EP4
ガキンガキン!!
(なに?金属音!?)
慌てて外を見る。
「ルーク!どうしっ……!!!」
ルークとヨンタが土壁と石壁、そして水の壁で防いでいる。
ここからだとよく見えず、黒い物体としか認識できないが、そいつが、ありえない速度で攻撃しているのは分かる。
まだ、中にいる判定で、魔力が統一されているのをステータスで確認して、その上で、光魔法を発動させる。
「『セイクリッド・フィールド』!!!!」
辺り一面を聖光属性の魔力で充満させる魔法。
しかし、それは無制限の夜の魔力で成り立っていたようなものだったのか、使った瞬間、一気に力が抜ける。
ステータス
レオンハルト HP200/400
「かっは!!」
「おい、大丈夫か!ハルト!!」
中で残魔力量を超える魔法を発動させると、代償としてHPを持っていかれ、その反動で血を吐いてしまう。
「だ、大丈夫です……!皆さん、これで魔法の攻撃をお願いします!!」
「チッ!聖光魔法かい!!厄介な!!」
敵は喋るのか……なんて思った瞬間皆が一斉に魔法を発動する。
「『ロック・ブラスト』!!!」
「『ウォーター・ジェット』!!!」
「『気功弾』!!!」
僕に狙いを変更しようとするが、近寄るに近寄れていない。
「ジェイクさん……僕ごと外に出てください……この中はもうすぐ崩壊するでしょうから危険です……」
「分かった!」
そう言って僕を抱えて、外に出てくれる。
ここら辺では、火魔法を撃っちゃうと他のに燃え広がる恐れがあるけど、そうは言ってられない。
「『フレイム・ジャベリン』!!!ゲホッゲホッ!!」
上手く狙いが定まらないが、なんとか無理やり定めて、放つ。
「火魔法に聖光属性はめんどくさいわ!!!」
敵はそう言うと、真紫色の光を放つ。
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Side:???
「ほんっともうめんどくさいわ。火炎魔法に聖光魔法なんて、あたいたちの天敵なのに」
女性はそう言って、ハルトが飛ばした火魔法を一振りで消し去る。
そしてニヤッと笑いながら言う。
「まぁ、でも、自分からダンジョンの外に出ちゃって。石化しちゃったならあたいのもんだもんね」
そう。そこはヨンタ、ジェイク、ハルト、ルークが石化して完全にピタッと止まっていた。
「この竜人ちゃん。やっぱり、あのドラゴンちゃんの血肉から変成してるみたいね」
いつの間にかハルトに近寄り、チュッとキスをする。
「まぁ、適合してくれてよかったわ。お陰で、これも良く馴染むだろうからね」
そう言ってドス黒く染まった玉をハルトの口に転がそうとする。
しかし、それは弾かれた。
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『やあ。晴斗。お久しぶりというべきかな?』
聞き馴染みのある声。
また精神空間というべきか。
そういう所に来たんだろう。
「久しぶり。レオンハルト。僕はどうしてここに?」
『うーん……私もちょっとよく分からないんだよね……』
「分からない……?」
『多分、あの紫色の光で何かされたんだろうけど、その瞬間君は意識が飛んじゃったんだよね。私自身も君と感覚共有しているから、それ以降はどうなっているのかよく分からないんだ』
「なるほど……」
二人してなんでだろうとうなる。
「対策……光……」
光を使って何かをこっちに付与する敵……?
