EP12
これで連続投稿一旦おわりです。
ゴクリ。
緊張で唾を飲み込んでしまう。
一度撤退してしまったこのダンジョンがちょっと怖いのかもしれない。
(大丈夫。武器も持ってきたし、アルトもいてくれる。ちゃんと戦える)
今は魔法だけじゃなく、武器がある。
1人だけじゃなく、仲間がいる。
「よし。行くよ」
もう一度そう言って先へ進む。
中の構造を確認してみる。
「行きは一本道になってるのかな?」
最初来た時に奥へと進んでいた時と同じ様な一本道になっている。
「ん?なんだ?」
「いや、前回来た時、行きはこんな風に一本道だったんだけど、帰りは迷路の様な構造になっていたからそこから変わっていてもおかしくないなと思って……」
「そうか。来るもの拒まず、去るもの逃さずって感じか?」
「そんな感じなのかな……」
「まぁ、今回は余程のことがなければあまり撤退を考えなくて良いんじゃないか?」
「そうだね。というか、絶対に撤退はしたくないね。撤退したら現時点で攻略は出来ないということになるからね」
「そうだな……まぁ、行けるところまで行ってみようぜ」
その会話をしながら進んでいると、ガウ!!ガウ!!という声が聞こえる。
「そう……気を付けて。来るよ」
「おうさ。どこから来る?」
「前から」
「りょーかい!」
2人共武器を構える。
しっかり音を聞くために2人共静まり、ちょっと経つと前から狼型の魔物の姿が2匹見えた。
「僕が前に出るね。アルトは隙をついての攻撃をお願い」
「任せろ」
アーノルドは両手剣で僕は片手剣なので、比較的自由に動きまわれる自分が先に前に出る。
魔物の攻撃を誘うために敢えてちょっと待つと、爪による攻撃がくるのでそれを躱す。
そのまま側面に回り込んで剣を切り下げるとそのまま胴体と頭が真っ二つになる。
(1匹撃破)
油断せずにいると視界の端で2匹目が攻撃しようとしてるのが見えるので、身体ごと向く。
ただ、攻撃するのには無理な体勢だったので、攻撃を受け流してアーノルドのために隙を作る。
「パリィ!!アルト、今だよ!!」
「ほっ!!」
隙が出来るのを待っていたアーノルドがすぐに攻撃をしてくれて、魔物は倒れて消滅した。
「ナーイス!!ありがとう」
「ハルトもグッジョブ。連携は良い感じだな」
ハイタッチする。
「うん。こんな感じで行こう」
「おいさ」
すぐに探索を再開する。
こんな感じで1階層目は道中罠などもなく順調に進む。
そして、奥につき、2階層目へと進む。
ここも表面上は前と同じ様に見える。
「無事にこれたね」
「そうだな。ここから先は?」
「前回はここまで来たところで、魔力に限界が見えて引き返しちゃったから、実はここから先は完全未知なんだ」
「そうか。じゃあ手分けするか?」
「いや、1人だと罠に当たると対処できないかもしれないから、2人で行こう」
「了解。じゃどの道から行く?」
すぐ近くには真っ直ぐ、と右につながる道がみえて、真っ直ぐはすぐ奥に左につながる道が見えていて、右は分岐は見えない。
「う〜ん。右から行ってみよう」
「じゃ行こう」
真っ直ぐの道を一旦無視して右へと進んでいく。
「そう言えばハルト、お前は違う世界から来たんだったよな」
「え?うんまぁ、身体はレオンハルトのを借りてるというか、使わせてもらってるんだけど……」
「その世界はどうだったんだ?」
「今ここでそれ聞く?どうって……まぁ、平和だったね。ここより科学が発展してて、簡単に言えば電気を使って明かりをつけたり、火をつけて料理したりだね」
「ほぉ……それはすごいな……それでお前はどうだったんだ?」
「どうって?」
「どんな暮らししてたのかって」
「あぁ。僕たちの国は学校って言って色々を学ぶ場が庶民にも提供されてたんだけど、それの一番上。大学っていうところで専門的……僕の場合はその、電気を使ったものについて学びながら普通に暮らしてたよ」
「そうか……平和だったんだな」
「まぁ、僕の国は比較的平和だったね」
ちょっと日本での暮らしを思い出し感慨深くなるが頭から追い出す。
そんな話をしつつも警戒しながら進んでいると、足元が軽く沈む感覚がする
「ちょっと待って。罠だと思うこれ」
「どれだ?」
「僕の足元。どこにスイッチがあるのかちょっと探ってみるよ」
「俺の目を使えばいいんじゃないか?」
「いや、大丈夫。メドゥーサ戦で使いたいから温存してて」
そういいながら軽くコンコンと叩いて音を確認する。
まずはスイッチのところを確認すると空間があるのか少し軽い音というか、なかで反響する感じがする。
その周辺をくまなく確認してみると、罠のところだけやはり音が違う。
逆にそれ以外はスイッチではなさそうだというのを把握する。
「うん。大丈夫ここだけだね」
念のため持ってきていた石を擦り付けてスイッチの周りに印をつけてみる。
「ここを踏まないように気を付けて」
そう注意しながら、その横を進んでいく。
「あれっ……行き止まりだね……」
「引き返すか」
「そうするしかないね」
しかし、少し進むとすぐに道がどこにも繋がっておらず、引き返して他の道を進む。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
しばらく経ち、あらかた全ての通路を探索しおえて、最後の道を進んでいると、一つの部屋につく。
その部屋を見渡すと、空中を飛べるくらいとても広くなっていた。
「ここは……」
「おい、奥見ろよ。道がつながってるぞ」
「ほんとだ」
部屋の奥を見ると一箇所だけ道が続いている。
ここ以外どこにも無かったので、恐らくここが次へと進む道だろうと察せれる。
「じゃあ行くぞ」
アーノルドが一歩踏み出すと、背後の部屋のドアがガチャンっ!!と音を立てて閉まる。
(はっ!?なんで!?)
