EP1
「ハルト病み上がりで申し訳ないんだが……」
「はい。なんでしょう?」
「木材を切ったんだが、運んでくんねぇか?」
「いいですけど……」
(前回も合わせて2回目だけど、怖がられるのが嫌だから、パッパッと運んでしまおう……)
そう思って変身しようとする。
〚スキルの竜化を発動〛
いつものようにそう唱えるが、いつまでも変化は始まらないし、痛みは襲ってこない。
「あれ?」
〚スキル飛行を発動〛
じゃあ飛ぶだけの方を。と思ってそちらも唱えても翼は生えず、飛ぶことはできない。
「あれ???」
「どうしたんだハルト?」
「いや、変身できなくて……」
「できない?」
(魔力が枯渇してるからか……?)
理由は分からないが、とりあえず今は空を飛ぶことは出来ない。
「それじゃあ、俺とハルト、アーノルド、ルーク、ヨンタで運んでくるしかねぇな」
「すみません、お役に立てず」
「良いんだ良いんだ。これ以上ハルトに頼るなと神様が言っているのかもしれない。とりあえずこの家が建つところまでは許してもらうしかねぇな。じゃあとりあえず行くか」
そう言って関所跡を通って。森に行った。
これ以降は長くなるので簡単にまとめる。
1日目:日が暮れるまで5人で木材運びをした。
2日目:運んだ木を板などに加工し、1階部分の床を張り、そして階段を作ったところまでできた。
3日目:2階の床を張り終え、6人分(ジェイク、シャンタ、ヨンタ、アニカ、モニカ、マーク)の部屋分けを決めた。
4日目:各人の部屋を作った。
5日目:内装はまだ完成してはいないが、それはこれから皆で作っていくことになったので、ある程度の手直しをした。
こうして、現状でサイドベールの人々が住む家は無事に完成した。
まだまだ復興の第一歩。というところだろうが、それはこれからここの人々が進めて行く。
ただ国を立て直していく途中には、また関わることになるだろう。
その日は簡単ながらも、完成の祝宴を開いた。
「それでは、家が完成したということで!乾杯!」
「乾杯!」
とは言ってもお酒などはないし、飲み物という飲み物もないので、シーライクの実を絞った果汁水だ。
「いやぁ、こんな立派な家が完成するとはなぁ……それもこれもハルトとルークが最初に来てくれたからだな!」
ルークとアーノルドがいがみ合ってるのを横目に見ていると、ジェイクさんが近寄ってそう言う。
「いえいえ、僕たちはちょっとお手伝いをしただけですよ。」
「何を言う?ハルトたちが来て、魔法を教えてくれたからトントン拍子で話が進んだんだ。来てくれずに魔法も分からないままだったら、こんな立派な家じゃなくて木の枝を拾って茅葺き屋根で、冬には冷たい潮風で凍えていただろうよ」
「いや、結局、人っての言うのは弱いところもありますが、強いんです。だからいずれは魔法も見つけて自分たちで解決できていたと思いますよ」
「いや、はぁまぁ……ハルトのそれは多分折れないんだろうからそういうことにしておく」
なんかちょっと心外だが、納得したようなので聞き流す。
「ところでだハルト」
先程までとは打って変わって纏う雰囲気が異なっていた。
「なんですか」
なのでこちらも真面目に対応する。
「引き留める様な真似をして悪いんだが、メドゥーサで有耶無耶になってしまった、行方不明者の捜索を最後にお願いしたいんだ」
そうだ、と思い出す。
完全にメドゥーサに集中し過ぎていたが、事の発端は行方不明者の痕跡を見つけて捜索しに行ったのが始まりだ。
「ハルト達に頼らず、自分たちでやっていくと決めたばかりで、本来、これも自分たちで解決すべき事なんだろうが、頼めないだろうか」
「僕はいいんですが……」
と言葉を濁すと横でいがみ合っていたはずの2人が
「私もそれでいいと思うぞ。元はと言えば私が痕跡を発見したからな。最後まで見届けたい気持ちはある」
「俺はそのことについては分からないけど、ここからの旅はお前らに付いていくんだ。ここで1人で待ってるのは退屈だから」
と賛同を示してくれる。
「おぉ寂しいなら寂しいって言えよ、ランドレインの坊ちゃま」
「うっせぇな、ロゥエン家の坊ちゃん!」
しかし、すぐにまたいがみ合いが始まったので軽く頭を抱える。
そのことをすぐに頭から追い出し、返事をする。
「ということなので最後まで関わらせて頂きます」
「お、おう。そうか助かるでは、明日の朝から行こう」
「分かりました」
そう返事をすると、ジェイクさんは他の人のところに行ったようだ。
その後は2人の仲裁に入ったりして、宴の時間を過ごしていった。
しばらくお願いし忘れていたのでここで。
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次回も、お楽しみに。では!




