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太陽と月の魔力をもって。〜日蝕により崩壊した世界で生きる〜  作者: 紅弥生 
Chapter-3 復興

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EP5


 農地の復興が先だと言ったが、魔法を使える様にするのが最初がいいと思った。

 魔法は自分の身を守れるし、復興作業にも役に立つのでしっかり時間を取って使えるようにしてもらったほうがいいと思い、3日間使うことにした。


(サイドベールは6人だけだったし、1人1人にしっかり時間を使えたから1日で済んだんだけどね……グレストはトップが優秀だからさっと教えて任せれば普及すると思うし……)


 1日目はそこで、約800人に僕たちが3人それぞれ簡単に教えるにしても非効率的なので、1チーム25人で計32チーム作ってもらった。


 それでも3人で1チームずつに教えていくのも非効率的なので、各チームにリーダーを選出してもらい、その人たちに教えて、その人たちが同じように教えて貰うようにした。


「ステータスっていうのがーーー」


 グレストや、サイドベールの人々に教えたように、教えていく。

 それを同じようにチーム内でも教えてもらった。


 それで1日が終わった。

 そして2日目。

 基礎をしっかりするために魔法を使うイメージを鍛えてもらうことにした。


 さらに踏み込みたい人は僕のところに来てどんな魔法があるか。と言う例を言葉で伝えて見る。


 あくまで1例なのでこの世界の魔法はどんなのがあるのかっていうのが、僕たちも分からないので、使えないのと使えたのを見て僕たちも勉強する。


 ちなみに、ここにいた魔法属性は今まで出会ってきた人々と変わらず、火炎、水沫、雪氷、電雷、地、自然、物理だった。

 聖光と空間はやはり珍しいのか、誰一人としていなかった。


 魔法の練習最終日。

 正直3日は短いとは思うが、正直、魔法をどう使うか。とかはそれぞれの個性があると思う。

 なので、ある程度使える様になったこれくらいで十分なのかもしれない。


 これ以降は正直、僕も分からないことが多すぎるので踏み込んで教えれないのもあるが。

 練習あるのみだと思う。


 話は逸れたが、3日目は応用編だ。

 かと言っても、戦闘をしたことがない人々にいきなり、戦闘をしろっていうのも酷なので、料理をしてもらったり、荒れた農地の一部を復興……例えば、砂を除去したりと復興を少し進めながらできる範囲のことをやってもらった。


 もちろん、戦える人には戦って応用をしてもらう。

 地、自然、水沫での行動制限

 火炎、雪氷、電雷、物理での攻撃などなど。


 ちなみに3日目に突然爆発した人がいた。


 ボンッ!!という音があたりに響いて驚く。


(ん!?なに!?)