アーノルドはそれに気付いていない様子だ。
「アルト、ちょっと待って。扉が閉まった」
「なんだと!?」
アーノルドが後ろを向いてこっちに向かってくる、さらに後ろで蛇らしきものが見える。
しかも、その蛇がアーノルドを攻撃しようとしているのも見えた。
「アルト!!!後ろ!!避けて!!!」
そう声を出すと、アーノルドは疑問に思うことなくその場から離れる。
「助かったありがとう」
「大丈夫。戦うよ」
「おうさ」
かなり巨大なので、こっそりその後ろの通路に向かうというのもできなさそうだ。
2人共、しっかり武器を構えて、再び僕が前に出る。
「アルト、ちょっと僕は後ろに回り込んで攻撃してみる。だから一旦避けるのに徹して」
「了解」
「行くよ!」
そう言って、駆ける。
蛇の視界はかなり狭いはずだ。
その代わり、赤外線?というか温度か何かで周囲を把握していたはず。
その考えは正しいのか、アーノルドに注意が向かっていたのか、容易に背後を取ることができる。
「はっ……!!」
後ろから剣で斬りつけてみる。
「くっ……硬いっ!!」
が、鱗が硬くて思ったよりダメージを与えれない。
敵のステータスを確認してみる。
個体名:ジャイアント・スネーク
Lv.30 HP:2780/2800
(うん。数値的にも全然減ってない。これはアルトに火力を任せて僕はヘイト吸うのと攻撃を受け流すのにまわったほうがいいね。それに、ここは空中に飛べそうだ。機動力は僕が一番あるからね)
「アルト!僕じゃダメージをあんまり与えれない!僕が注意を引きつけるから攻撃をお願い!!」
「わかった!!」
空中を飛び、敵の注意を引きつけるために前へ回り込む。
「蛇さん!!僕に向けぇい!!!」
思いっきり顔の部分を蹴り落とす。
いわゆる踵落としだ。
勢いが良すぎて顔が床にデカい音を立ててぶつかる
「あっやっべ。アルト!!大丈夫!?」
「大丈夫だ!!」
「よかった!」
アーノルドは大丈夫そうだったということは。
この蛇からの注意は引きつけれたということか。
油断せずに見ていると、横から尻尾の攻撃が飛んでくる。
「あっぶな!!」
空を飛んでいるので場所を移動して避ける。
個体名:ジャイアント・スネーク
Lv.30 HP:2000/2800
それだけの間で結構アーノルドが攻撃を与えてくれていたのか、ステータスを確認するとかなり減っている。
そして、突然、シャァァァ!!!とデカい雄叫びをあげる。
何事かと下を見ると、アーノルドが尻尾を真っ二つに切断しているのが見えた。
「ナイス!!アーノルド!!」
「おうさ!!」
短くやり取りをし、引き続き顔を切ったり、殴ったりして良い感じに注意を引きつけて、アーノルドが攻撃するのを繰り返す。
個体名:ジャイアント・スネーク
Lv.30 HP:500/2800
しばらく攻撃し、あと少しというところまで削る。
すると、途端に動かなくなる。
(なんだ……??)
急な行動に驚き、要警戒する。
一瞬。ほんの一瞬だったが、蛇の喉の部分がなにか動いたような気がした。
なんかヤバそうと思ってその場から咄嗟に離れる。
と、その直後に、僕がいた場所に紫色の液体が見えた。
「……なっ!?」
「ん?!」
今ここに来て毒液と驚くが、攻撃を続けるしかない。
「アルト、攻撃続けて!!」
「了解!!!」
ただ、次やられたらアーノルドに被害が出るかもしれないと思い、僕も速攻をかける。
(一撃が効かないなら連撃だよ!!)
ただ、少しでも攻撃力をだすために、踏ん張りがつかず、力が入りにくい空中から地面に降り立ち、アーノルドの反対側で切り下げ、切り上げなどの攻撃を素早く繰り返す。
個体名:ジャイアント・スネーク
Lv.30 HP:10/2800
「これで終わりだ!!」
最後に突きの攻撃でトドメを刺す。
HPを全部削りきり、蛇は倒れ、消滅していく。
「お……終わった……」
「お疲れ様ハルト。良かったぞ」
「お疲れ様。アルトが付いてきてくれてほんとに良かった」
またもハイタッチをする。
「まだ、先があるし、メドゥーサが待っているけどここで一旦休憩しよう」
「そうだな。俺も疲れた」
そして、荷物から食料品を取り出し、その場で座り込み、休憩する。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
しばらく休憩したあと、繋がっている道を進んでいく。
「長いな」
「そうだね。3階層目じゃないのかな……?」
結構歩いてきたが、まだ到着しない。
もうしばらく歩いていると、明かりが見えた。
「あそこ……かな……」
明かりのところに向かって一気に駆け抜けると、とてつもなく広い空間にでる。
「ここが海の地下なのか……?」
学校の校庭よりもかなり広い空間のように感じられる。
中に入っていき中央らへんに到着すると。
「龍人ちゃんようやく来たわね」
今まで姿が見えなかったメドゥーサが広い空間の奥から姿を現した。




