EP3
もう少しでファンガイア領に入る。
何故分かるか。というと、サイドベールとファンガイアはお隣でファンガイアが内陸にある。
そしてその間には一本の大きな川が流れているからだ。
道中、そういえば、あの時に魔力がある程度回復したから空を飛べるんじゃないかと思って、また使おうとしたら、失敗した。
なので陸路で来ているのでこの川を必ず通るのだが。
「橋、折れてるね?」
主要道を繋ぐ橋が、地震により真っ二つに折れてしまっている。
「ルーク、地魔法でできるかな?」
「うーん……厳しい……川ごと埋めるようにやればできると思うけど」
「そっか〜。遠回りになるけど回り道していこうか」
「え、ハルト俺は?」
「アルトは、物体転移で丸太と言うかそういうのを橋にかけれるかもしれないけど、それを渡るのはちょっと怖いかな」
「そうか……まぁ確かに、不安定な橋を渡るのは危ないか」
「そうそう。簡単な橋を作っても良いんだけど、僕たち3人じゃ多分厳しいからね。今は危険を冒さずに行こう」
そうして、川の流れと逆の方向に向かって歩く。
同じ方向に行くと下流に行っていつかは海に行って、サイドベール側に戻ってしまうので
上流に行って浅いところで渡る狙いだ。
泳いでいくのもいいが、地球にいた幼い頃に川で泳いで溺れてから、川で泳ぐのが苦手なのだ。
海やプールは大丈夫になったが、川で泳ぐのだけが未だに怖い。
それはもちろん2人には言っているので、泳ぐのは基本無しの方向でいっている。
しばらく歩くと川の底が浅いところに着く。
滑るのに注意しつつ、川の反対側に渡る。
これで一応ファンガイア領に入ったとはいえ、ガイアの街まではまだ歩くことになる。
ただ農地だけは川の土手から上がると、広がっていたはずなのだが。
「こ…れは……」
砂がそこら中に堆積していたり、地面が陥没したり、亀裂が入っていたりと凸凹してかなり荒れていた。
これでは農業なんてものは出来やしないだろうと思う。
それを横目にガイアの街へと向かう。
しばらく道なりに沿って歩いていく。
農地だったところを抜けちょっとすると、ガイアの街が見えてくるはずだが……
「そう……だよな……」
こちらもまた、家が完璧に崩れてしまっていたり、原型が残っていても傾いてしまっていたりと廃墟の街と化していた。
生き残りがいるか心配だが、街の中に入って歩いてみる。
「誰かいませんか〜!」
一応呼びかけて確認してみる。
「誰だ!?」
何処からか問いかける声が聞こえた。
「っ……!!僕はレオンハルトって言います!!何処にいらっしゃいますか!」
「レオンハルト……?まぁいい!瓦礫に挟まって出れないんだ!!助けてくれ!!」
「瓦礫……!?分かりました!!声を出し続けてくれませんか!!」
「分かった!!」
「アルト、ここから人の魔力は見えそうかな……?」
「ん……いやこの距離じゃ無理だ。見えん」
「オッケー。ありがとう」
声の方向を聞き分けて、少しづつ近付いていく。
そして、完全に近くなり間近で聞こえるところに着く。
「ここかな……」
下を見ると顔が見えていた。
「その顔……レオンハルト王太子殿下!!!すみません、ありがとうございます!!」
「その話は……良いや……先に救出しますね。ルーク土魔法で瓦礫が崩れてきても良いように守っておける?」
「了解。『アースウォール』」
僕たちを囲う様に土壁が形成される。
「じゃあとりあえず魔法で上部分を焼き切……いや、魔法はまだ使えないんだった……」
魔法も龍化などのスキル同様まだ使えないのを思い出す。
「ごめん、2人とも手伝って。瓦礫を皆で押し上げよう」
「了解」「おうよ!」
了承を貰って皆で瓦礫に手を当てる。
「いくよ。せーの!!」
掛け声と同時に全員で押す。
それで一気に瓦礫は持ち上がる。
「これで、出れますか!!」
「足……は無理そうです……腕で出ます!」
「少しずつで良いです!焦らずゆっくり出てください」
そして、男性は匍匐前進で少しずつでて、完全に瓦礫から抜けたところでゆっくり力を抜いて瓦礫を戻す。
「助かりました。ありがとうございます」
「いえいえ。大丈夫ですか?」
「足の骨が折れてしまってるようで……」
「分かりました。ちなみに、他に生存者って……?」
「教会に皆います。そこに行って人を呼んで貰えませんか?」
「いや、そこまで運びましょう。おんぶするので肩に腕を回してください」
「王太子殿下にそこまでしていただくなんて……」
「いや、こんな状況なので皆で助け合いですから。僕のことはハルトとでもお呼び下さい。口調も話やすいので大丈夫ですよ」
「そんな恐れ多い」
「大丈夫です。まぁいいや、とりあえず道すがら色々お話を聞かせてください」
「分かりました!」
会話しながら、教会に向かって歩いていく。
ファンガイア編スタート〜