 驚いてその方に駆け寄ると、人は無事そうだったが、近くの木が薙ぎ倒されていた。


「大丈夫ですか!?」


「あっ……殿下……申し訳ありません……」


「何が起こったんですか?」


「火魔法と水魔法でやったいたら急に爆発して……」


 それで1つ思い浮かぶ。水蒸気爆発が起こったのかもしれない。

 結構危険な現象なので心配になる。


「怪我とかはないですか?」


「はい、ありがとうございます」


 一応念のため少し休んでいてもらおうと思う。


「それならよかったです。ただ身体に突然異変が起こるかもなので、少し休んでてください」


「分かりました」


 なんてことがあった。

 ちなみに起こした2人は何の異常もなくその後もピンピンしていたので、練習をした。


 まぁ、そんなこんなで復興やこれからのことを考えての役割分担も考えての魔法練習の3日間だった。


 そしてその翌日。

 800人全員で農地の復興は多すぎるし、かと言って何もしない人が出るのはもったいない。

 まず地魔法を使える人に石を斧に変えて貰う。

 その後に属性ごと、元々やってた職業からある程度の役割を与えた。


 まず、体育会系。

 火炎、雪氷、電雷は戦闘。

 →護衛をしてもらう。


 地、自然、水沫、物理は木材調達。

 →街で家を作る為の材料確保をしてもらう。


 次に農業系

 火炎、雪氷、電雷、物理は補給。

 →教会で待機する人々とご飯を作ってもらう。もちろんいつも作るわけにはいかないと思うので、空いている時間は川で魚釣りや農作物の種の分別などをしてもらう。


 地、自然、水沫は農地復興

 →これからの最重要課題。農地にある砂の除去、地割れ凹凸の修復をする。


 アーノルドとルークには、アーノルドは護衛班へのまとめ役、ルークには木材調達班へのまとめ役をお願いした。


 僕は、農地復興の人々と一緒に農地へ行く。

 この街は農地に囲まれているのだが、そのうちの今回は僕たちが来たほうの農地を復興して行く。


「殿下、いかがなさいましょうか」


「うーん……まずは地魔法で砂を除去していきましょうか」


 砂は何かで使えるかもしれないので農地のすぐ脇に溜めておく。

 みんな、魔法に慣れてきたのか、思っているよりも早く太陽が真ん中に来るくらいに砂を除去できた。


 そして、お昼を食べて、午後。

 こんどは凸凹を直す作業だ。

 土壌を平らにするので、日が沈むくらいには終わった。


 そして翌日。


「殿下、本日は?」


「ここの範囲をさっそく、耕していきたいんですが、ここの土壌はどう思いますか?」


 農業をするには土壌が大事だと聞いている。

 自分では良し悪しの判別がつかないので、ここはどうなのかを専門家に見てもらうことにする。


「うーん……『ウォーター』……」


 水魔法で土を湿らせて確認している。


「はっきり言って、水分保ちが良すぎます。これでは土の中の水が多すぎて根腐れしてしまいます」


「なるほど?どうします?」


「作物を植えるところを高くしたり、腐葉土を混ぜたりするんです」


「高くするのは何とかなりそうですが……腐葉土……ないですよね……?」


「そう……ですね。少しはあるとは思いますが、この広さとなると、新しく作らなきゃいけないですね」


 腐葉土を作るには最短半年……(米ぬかとか使えば2ヶ月くらいでできると言うけどないだろうし)、長くて2年……か……


 そこまで待ってたら農作物が育つ前に餓死して全滅してしまう。


 魔法でどうにか出来ないだろうか?

 火魔法と水魔法と自然魔法で。

 

 まぁ、試して見るのは全然ありかもしれない。

 それを提案してみると、意外と乗り気で同意してくれたので、そこからは木材伐採とかでとれた葉っぱなどを貰って試してみる。


 初日


「くさっ……」


「腐ってますね……」


 酷いドブの匂いと言うか何と言うか、腐敗臭がしてしまっていた。


 火魔法で温度を保ちつつ、水魔法で水分を調整して、自然魔法で生物の働きを促進させてみたのだが、水分量が多すぎてなのかわからないが、失敗した。

 この前の魔法のときに強い火魔法と強い水魔法が合わさって爆発していたので、それには十分注意して行う。


 2日目


「ちょちょちょちょ、火力強いです強いです!!」


 火魔法の火力が強すぎて、燃えて逆に灰になってしまった。


「まぁ、これはこれで肥料になると思うので良いんじゃないですかね……」


 プラス思考は大事なので前向きに考える。

 

(前向き過ぎるとただの空気読めないバカになるけどね……)


 何事もほどほどが大事なのだ。


 3日目


「うっ……キモ……」


「こ……れは……」


 皆さんも若干ひいている。

 何故なら自然魔法の生物の働きの促進効果が強すぎたのかの影響か虫が大量発生してしまった。


(これは、自然魔法は気をつけないとね……)


 幼虫がうねうねいるし、なんの虫だかわからない虫がいる。


(おえっ……)


 肝心の葉っぱは食べ尽くされてしまって跡形もなくなっていた。


 4日目

 これまでの失敗を踏まえて、強過ぎず弱過ぎずで魔法を使い、作っていく。


「おっ?」


「良いんじゃないですか?」


 4日目にして、ちょうど良い塩梅の腐葉土ができた。


「う〜ん、完璧とは言えないかもですが、とりあえずは良さそうです。これ以降はもっと時間をかけて試していかないと無理そうです」


「よし、では、とりあえずそれを混ぜてみましょう」


 そうして、農地にできた腐葉土を持っていって、土魔法と自然魔法を使って混ぜていく。

 しばらくすると、ほんの一部しか無理だったけれどしっかり混ざる。


 踏んでみると、農地の耕された様なふかふかな地面になっていた。


「これでどうでしょう?」


「はい。『ウォーター』」


 またも水魔法で湿らせて土を持って確認している。

 土はほどよくまとまって、ほどほどに水分を保っているように見えたが。実際は分からない。


「うん。良い感じですね。すこし耕して、種を植えれば十分だと思います」


「やったー!」


 自分はただほぼ見ているだけだったのだが、思わず声に出して喜んでしまう。

 

 周りに沢山人がいるのを思い出してちょっと恥ずかしくなった。


「あっ……ハハハ……えっと……じゃあ、もうちょっと時間もありそうですし、できるところまで耕しましょう!」


「「「はい!」」」


 そうして、農地はほんの一部だったが、種も植え終わり、これでガイアの街の復興は一歩進んだのだった。





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