「レオンハルト、その光って大体何処から発してたかわかる?」
『多分【目】じゃないかな』
「目から光……蛇のような髪……」
特徴をあげて、いき、1つの可能性に思い至る。
「【メドゥーサ】かな?」
目から光線を出してたかは分からないが、蛇の髪を持ち、目を合わせたものを石化させるギリシア神話の怪物。
『メドゥーサ?』
「僕の世界の神話の1つに似たような特徴を持つ怪物がいて、それがメドゥーサ」
『なるほど!でも、対策と討伐方法は?』
「倒し方は確か、鏡のような盾とかを使ったんじゃないかな……そこら辺はちょっと記憶が曖昧なんだよね……そして、もう一つ、メドゥーサに石化された人は戻らないかも知れない……僕たちが戻れるかも分からないし、僕が戻れたとして、メドゥーサを倒したところでルークたちが戻れるかも分からない……」
『そっか……でも、聖光魔法はどうなのかな?』
「うーん……それで石化が解けるのかな……」
『やってみなきゃ分からないよね!私も手伝うから!』
「おっおう」
目がキラキラしているのをみると、危機的状況だけど、魔法への興味が勝っているのかもしれない。
でも、ちょっと緊張がほぐれた。
「じゃあ」
レオンハルトに手順を相談しようとすると、パッとレオンハルトは消え、自分も意識を閉じる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
意識が戻る。
石化が解けた?と驚きと同時に口に何か入れられようとしているのに気付く。
それがなにかは分からないが、直感で危ないものだと判断し、手ではたく。
すぐにステータスを確認すると、夜の魔力になっているのに気付いたので、ドラゴンの最後の一撃に使った魔法を使う判断をする。
「『セイクリッド・ピュリファイアー』!!!!」
「な゛!!!!!」
不意をついたので、メドゥーサに直撃した。
これで倒せたら嬉しい。と思いつつ、その場から飛び退く。
「ま、まさかこんなにはやく石化を解除できちゃうなんてね……流石は聖光属性の持ち主……カハッ……」
「……」
油断はせず、敵から目を離さない。
「『セイクリッド・ソード』!!」
隙だらけなので、今のうちに追撃をと思い、光の剣を出し、一気に近寄る。
石化させられてしまうかもしれない。
けれど、ここでトドメを刺さなきゃ。という思いが強かった。
ちょっとだけ、気が急いたのかもしれない。
「2度も3度も攻撃されないわよ!!」
そう言って爪を伸ばして、それで攻撃してくる。
咄嗟に光の剣でガードをするが、後ろに吹き飛ばされる。
ダンジョンはいつの間にか崩れきっていて、井戸に激突する。
「ぐっ!!」
「竜人ちゃん。今日のところは見逃してあげるわ。でも次あったら必ず、我が主に忠誠を誓わせてあげるわ……」
「まっ!!待て!!!!」
言葉は届かず、メドゥーサはそう言ってその場から姿を消した。
「チッ……!!!!クソっ!!!クソっ!!!!」
とても悔しい。
皆を助けれず、自分も何もできず、メドゥーサを逃がしてしまった。
「絶対に倒してやる……次は……!!!」
どこか魔法でドラゴンを倒した経験が、自分の力を過信してたのかもしれない。
次は必ずと決意を決める。
天を仰ぐとポツポツと雨が降り出す。
それで頭が冷え、冷静になっていく。
「まずは、3人を安全な皆のところに運ばなくちゃ……」
そう言って、まずは石化したルークに近寄り、持ち上げようとする。
が、重さは大丈夫だが、かなり身長が大きく、持つに困る。
竜の姿ならどうだろうか。と思い竜に変身して、掴む。
「これなら、安定して持てるかな……ジェイクさん、ヨンタさん待っててね。」
そう言ってバサッバサッと飛び、サイドベールの拠点まで飛ぶ。
戻ってくると、家の土台はできていた。
それを避けてちょっと離れたところに降りる。
「は、ハルト!!それは!!」
皆が近寄ってくる。
「うん……ごめんなさい。強敵に会って、僕と一緒に行った3人が石にされちゃいました……」
「ハルトが無事ならそれでいいんじゃが……」
「とりあえず、欠けたり折れたりしたら大変だから安全なところに置いておこうと思って……ジェイクさんとヨンタさんを運んできます」
「承知なのじゃ。とりあえず……おい!マーク!土魔法で安全な囲いを作ってくれ!」
「分かった!じっちゃん!任せて!!」
あれ……シャンタが地魔法で、マークは氷魔法じゃなかったか……?と疑問を持つが、すぐにあぁ、それは昼の魔法か……。今は夜だから、夜の魔法に切り替わっているのかと思い至る。
そう考えつつ、森に飛び、ジェイクさんを運び、ヨンタさんも運び終える。
「にしても、よくハルトは無事だったのう……」
3人を囲いに閉じ終え、見ながら会話する。
「いえ、実は僕も多分石にされたんです……だけど、何故か分からないけどそれがすぐにとけて……一撃は与えたんですが、逃げられちゃいました……」
「そうか……」
「次は絶対に倒します。絶対。解除方法も吐かせます……!」
「ホッホッ。落ち着くがいい。ハルトも疲れているじゃろうからの、今日はもう遅いし、休め。見張りは4人でやるからの」
「すみません……ありがとうございます……」
そう会話して、別れて、ベッドに横になる。
すると、すぐに眠気は来て、意識がしずむ。
9/29一部表現を変更しました。




