魔法の発動の方が早かった。


 聖光の魔力をドラゴンの中に無理やり押し込む魔法なので、ドラゴンの鱗ではなく、皮膚に直接触れる必要があった。

 

 聖光の魔力がドラゴンの中で充満する。


 ステータスのドラゴンのHPがありえない速度で減っていき。


(やった……!!)


 少しずつ溶融してくるのが見える。


 しかし、その瞬間。


 僕目掛けて血肉が飛び散る。


「グフゥッ!!!」


 勢いよく飛び散ったため、僕は軽くふっ飛んだ。

 そしてその肉片は同時に僕の肉を裂く。


 ステータス

 レオンハルト HP:5/60


 そこそこダメージがあり、死にかけるがギリギリで耐えた。

木にぶつかるが、ドラゴンの肉片が衝撃を和らげたおかげで、それ以上ダメージはない。

 そして、自分の上に付着した、肉片から大量の血が垂れ流れてきて。


 口の中に入る。

 あまりに量が多く、全部吐ききれずいくらかゴクっと飲み込んでしまう。


(うぇっ……血なまぐさいまずい……)


「ハルト、大丈夫かっ!!」


「うん、ギリギリだけどだいじょう……」


 そこまで返事したところで心臓がドックンと脈打つのが聞こえる。

 そして、恐らく肉を割いた時に僕の身体の中に入り込んだのだろう。

 ドラゴンの肉片も脈打ち、徐々に身体に熱が籠る。


(なっ……なに……身体が熱い……)


「ハルト?」


「ちょ、ちょっと待っテ。近寄らないで」


(嫌な予感がする)


 ステータス

 レオンハルト

 Lv.25 HP:5/320

 状態:変化なし


 ステータスを確認するが、何も異常はない。


(だけど、身体が何か変化していく感じがする)


 そこまで行ったところで、意識がプツッと途切れる。

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