EP6
農地はあとは僕がいなくても復興を進められる。
むしろ僕がやったのはあくまで基礎の基礎で、少しの範囲を畑として作物を植えられるだけに導いただけだ。
あとはここに実際に住む街の人々がやっていくのが、問題点を見つけて解決するのが一番だろう。
そう考えて今度は街の方の復興を進める。
この約1週間のうちに木材は十分すぎるほど確保できた。
なので実際に街の人々が住める住居を建てていったりすることができる。
「殿下!何をすればいいっスか!」
「そうですね……場所を作りましょう。崩れた家をなくしていくしかないと思います」
そう、家を造るには1つ問題がある。
造る場所が必要だ。
ガイアには崩れた家が残っていて場所がない。
なので1つずつ撤去していくしかない。
物理魔法が使える人々にお願いして、土台や骨組みの部分を破壊していってもらう。
瓦礫を運ぶのは自然魔法でツタを強化して縄を作って括って運んでいく。
こちらは倒壊の危険があったりと、命の危険があるため、土魔法で壁を作ったりして身の安全を守ったりしながら慎重に行なっていく。
この世界には、死んでも復活するエリクサーも、重い怪我や病が一瞬で治る回復薬なんてものはないのだ。
(聖光と空間魔法の使い手が全然いないから、もしかしたら回復魔法っていうのがあるのかもしれないけれど、死んだのを生き返らせるのは流石に無理でしょ)
そんなこんなで壊して、それを運ぶという作業を数日間かけてやると、街が更地になる。
ただ、教会とその周囲の建物を残しておく。
これは拠点としているのもあるので残しているが、後の判断は街の人に任せる。
領主の館は領主が行方不明ということで、一応取り壊して、簡易的な住居を建てておく予定だ。
これは街の人々の決めたことだ。
そうして、家の建築なのだが……
「アルト、ほんとに任せていいの?」
「おう!任せとけ!」
さすが職人の街で育った男と言うべきか何と言うか。
自分から建築の監督者を名乗り出たのだ。
(僕も分からないことだらけだから、知識があるアルトにお願いするのが1番良いんだけど……)
まぁ、本人も任せろと言っていたのでそうするのが1番だ。
僕はルークと一緒に補助にまわることにする。
「その場所に穴をあけて、そうそこに木材の柱差し込んでくれ」
そんなこんなで1週間くらい経ち、ようやく1軒完成した。
「ハルト、どうだ?」
「どうって言われても……良いんじゃないかな?」
「いや、設計だよ」
「ん?」
上から下まで見て、中を見てみる。
1つ、見覚えのある設計がある。
(制震設計……?って言ったっけ……?アルトがそれを!?)
「すごい!」
「お前の話を聞いてて想像できてきたから作りたくなってよ。サイドベールでは基礎ができてたから出来なかったからここではやってみようと思って」
確かにダンジョン攻略しているときに日本の話をしていた。
(結構あやふやだったのに?そこから……?すごいなぁ……)
「2軒目は俺は指示しない。俺が指示したようにつくってみてくれ。もちろん、行き詰まったら助け舟は出すから安心しろ」
そういうと、そこから街の人々は家を造りはじめた。
自分たちで造らせて、僕たちがいなくなっても良いようにする為だろうと察して、僕とルークも今回は補助にまわらない。
拙いながらも2週間くらいたっぷり時間をかけてもう1軒家ができた。
「いい感じに家が出来ていますね」
「そうですね。皆、殿下が来てくださってから活き活きしてるように見えます。ありがとうございます」
「いえいえ。僕に出来てるのは道を示すだけだと思います。実際にこうやって街を少しずつ復興出来てるのは皆さん自身の力ですよ」
教会のシスターとそう話す。
最初に来たときは神に祈っていた人たちが多かったのに、今では自分たちで進んで誰が住むか、農業はどうか。というのを話し合っていた。これで、このガイアの街も自分たちで進んで行けるだろう。
食料もそのうち安定するだろう。
「そう……ですか。寂しくなりますね」
「すみません。でも、僕たちにも次に行かなきゃいけない場所があるので」
「いえ。殿下たちがいなくなっても、私たちはここで生きていきます。今度は私たちが、自分たちの力でこの街を立て直してみせます」
そう言って、シスターは微笑んだ。
最初にここへ来たとき、皆は教会に集まり、ただ祈ることしかできずにいた。
それが今では、誰が家を建てるのか、どうすれば畑を広げられるのか、自分たちで考えている。
もう、大丈夫そうだ。
「……はい。期待してます」
僕はそう答えて、シスターに別れを告げた。
ガイア編終了です。
すみません……ちょっと描くのが難しくて……駆け足気味になって盛り上がりに欠けちゃうかもしれないですね……
ザイデ編は頑張ります……




